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聖地巡礼記 我がまま娘をインドに連れてったら⑥

2017年インドに小学校の娘を連れて
家族でバックパッカー旅をした話

僕らは上海に住む3人家族です。

僕;日本人
妻;上海人(劉さん)
娘;小学4年生(当時)→インドに興味なし

聖地ヴァラナシで沐浴した話

2017年1月29日 

朝の早い時間まだ眠たい娘を
無理やり起こしてホテルを出る

まだ日は登っていない。少し肌寒い。
Tシャツに薄いダウンを1枚はおる

ホテルの前には沢山の船が停泊していて
適当にオジサンに声をかけ
メインガ―ト付近まで行って戻ってくる
ルートを交渉。

朝日を拝む為にガンジスに出た

木のボロイ船は体格のいいオジサンがこぎ
ゆっくりと ガンジスを下っていく

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朝の静けさのガンジスもまた格別に雰囲気がいい

ガンジスを南から北へ川を下る左側は
ガ―ト(沐浴をする階段)がずっと並んでいる

昨日歩いたガ―トを次々に通り越していく
建築模様も見てて楽しく、古いのか新しいのか
年代を特定しにくい

古代からあると言われれば、そう見えるし
近年だと言われればそうみえる。
インドって不思議な建築だなと考えてしまう


火葬場は朝から燃えていた。

24時間燃えている
次から次へと人が・・・死人が待っている

そして不思議な事に川の対岸は何もない
白い浜というか岸が見え、
その奥は草原が広がり人が住んでる気配すらない

不思議だな~と思う

これだけ西側が活動的で目に見えない力が
渦のようにひしめいてるのに対して
ガンジス川の対岸は何もない世界。

そして、その川に死人を流す。

この世とあの世をつなぐ川でもあるかのようだ


そうしてる間に船がメインガ―トに近づき人も
多くなりだし
船の数も増えてきた。すると何処からともなく

鐘の音が聞こえだす

そして

お経とも言うべきヒンドゥー教が
心地よいリズムと音で
辺りを包みこむ

また、昨日の夜と同じように
僕らを異世界へとつれてゆく

そのフワフワした気持ちで、何とも心地よい

そしたら東の地平線の、
雲の合間から太陽の陽が差し込んできた

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そしてガ―トに並ぶ年代特定のしにくい
建築をオレンジ色に染めてゆく

1日の中で朝と夕刻の数分程しかない 
もっとも美しい時間帯を

ガンジスに浮かぶ船の上で過ごす

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その後 船は元のガ―トまで戻り、
僕らは船を降りた。

そして、ここから僕の旅のメインイベントの
一つでもある

沐浴(もくよく)にチャレンジだ

船で戻ってくる時に何人ものインド人が
朝日に向かい沐浴をしていた。

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娘は、そんなインド人を見て

「嘘!この汚い川で・・・キタナーーーイ」と
驚いてる

まさか、この後 パパもやるとは知らずに(笑)

パパが川に浸かればビックリするだろうな(笑)


船を降りて沐浴をしている人がいるガ―トまで行き

僕は娘に「ほら家族で沐浴するから
準備しなさい!」って誘ってみた

娘は「絶対いや!汚すぎ!

僕「この為にインドに来たんだよ。
早く服脱げ!(笑)」

娘「私聞いてない!
無理やり連れてこられただけ・・・」

僕「お前、牛に生まれ変わりたいのかい?
地獄行くぞ」

娘「ここの牛なら全然ok」

僕「ここの牛に生まれるヤツは沐浴してる牛だからね」

僕「来世は変な虫になって
踏まれて死んでもいいの」

娘「来世より今死にたくない!
髪の毛になんか付きそうだし・・・」


娘は抵抗がスゴイ!あきらめて妻を誘う!
妻なら僕と一緒に苦楽を共に
してくれるはず・・・だ


僕「劉さん 沐浴する?」

妻「する訳ないでしょ!」

はい拒否!もうこれ以上聞かない(笑)

僕「お前ら ここまで来て沐浴しない選択ある?一緒に入れ!」

妻「やるなら早くして!お腹空いたし]

という事で、わかってはいたけど
僕一人天国に行く為に沐浴に挑戦!

