わかるとは何か
わかるとはどのような状態でしょうか。自分の事、相手の事がわかる。状況がわかる。課題・目的がわかる。「わかる」をわかるために探索します。
1. わかるために分ける
「分けると分かる」という教育現場の言葉があります。「困難は分割せよ」というデカルトの言葉も。
ここ数年は分解や解像度などをテーマとした書籍が店頭に多く並びました。分析も分ける行為です。あらゆる要素を分解し、抽象を具体に落とし込み明確にする。とにかく分けます。
状況を分解・分析して物事を明確にする手法は、職種問わず重要なポータブルスキルです。「わかる」へと繋がる思考を大切にします。
2. わかるの構造と視点
自分が今どこの何を考えているのかを知る。頭の中にマップがある状態をイメージします。構造化です。
・目標と評価
・デザインスキル
・採用面接
・組織仕組み化
・事業貢献
・他部署連携
・デザイン業界
・プライベート
私は8つの構造に分けました。例えば、採用面接の会話をしている際。それは他構造のどの部分と相関しているか。思考を図解しています。(※今回、時間軸は除外しました)
現在どの構造のどの部分を見ているのか。まず自分を認知する。第2階層か第3階層か。自分の頭の中がわかっていれば、相手との議論を適切に進行できるでしょう。
3. わかってないことを知る
頭が整理できていない状態は判断力を低下させます。状況や情報がわかってない状態は避けたい。わかっている状態になりたい。
わかっている状態とは…
X:わかってない部分が、一切無い状態
O:わかってない部分が、わかった状態
まだわかってない部分がある、という事実を的確に知るべきです。わかっている情報とわかってない情報を分けて認知するためには「今、知るべき情報」を知る必要があります。
全ての情報をわかった状態にする必要はありません。時間は有限です。今、知るべき情報を定めます。
4. わかるとは「理解か共感か」
わかるという言葉を考えていくと「理解・共感」という2つの言葉が気になりました。
理解(頭):物事の意味や内容がわかること。論理的に思考すること。心ではなく頭で考えたこと。
共感(心):他人の意見や感情を自分と共有していると感じること。頭で考えるよりも、心で感じる意味を含む。
頭と心の違い。「理論的に解る」と「共に感じる」。漢字も分解すると意味を紐解けますね。
この記事のわかるは「理解」です。理解に達するためには、相手に質問しながら事実・解釈・経緯・感情などを分けて整理します。理解と共感を区別することを意識します。
5. わかるための「わからない」
「わからない」と言われたほうが、自分の言葉を理解しようとしてくれていると感じます。理解できないまま共感してしまうと、状況を難しくしてしまう可能性もあります。共感できない場合も理解を試みます。
他部署の会議にて、メンバーが上長に対して「どこの構造の話をしているのかわからない」と意見している場に遭遇したことがあります。とても良いなと感じました。理解しようという姿勢です。
また、面接で「言葉の定義がわからない」と言われたことがあります。非常に好印象でした。整理してから対話を進めたいという意思表示です。
まとめ
わかるは「整理されること」です。日常会話を円滑に進めるきっかけとなります。この記事を書いたことで、わかるという言葉の解像度が少し上がったかなと感じます。
部屋の家具・クローゼット・PCのデスクトップ・鞄の中…などが整理された状態になる。逆に考えるとそれらは、頭の中が整理されている状態であるといえるのかもしれません。
頭・心・身の周り。全てが整理された状態は、技術向上に寄与すると考えます。書道の熟達者は、机・筆・道具・精神が整理された状態で書くため、
手を一切汚さず「美しい書」を完成させます。
わかることで、整理し、技術を上げましょう。