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「プレスリリースの一斉送信」の代わりに広報がすること

きのう、『プレスリリースの一斉送信はいますぐ辞めよう!』というnoteを書きました。


では代わりにどうすればいいのか?ということを書いていくのが、きょうの内容です。

ということで、『【小さな会社】逆襲の広報PR術』を読んだ感想、第3回です!


結論からいうと、『プレスリリースの一斉送信』の代わりにするべきことは『プレスリリースを送る前に各メディアに取材になるかどうかを聞くこと』と、『その聞く対象のメディアは、自分の会社や商材に合ったメディアリストを自作すること』です。

きのうのnoteにも書きましたが、メディアにとって最大の目的は『特ダネ』を取ることなので、まず一斉送信して公的な情報にする前に『御社のメディアの特ダネとして興味ありますか?』と尋ねることが大事とのこと。

それで興味を持ってもらえればそのメディアに対して情報を送ればいいし、逆に興味を持ってもらえなければ、まだまだブラッシュアップすべき点があるということで、切り口を変えたり、情報の質そのものを底上げしたりすることができます。


そして、尋ねるメディアは闇雲に連絡をするのではなくて、自分の商材に合ったメディアリストを30社〜100社くらいに厳選して自作。

ちなみに、そのプレスリリースに情報として価値があるかどうかの目安は、この30〜100社くらいにプレスリリースを送って、そのうち3%以上のメディアから反応があるかどうかだそうです。

あと細かいところでいうと、紙媒体へプレスリリースを送る際には、メールではなくてFAXのほうが良いのと、あと宛名は具体的であればあるほうが良くて『〇〇社編集部 御中』ではなくて、『〇〇社編集部 △△部 ♡♡様』くらいまでいければベストとのこと。


では、『自分の会社や商材に合ったメディアリスト』を作るのは、どうすればいいのでしょうか?

こればっかりはもう地道にやっていくしかないのですが、たとえばぼくの入社するwevnal(ウェブナル)という会社の場合だったら『チャットボット』というキーワードを決めて、チャットボットに関する新聞、雑誌、テレビ、ウェブ媒体の報道をピックアップするところから、メディアリスト作りは始まります。

報道されている番組や雑誌、記事などさえ分かれば、あとは探せばどこかしらにクレジットが載っているので、そこから連絡の足がかりにします。


ただ、いざ実際に連絡してアポを取るとなったら、少し気が進まない人もいるかもしれません。

そんなときに、最初のコミュニケーションのきっかけとして使いやすい言葉があるのだそうです。

それでも、「知らないマスコミの人にコンタクトするのはどうしても苦手で・・・・・・」という方には、初対面の記者や編集者とも一瞬で仲良くなれる、「魔法のひと言」を伝授しておきましょう。(中略)
それは
「〇〇〇〇さん(媒体名・番組名)を、いつも楽しく拝見しています」
(本中より引用)


きのうのnoteでは「広報マンである前に、いち読者、いち視聴者たれ」という言葉を紹介したのですが、まずは『メディアと広報担当者』の関係の前に、『メディアと読者(視聴者)』の関係であることが大事だということですね。


そして、仮にプレスリリースを送って取材してもらって、記事を書いてもらったら、それで『メディアと広報担当者』の関係になれて、終わりというわけではありません。

実は記事を書いてもらってからこそが、『メディアと広報担当者』との関係の始まりとも言えるのです。

まずはきっかけとして、『記事を掲載していただいて、ありがとうございました』とお礼のメールをして、そのまま『取材のお礼を兼ねて、お食事でも』と誘ってみると良いのだそうです。


そこでの目的は、『仲良くなってまた取材してもらう』ことではなくて、『相手のメディアが抱いている興味・関心を聞くこと』にあります。

相手の担当分野や興味・関心のポイントを把握することができれば、そのメディアに役に立ちそうな企画や情報を提供することができます。

つまり、こちら側から『ギブしやすい』状況を作ることが大切なのです。

あとは、その記者やライターなどが書いた記事に関して定期的に感想を送ることもやって、こちら側から継続的にギブできる状態を作ることができれば、どこかのタイミングで『取材して記事にしてもらえる』というメディア側からのギブを受け取ることができるかもしれません。

やはりそこは相手も人間なので、普段からギブしてくれている人に積極的に時間や労力を割きたいと思ってくれるはずです。

そういう『ギブアンドテイク』の関係になれてこそ、はじめて『メディアと広報担当者』という関係のビジネスパートナーになれるということなのかもしれません。


ということで、きょうは『プレスリリースの一斉送信』の代わりに、『プレスリリースを送る前に各メディアに取材になるかどうかを聞くこと』と、『その聞く対象のメディアは、自分の会社や商材に合ったメディアリストを自作すること』が大事なのではないかという話でした!

掲載されるのはメディアでも、運営しているのはにんげんだもの。


▼きょうのnote以外の、本連載一覧
第1回 「ベンチャーの広報」がうまくいくとどうなるのか?
第2回 「プレスリリースの一斉配信」は、いますぐ辞めるべき
第4回 広報をするときに気をつけるべき、7つの細かなこと


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