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大ヒット曲「Pretender」の秘密、まだまだあるよ

3週間前くらいに、Official髭男dismの『Pretender』が、誰もが『これは自分のために作られた歌だ!』と思うような歌詞になっていてスゴイというnoteを書きました。


そしたらきょう、別の観点からPretenderのスゴさを考察しているnoteを発見。


上のnote中では、中村佳穂さんというシンガーソングライターの方のコメントが引用されていて、Pretenderに出てくる歌詞の一節の『心地よさ』に注目していました。

なんと言ってもサビの「君(の)運命(の)ヒト(は)僕じゃない」の助詞の(の)(の)(は)の順番が絶妙だと思ってて、これが(は)(の)(の)になったとすると「僕(は)君(の)運命(の)ヒトじゃない」となって意味は同じなのにメロディにはまらないんです(ぜひ歌ってみてください)。
出典:シンガーソングライター編 | マイベストトラック2019 Vol.1


実際にぼくも頭のなかで歌ってみましたが、たしかに後者の『僕(は)君(の)運命(の)ヒトじゃない』だと、しっくりこない感じもします。

このnoteの著者の桜川さんは、情報を『物理的情報量』と『心理的情報量』の2種類に分解して、その情報が持つ『音』や『リズム』、そしてそこから広がる『情景』などを総称して『心理的情報量』と呼びました。

一方で前者の物理的情報量とは、その情報が持つ客観的な情報を指します(あくまでもぼくの解釈ですが!)。

つまり、今回のPretenderの例でいうと、『は』『の』『の』という後者の順番にしても、その部分の歌詞のトータルの文字数は本物と同じなので、『物理的情報量』は同じです。

しかし、『の』『の』『は』という本物の助詞の順番にすることによって、『心地よさ』という心理的情報量が高まります。

Predenterヒットの秘密が、まだまだこんなところにもあったのか!と、驚きました。


そして、この『物理的情報量』と『心理的情報量』の枠組みで考えてみたときに、そういえばこのまえ、キングコングの西野さんが『ラジオに必要なのは情報量よりも声質』という話をしていたことを思い出しました。

西野さんは昨年からボイスメディア「Voicy」で音声コンテンツを開始。それにより、新たな気づきがあったそうで「ランキングを見ると、上位に声の聴き心地が良い人たちが並んでいる。人が音声に求めているものって、情報量よりも声質なんだと思って。だからいま、ラジオって無茶苦茶良いと思います」と実感を語ると、ハヤカワさんは「意外と情報ってそんなにいらないのかも。(音声を聴く)隙間時間にまで情報を詰め込む必要がないのかもしれない」と同意していました。
(出典:「オンラインサロン」で広がる未来 キングコング・西野亮廣の次なる試作


ここで西野さんが言っている『情報量』というのは、もちろん『物理的情報量』のほうです。

だから、『情報量よりも声質』っていうのは、言い換えると『めっちゃ早口でしゃべるとか、有益な濃いネタを話すこととかってよりも、良い声で話して聞き心地を良くすることに注力したほうが、リスナーの満足度が上がる』ということなのかなと。


桜川さんもnoteの最後に『「情景」や「耳ざわり」以外にも、「匂い」「感触」「味わい」「色気」などなど、物理的情報以上のものを意識すると、クリエイティブも少し変わるかもしれません。』と書いていたように、コンテンツの受け手に満足してもらったり、感動してもらったりするためには、単純に『物理的情報量』を増やすことよりも、『心理的情報量』を増やすことを意識していくことが大事ということですね!

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