一度した学びを活かしていく
本を読むのが好きで、今まで、趣味は読書!休みの日はいつも本を読んでる!なんて言ってきました。
最近も読んではいるものの、簡単な本ばかりに手を出して、何日も深読みする必要のある実用書になかなか手を出せていませんでした。
原因は長らく僕の悩みである集中力の無さで、こればかりは一日で直るものでもありません。カフェインに頼るもうまくいかず、気づいたら夜を迎えていた、なんてことは何度もあります。
毎日を充実させるには一定の集中力が必要なため、なんとかこのスランプから抜け出したいものです。
僕はいつも読んだ本の要約をしており、Kindleと連携させながら自分なりに本の内容をまとめています。ビジネスや教養の本のみならず、物語でも気になった部分にイエローの線を引き、読み終わった後にドキュメントにまとめています。
昨日は久しぶりにそういった過去にまとめた本を振り返っていました。
すると、もう自分では忘れていたいろんな感覚を取り戻せたような気がします。
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3年前に出版され、世間で話題になったから僕も同じように読んでみた一冊の本があります。哲学者の斎藤幸平が書いた『人新世の「資本論」』です。
今話題のChatGPTに内容を要約してもらいました。
カール・マルクスの『資本論』を参照に、そして資本主義経済が世の中にどのような影響を与えているかを示し、著者なりのゴールを提示した一冊です。
タイトルの「人新世」とは、人類の経済活動が地球に与える影響が大きくなってしまい、地質学的に新たな年代に突入してしまったことを指しています。
地球温暖化をなんとかしたい、という思いは一致しているものの、そこに向けた対策はバラバラだし、見せかけのものも多くあります。
現状、そういったプロモーションに効果があるのかの検証がいまいちされていなかったり、そのプロモーションには裏で多額の資金が流れているとの黒い噂があったり、どれも本当の慈善活動とは言えないそうです。
結局、経済が成長している限り、資源は消費され、二酸化炭素の削減は困難になっていく。結論はこの通りです。
そこで著者は「脱成長」という新たな提言をしています。こちらもChatGPTに解説してもらいます。
要は価値観の変容であり、それが本当の意味で持続可能な地球をつくっていくために必要となっていく、ということです。
スペインのバルセロナなど、既にそのような価値観の変容を元にした対策を独自に行なっている都市(フィアレスシティ)もあるため、地球温暖化対策の観点で住む場所を選ぶ時代になっていくことも予測されています。
本書では述べられていないものの、今ではフランスのパリといった世界都市もそういったバルセロナに追随する姿勢を見せている、との話もあります。
ただ、バルセロナは夏場にクーラーのいらない過ごしやすい気候であることや、カタルーニャの独立問題も背後にはあるため、表面上からは読み取れない市民感覚も同様に理解する必要があるでしょう。
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これらから学べることは多くあります。
経済は成長すればするほど、地球温暖化には悪影響であるという事実。これを特に先進国の市民それぞれが理解する必要があります。
結局みんな自分たちの利益ばかりを求めて、無限の成長を目指してしまっているため、そういった事実を認識し、行動に移すことが第一の手段となります。
僕は小手先の活動(エアコンの設定温度や電気を消す)も大事だとは思いますが、それよりももっと大きな枠組みで物事を捉えることが大事だと思っています。
本書で「グローバルサウス」と呼んでいる発展途上国の人たちにこれらを押し付けることは困難だし、彼らは現に先進国の例に従っています。
僕個人が何ができるか、今はあまりわかっていませんが、少しは理解しつつ正しい認識を持って行動していきたいと思います。
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一度読んだ本でも時間が経つと忘れてしまいます。また、この本は僕が読んで衝撃を受けたものの、結局忘れてしまっていたため、多くの人も同様でしょう。
なにかの本を読んで強く印象を受けても、その後の行動に繋げなければ何も意味はなく、一時的な満足感を得られるだけになってしまいます。そうしてまた次の本を読んで満足だけする。
これってこの本が提唱している資本主義経済の仕組みにそっくりです。
一度あった学びを次に活かしていくことが大事だし、それが時間をかけて本を読むことの本意でもあるのでしょう。
ふとそんなことを感じた日曜日の昼下がりでした。まずは集中力を取り戻せるように。
僕のことは以下の記事で紹介しています。
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それでは、また明日お会いしましょう!
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