海パンになりガ―トに立つ。

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そして太陽の陽を浴びて精神統一

だって汚いし・・・正直したくないけど・・・

ここまで来て沐浴せずに帰る訳にはいかない!

ガンジス川の聖地ヴァラナシで沐浴するのは悲願だった。っていうか
別にヒンドゥ教信者でもないけど、
今後のいいネタになる


人は何回も生まれ変わる 輪廻転生する
人に生まれ変わる事は また苦しむという事と
釈迦は説いてる。だから解脱する為に
修行をするのが

仏教・・・いや釈迦の説いた原始仏教だ

解脱とは輪廻転生の輪から抜け出し
神の世界へ行く事を指す
しかし普通の人は その輪から抜けれないから
来世も人になり苦しみを味わう

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84万回(永遠)生まれ変わり苦しみから
簡単に逃れられない
しかし徳を積んだりする事で回数が減るらしい
そして、ガンジス川で沐浴すれば大幅に削減でき
解脱に近づく。

なんともお得なクーポン感覚だ
(欲の塊な僕はクーポン使いたい派)

インド人なら毎日沐浴してるから 
神の世界はインド人だらけかな?

そんな邪心がよぎりながら
精神統一していた。(どんな精神統一だよ笑)

実は中に入るのに中々勇気がでない躊躇していた

娘「パパ〜いつまで そこに立ってるの?
横のオジサン、終わったわよ・・・」

僕「アホ!精神統一してるの!

毎日お風呂と思ってるインド人と
一緒にするんじゃないよ」

娘「どうでもいいから早くして お腹空いた」

僕「お前絶対に地獄いっても知らないからな!
覚えとけよ!」


そして僕は勇気を振り絞り ついに肩までつかり
思い切って頭を全部つけて 
3回 神に祈りをささげた

汚いガンジス川の中で
「僕だけ天国へいけますように!」

怒りの沐浴となった!

娘と妻は流石に 
僕が汚いガンジス川で沐浴した事に驚き

「すごいじゃん〜パパ!本当に入ったね 
えらい!」
って褒めてくれた。


ホテルに戻り直ぐにシャワーを浴び着替えた
その為に ガ―トに近いホテルにしていたのは正解

そしてホテルの朝食を食べに行く
沐浴をしてから 
なんだか 気持ちいいし 清々しい
僕の人生の目標の一つが達成だ!

もう 明日死んでもいい!それくらいの気分だ

だって僕はかなりの確率で天国にいけるはず・・・
聖地ガンジスで沐浴した男だから

今日から そう呼んでと娘に伝える
娘と妻は無視して朝ごはん食べてる


その後、ヴァラナシの町中をウロウロあるいた。
牛に何度も遭遇し道をふさがれ怖くて迂回したり
迷ったり。今どこにいるのかなと地図を何度も
見ながら進む。

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夕刻にホテルに戻つてきて
夜の寝台に乗る為に準備する

18時に出発の列車がnetで見たら
3時間遅れている
ウソ―と思い少しホテルを出て駅で待つことにした

駅までオートリキシャで向かう
(バイクに荷台ついてるタクシーみたいな乗り物)

値段交渉で駅まで200というので100と交渉する僕

だめだ200だ(日本円で300円くらい)

そこを120ならどう!と粘る僕

だめだ200だよ!と頑固なオジサン

すると

娘「早く200払ってよ」

僕「何でも交渉だろ 200は高いでしょ」

娘「早くしてよ」

嫁「しょうもない交渉で寝台列車に乗り遅れたら あんたのせいよ」

わかったわかった200だすから
確かに300円を150円に値切る交渉に労力費やして
寝台列車に乗り遅れてては本末転倒だ(笑)
金使いの荒い上海人に助けられた
ラッキーなインド人め(笑)


陽が沈み暗くなり 僕らを乗せたオートリキシャは
ヴァラナシの町を抜け駅へむかった

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聖地ヴァラナシで沐浴した話

ガンジスで沐浴をした僕は その後 娘と妻に
「もう僕だけ天国行くけど悪く思わないでね」と
何度も言っていたらしい(笑)


続く

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