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人生をデザインする

Webデザインの勉強をしていると、時々デザインの概念について考えてしまい、ゲシュタルト崩壊を起こしてしまいます。

そもそも英語における「デザイン」(design)とは「設計」という意味であって、日本で一般に使われるイラストや装飾といった審美的な意味合いはその一部にすぎません。

そして「設計」とは、想定された完成品を制作する段階で必要となる、機能などの準備のことを指します。

デザインという言葉は設計全般を指すため、「計画し、行動するための指針」といったさまざまな概念を含むことができ、使い勝手の良い言葉でもあります。

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人生における職業の計画や選択のことを「キャリアデザイン」と呼びます。

今まで何度も聞いてきたキャリアデザインという言葉ですが、僕はその本質を全然とらえずに今まで過ごしてしまいました。

僕が通っていた大学では、就職指導が盛んだったこともあり、キャリアデザインに関するセミナーが1年生の頃から何度も開催されていました。

僕は漠然と将来に不安を抱いていたこともあり、毎回必ず参加していました。

おかげさまで日本の就職活動の実態を知れたり、面接対策や履歴書の書き方、SPIの解き方といった就職活動のテクニックはついたものの、キャリアデザインということの意味を考えないまま過ごしてしまいました。

結局3年生で就職活動をする頃になってもやりたいことは見つからず、とりあえずと将来を見据えてIT企業にエンジニア職として入社しました。その後、転職や海外就職を経験するも、結局5年間過ごしたこのキャリアを納得できないまま今に至ります。

キャリアデザインとはただの職業選択ではなく、自分の人生をどのように組み立てていくかという人生設計のことです。だから、目の前のテクニックだけではなく、もっと広い意味で捉える必要があります。

僕はテクニックばかりを気にしてしまったため、本質を捉えないままずるずると年を取ってしまいました。

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今は仕事もない中でジョージアという国を拠点にしています。

毎日「ジョージアで今何やってるんだろう」と感じることがあります。確かに日本人にとって馴染みの薄いジョージアという国で、仕事もせずに毎日過ごしている状態はとても奇妙です。

キャリアデザインの観点では、自分が好きなこと、得意なことを仕事としていくことが理想だとされています。

しかし、僕はなにが好きでなにか得意なのか、考えてもよくわかっていません。

Webデザインの制作が好きという気持ちはあったから、一旦その方向に進んでみたものの、責任感の弱さから前に進むことを躊躇ってしまう瞬間があります。

今でも出口のない暗雲の中を彷徨っている気分です。

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人生とは白いキャンバスに絵を描くようなものだと思います。

生まれたばかりの頃は真っ白。経験を積んでいくごとにスキルという絵の具が手に入り、キャンバスに絵が描かれていくイメージです。

人によっては統一感があってシックなものに、人によってはカラフルで鮮やかなものになります。同じ作品は存在しないし、死ぬまで絵は描き続けられます。

自分の人生を生きる。

最近こういったことを強く意識するようになりました。

まずは人生をデザインする。今まで生きてきた28年間を振り返り、今の気持ちを確かめて、今後の60年くらいの指針を立てる。

働くとか稼ぐという視点を一旦外して、どのような人生にしていきたいか、どのような絵を描いていきたいか、といった考えを持ってみようと思いました。

今まで本気だと思っていたことも本気ではなかったし、いつも他人と比較ばかりして、自分の軸が持てていませんでした。

焦らず、生き急がず、自分のペースで。

いよいよ自分に向き合う時が来たんだな、と感じています。


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サムネイルの撮影場所はヴァケのIlia Chavchavadze Avenue(トビリシ)

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