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カルチェラタンの街並みに想いを馳せる

パリの中心にはセーヌ川という大きな川が東西に流れていて、パリを語るには欠かせません。

川の中洲にはノートルダム大聖堂のあるシテ島や、スーラの絵でお馴染みのグランドジャット島などがあります。

そしてシャンゼリゼ通りや凱旋門、エッフェル塔、ルーヴル美術館などパリの主要な観光地はすべて川の北側に位置しています。

川の南側はどちらかというと住宅街であり、観光客はそれほど多くは訪れません。

僕は昨日、このセーヌ川の南側に位置するカルチェラタンという地域に行ってきました。

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カルチェラタンは一言でいうと学生街です。パリ第一大学やパリ・ソルボンヌ大学などフランスを代表する大学を始め、いくつもの学校が位置している地域です。

日本だと、東京の駿河台地域に明治大学や日本大学など複数の学校が集まっていることから「日本のカルチェラタン」と言った呼び方をすることもあるらしいです。

直訳すると「ラテン語地域」という学びの地域は、学生向けの本屋や雑貨店、そしていろんな国籍の生徒を受け入れていることから多国籍な飲食店が軒を連ねています。

重厚な建物が並ぶパリ中心部の中でも、カルチェラタンは他の地域とは少し異なる様相を見せています。

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きっかけはジブリ映画でした。

『コクリコ坂から』は、大正ロマンやノスタルジーへの憧れ、切ない恋物語に僕の中には強い印象として残っています。

その映画の中の舞台となっている高校にある学生会館の名前が「カルチェラタン」でした。

そのオシャレな響きから僕はその名を知り、そしてこのパリの学生街のことを知りました。

いつか行ってみたいと思い続け、今回ついに訪問することができました。

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アメリカだとボストン、イギリスだとオックスフォードなど、その国を代表する大学が最も大きな都市にあるのは案外普通ではありません。

対して、フランスにおけるパリは、まさしく国の中心で、首都であり、最大都市であり、文化の中心地であり、そして学業の中心地でもあります。

実際訪れてみると、やはりカルチェラタンは学生の多い街でした。

シャンゼリゼ通りやオペラ座付近のようなオシャレ過ぎる人はいないものの、リュックを背負い、パンを片手に歩いている学生がたくさんいました。

彼らはみんな、楽しそうに街を歩きつつも知的な雰囲気を漂わせていました。

これだ。この感じを待っていた。僕はひとりでテンションが上がっていました。

クレープを片手に街を歩いてみます。

日本では年相応なのに対し、フランスでは20歳で通用するこのルックスを武器に学生気分を楽しみました。

満足感。

くだらないとは思いつつも、ひとりでこういった楽しみ方ができていることに大きな喜びを感じました。

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カルチェラタンの本屋は教養書しか置かれていません。雑誌は一冊もないし、漫画もありません。

それでも次々と人は入り、本を購入していきます。

この街の教養の高さに憧れの気持ちが強くなりました。

たった数時間の散策だったけれど、僕には強いインパクトとなりました。

それはパリのオシャレさの裏に潜む教養の高さを感じた瞬間であるし、社会の本質を少し理解した瞬間でもあります。

日本でもリカレントやリスキリングなど再び教養を学ぶ傾向もあるように、僕も改めて深い教養を身につけたいと思いました。

パリにはまだまだ大きな魅力があるし、それを見つけることがなによりも楽しい。

パリの街にすっかりハマっていまいました。


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それでは、また明日お会いしましょう!

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