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月と六ペンス、を読んだ。

我らの角幡唯介さんが、ツアンポー峡谷の探検中に停滞したときに読み、そして焚き火にくべたということで、数年前から気になっており、ようやく読み終えることができた。

抱いた既視感は2つあって、構成が夏目漱石の「こころ」に似ていること、そして登場人物のストリックランドが神々の山嶺の羽生丈二に似ていること。

家庭や妻など、平凡だが誰しもが望む幸せの象徴を、いとも容易く放棄していくさまは、芸術家を形容する王道なのだろうか。

1919年の作品なので、実に100年前の名作ということになる。100年経過しても、人が向かおうとしている場所には、変わりはないのかもしれない...というのが今ここで述べられる感想。詳述することはすなわちネタバレになるので慎んでおく。

数多存在する書評の中では、もちろん角幡唯介さんのそれが群を抜いて素晴らしいので、探検家の日々本本を是非参照されたい。


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読書好きが高じて書くことも好きになりました。Instagramのアカウントは、kentaro7826 です。引き続きよろしくお願い申し上げます。