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欧州森林学修士課程SUFONAMAその後

8年ぶりにヨーロッパに来ています。

一番のタスクはIUFRO(国際森林研究機関連合)の世界大会に参加すること。口頭報告もしました。また、その前後で、欧州の木材製品サプライチェーンの調査、今後の共同研究の可能性を打診するために知り合いの研究室を訪問することにしました。

こんな感じの田舎(どこでしょう?)に森林学を学ぶ大学施設があったりするのがドイツの特徴

このマガジンはSUFOAMAでの修士論文の話で終りましたが、その後、SUFONAMA1年目にお世話になったゲッティンゲン大学の森林政策学研究室の博士課程に入学し、学位を取得しました。博士課程では科学的知見の政策過程への移転をテーマにした研究チームに所属することになったので、一から政策過程論や関連する社会科学を勉強してなんとか論文を複数出すことができました。

面白いもんで、私を受け入れてくれた教員の授業は一年目にも聞いていたんですが、よくわからん、というのが正直な感想で、成績もあまり良くありませんでした。その先生に博士論文を指導してもらい、出版したジャーナルの記事について、今回出会った時も「あれはなかなかよい論文だから、今もよく引用している」と言ってもらえるようになるとは、修士課程を修了するときには想像もしていませんでした。実はその先生、研究が大好きで、講義などは必要最小限の労力で済ませたいと思っている(実際はちゃんとされるのですが)タイプ。なので、講義のスコアなんか気にせずに、私を研究室の博士課程の学生として採用してくれたのだと思います。特に海外では、あまり考えすぎずに踏み込んでみた方がよいのかもしれません。失敗しても、あまり気にしないことです。周りも気にしてません。
今は、森林そのものというよりは、木材製品を使うことが社会経済に与える影響の評価、木材や森林に関する科学的知見を政策形成やビジネスに反映させる仕組み研究を主にしています。

今回の欧州の出張では久しぶりに当時の指導教員や同僚だったポスドクの友人たちと出会い、研究や仕事に対するモチベーションがぐっと上がりました。彼らが言う通り、今こそ、気候変動やサステナブル経営など、森林や木材を社会科学の目線から研究する必要があります。もっとこちらに来る頻度を増やして、彼らとコラボする仕事が具体的になり、増えていくようにしたいと考えています。

森の中で学ぶのも楽しいものです。この時期ならでは。でも、昼の気温は30度近くで暑すぎた。

追記:もし森林学の修士課程(博士課程)への留学を検討していて、詳しい情報を聞きたい方は、私がお手伝いしているNGOの問い合わせフォームから連絡下さい。知っている範囲の情報をお伝えします。
特定非営利活動法人緑の地球ネットワーク(ウェブサイト)
特定非営利活動法人緑の地球ネットワーク(note)
https://gen-tree.org/form-info/

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