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狩りの思考法、を読んだ。

我らの角幡唯介さんの待望の最新作である。

2018年に出会い熱心なフアンになってから、著作は全て拝読した。同じ作品を何度も何度も拝読し、角幡さんが読んだという本も精読。自称、日本一の角幡唯介ファンである(非公式なファンクラブの会長を拝命している)。

本作はこの数年、精力的に通っているグリーンランドでの活動をまとめたものだが、ただの活動報告記ではない。題名にある通りに「狩猟という行為」を通じて人間という存在を、生命というものを、鋭く考察した大傑作だ。

彼のファンは、実際に登山をされていたり、アウトドア志向の高い人が多い印象だが、自分のようなエア・アルピニストをはじめ都会で暮らし、デジタル環境下で悶々としている人にも超絶推奨したい内容となっている。

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人間の三大欲求は、言わずと知れた「食欲・性欲・睡眠欲」である。これは生命を維持する為に必要な生理現象である。ここで自分は独自に現代人の"四代欲求"を提言したい。それは「食欲・性欲・睡眠欲・検索欲」である。

ご高察の通りに、現代では「検索する」という行為が日常生活にシステムとして組み込まれている。これは勉学や仕事に限ったことではなく、何かを遂行する際に成功する確率を限りなく高めたい、という欲求によるものだ。

いつしかここnoteでも書いた記憶があるが、見知らぬ街を若者と歩き食事をしようとなった。彼はスマホを取り出し食べログで周囲の店舗を検索しようとしたが、自分は「無粋なのでやめてほしい」と進言したことがある。

実はこの飲食店を検索する行為は、今回の「狩りの思考法」でも話題にあがっており、具には言及しない。ただ、自分が言わんとしていることは、このnoteを読んでいただている皆様には伝わるのではと期待している。

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本作を拝読し、色々と言いたいこと、書きたいことは山ほどあるが、この感動は是非、実際に手にとって体験していただきたい。(つまり本を買ってくださいという宣伝である)。

今週の土曜日10月30日に久々に角幡唯介さんの講座を受講する。お時間ある人は是非、青山にお出かけください。最前列で必死にメモを取りウンウンと激しく頷いている聴講生がいたら、それは私です。乾杯しましょう。

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後日談。この本は出版社の公式サイトでは29日が発売日となっている。ひょんなことから同じ冒険家の荻田泰永さんが主宰する冒険研究所書店で先行販売されていることを知り、24日にお店の通販でオーダを試みた。

しかし。配送手法によっては数日要することもあり、講演会前に絶対に拝読したかったので、「追加費用が発生しても構わないから出来るだけ早く配達できる方法を検討して欲しい」と無茶なお願いをしてしまった。

翌日に冒険研究所書店からメイルがあり、過去の発送実績を見るに関東圏であれば翌日に到着するので問題ないだろうとのこと、さらには発送翌日に配達状況まで追跡してくれて「本日中には到着するはず」と教えてくれた。

予定通りに26日に到着。嬉しくなり御礼をとお店に電話をしたら、なんとまさかの荻田さん本人がお出になられてアタフタしてしまう。どうやら話が通っていたようで「着いた?大丈夫だった?」と優しく応対してくださった。

高級ホテル並みのホスピタリティに大感動!距離的になかなか難しいが、絶対にお店に行きたいと思った。冒険研究所の書店なので、非常に楽しみである。

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うーむ、装幀も素晴らしいな。

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□出羽健太郎の読書記録↓↓↓


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