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日本人の9割が知らない外国人が知っている日本の魅力TOP3

私は、今までにチリや中国、アメリカなどに20年以上住んでいたが、日本の外にいた人間からすると日本はとても魅力的な国である。今回、そんな自分が感じる日本の魅力を紹介したい。ちなみに、私が伝えたい日本の魅力は、日本のバラエティー番組でよく見るような日本をテーマにした自慢大会番組で扱われるようなテーマではない。例えば、寿司職人や地方の伝統職人の技術力などを誇張し、クールジャパンとして扱われる光景を見るが、関連職業についている人からすれば興味が出るものの、そうでないほとんどの一般外国人からすれば、正直どうでも良かったりする。

私が思う日本の魅力は、「平和」「平等」「無為自然」の3つだと思う。この3つの魅力は、非常に普遍的なものであり、且つ抽象度が高いので、具体的な事例をあげて、各言葉の意味の解像度を上げたい。

「平和」とは、人間の幸福実現に必要な絶対的存在

「世界経済平和研究所(IEP)」による報告書「世界平和度指数レポート(Global Peace Index)」2020年度版によると、日本は、9位に選らばれている。平和であることは、非常に人間が幸せになる上で重要な社会基盤であり、日本はそれを持っている。近年、新型コロナウイルスの蔓延により、ワクチンの浸透が進んではいるものの、依然多くの人々は、苦しい生活を強いられている。しかし、日本のような世界的に見ても治安が良い国では、紛争や暴動よりも、助け合いの精神が働くケースが多い。東京では、夜中12時に女性1人で外を歩いていてもレイプや殺人の心配はほぼない。「そんなの、当たり前だよ。そんな危ないこと誰がするの?」と今思ったみなさん、世界はまだまだ非常に治安が悪く、平和よりも紛争が起きる地域は無数に存在することを忘れてはならない。

私は、チリやアメリカに住んでいた時、昼夜関係なく、自分の荷物を盗まれないように鞄を前に持ったり、金目の物を見える所に置かない、見せないなどを徹底していた。レストランで財布や携帯を置いたままトイレに行くなどは、言語道断である。最近は、日本の生活になれ、チリやアメリカにいる時ほど周りに注意を払うことは無くなったが、平和に暮らせる日本に毎日感謝している。

今思うと、常に緊張状態を保つ必要がある環境にいると、ストレスや疲れが溜まりやすかった。別に、セキュリティーや自己管理を徹底すれば、徐々に上記で述べたような自己防衛の体制は生活に根付くので、慣れの世界かも知れないが、そこまで殺人や窃盗などの危機を持たずに外を歩ける日本は、この上なく生活しやい。

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競争よりも共創を大切にする社会

私は、日本の雇用形態に対して非常に興味を持っている。なぜなら、多くの欧米圏では、ジョブ型社会という、個人の能力や職種に基づいて、給料が異なる社会で形成されているのに対し、日本では、メンバーシップ型社会という、企業を一つの社会に見立てて、会社全体で雇用を守ることを大切にしているからだ。最近、経団連やトヨタの社長が、日本はメンバーシップ型からジョブ型へのシフトチェンジが必要だと発言していたが、私は必ずしもメンバーシップ型が悪ではないと考える。

ジョブ型社会の概念導入を行うことは、能力評価の標準化がされたり、人の流動性が増え、経済の循環が増えるという経済成長が期待できる部分がある。しかし、過度な競争市場への参加は、人々を疲弊させる。資本主義社会である日本では、透明性ある資本主義の基本的な機能が果たされるために、競争原理を導入し、正しい評価がされる社会を作ることは重要である。一方で、個人の観点から見ると、メンバーシップ型社会のような企業を社会にたとえ、従業員の福利厚生を支え、共に共創することを目指すアプローチも最近は評価したくなることがある。日本は、もしかしたら最もSDGsが掲げる誰1人取り残さない社会の価値観を持っているのかも知れない。

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自然と人は、対立するのでなく共存する

日本は、台風や地震など自然災害が非常に多い国として知られている。また、日本の伝統芸能や歴史や宗教を辿ると、自然を神として拝める多神教的な発想が多いことも非常に興味深い。私がアメリカワシントンDCや中国の北京に住んでいた時、人工的な都市開発が進んだ地域だと感じた。自然災害が少ない地域であれば、山を削り、平な土地を作ることで、より多くの人が住める環境を作るのは、合理的である。しかし、多くの主要都市が開発されていた時代は、気候変動への対応を考慮していなかったことがほとんどである。

これは、あくまでも個人的な仮説だが、どんなに人が技術を発展させても、自然の力には勝てないのではないかと思う。これまで、何度も台風や地震などに対抗するために色々な工夫を続けてきたが、未だに人間は、自然を凌駕するような抜本的な解決策を何一つ見出せていない。今後材料や建築の技術が高まり、以前よりも建物が崩壊しない都市開発が進むとは思うが、大地震が来ればそれまでだ。日本は、そんな台風や大地震を何度も体験してきているのか、自然に対して対抗するというよりも自然と共存し、ありのままを受け入れることを大切にする考えが根付いたのかも知れない。

気候変動という自然の脅威がグローバルになった現代社会において、果たして人間が人工的に自然を食い止めることができるのだろうか。もちろん、CO2削減や持続可能なエネルギー転換は重要な国家戦略であり、これによって、一定レベルの温暖化を食い止めるかも知れない。しかし、根本的に我々人間が地球に住む以上、地球という自然の摂理を無視して科学や社会経済は考えられない。つまり、日本が古来から重視してきた無為自然的な思想が今SDGs社会で求められ、日本から学べることは、多いのではないかと考えられる。

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最後に

日本は、稀に見ない独特な国だと常々思う。日本は、日本語という日本しか使わない言語を扱い、不思議な経済成長の仕方をし、東洋も西洋もどちらも受け入れてきた唯一無二の存在だと感じる。私は、日本はまだまだ課題が山積してはいるものの、日本の魅力は古来からたくさん存在し、多くの外国人が既に日本の魅力を知っている。しかし、その日本に住む日本人が自国の魅力を知らずに生活するのは、もったいない。この記事を読み、少しでも日本の魅力を再確認して頂けていたら光栄だ。

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