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ローリング・ストーンズの好きな曲21位-30位

恋をしようよ
黒くぬれ!
2000光年のかなたに
ミッドナイト・ランブラー
リップ・ディス・ジョイント
フィンガープリント・ファイル
ダンス(パート1)
フィール・オン・ベイビー
トゥ・マッチ・ブラッド
ラヴ・イズ・ストロング

■ローリング・ストーンズの好きな曲21位-30位
順位はつけられないので今回も発表された順に並べています。21位から30位、大雑把に言えばそうかもしれませんが今回はローリング・ストーンズの魅力や好きな理由がテーマになっています。1970年代中盤からファンク、レゲエ、ディスコを試みたローリング・ストーンズ、それ以前の音楽ジャンルも含めてそれらと良好な関係を示してきました。つまり、それらの加工や融合が絶妙で吸収力に優れたローリング・ストーンズというのが魅力でもあり好きな理由です。後でも書いていますがロックンロール、ブルース、フォーク、カントリー、ゴスペル、ソウル、R & B、サイケデリック等、それぞれに代表曲があるのは並べてみると実に壮観です。また、それらを吸収してもローリング・ストーンズらしさを損なわれないことも素晴らしいです。ミックスチャー・ロックという音楽ジャンルを耳にするようになりましたがローリング・ストーンズに相応しい音楽ジャンルの名称です。ロックンロール、ブルース、サイケデリック、ファンク、レゲエ、ディスコ、ヒップホップ、そして、それら以外の二曲とカバー曲で構成された10曲です。なんとなくのイメージはカラフルでコンパクト及び最新型の「メイン・ストリートのならず者」です。次回のオリジナル・アルバム、その願望が示されたと思います。

「恋をしようよ」
「恋をしようよ」はローリング・ストーンズが1964年に発表したファースト・アルバムの収録曲でマディ・ウォーターズのカバー曲、原曲のブルースと結びつかないほど高速回転のロックンロール・ナンバーです。原曲が普通列車でカバーが快速列車、むしろ、新幹線に例えたほうが適切かもしれませんが上野から東京までの短い距離でも新幹線で行くようなせっかちな様も強調されています。付随して短絡的に原曲をアップ・テンポに変えたことが幸いして一段と若々しく元気いっぱいの曲にもなっています。初期からさかのぼってローリング・ストーンズの魅力を考えた時に思い当たった曲が「恋をしようよ」でした。大雑把に言うとチャック・ベリーふうにアレンジ、つまり、絶妙な加工や融合がローリング・ストーンズの魅力です。この曲はハンドクラッピングを採用、あの時代では当たり前だったのかもしれませんがこれもまた新鮮でもあります。ハンドクラッピングはリズムの強調になりますがビートルズではなくローリング・ストーンズを好んだ理由も再確認、メロディやハーモニーよりもリズムやリフを好む傾向が自身にはあります。「恋をしようよ」は自身の好みやローリング・ストーンズの魅力を再確認する曲です。

「黒くぬれ!」
「黒くぬれ!」は1966年に発表されたローリング・ストーンズの楽曲及びシングル曲です。シタールが使われている曲、すなわち、インド音楽を取り入れた曲と認識をしていました。ところがフラメンコも取り入れているということを知ってイメージが一変、意表を突かれ大変、狂喜させられました。確かにカスタネットが似合う曲ですがシタールを使っているのでインドを連想させられます。ところが、フラメンコはスペインなので一曲で二つの国を連想させる見事な一石二鳥です。検めて聴いてみると各楽器漏れなく殺気立っているのを確認、手応えをメンバー各々が自覚しているような一体感も感じられました。調べると実際の作曲は全員によるものらしいです。特にビル・ワイマンの貢献度は高いようですが確かに凶器を隠し持っているような不気味な演奏です。シタールに誘導されてブライアン・ジョーンズの貢献度の高い曲と思っていましたがギターはキース・リチャーズでフラメンコを決定付けています。チャーリー・ワッツのドラムも目を見張るヒステリックな音です。ミック・ジャガーによるとトルコっぽい曲と発言しているらしいですがなんとも一筋縄ではいかない曲ですがローリング・ストーンズはイギリスのバンドなので見事な一石四鳥です。

「2000光年のかなたに」
「2000光年のかなたに」は1967年に発表されたローリング・ストーンズの楽曲、サイケデリック・アルバムに位置付けられる「サタニック・マジェスティーズ」の収録曲です。ロックンロール、ブルース、フォーク、カントリー、ゴスペル、ソウル、R & B等、1960年代のローリング・ストーンズはそれらの音楽ジャンルと良好な関係を示していましたがそれに加わったのがサイケデリックでした。当然、音楽的な特徴が示される音楽ジャンルの数々ですがサイケデリックは色彩を感じさせるムードが特徴、付随して想像力を刺激する作用もあります。これらは楽器の役割が大きいですが「2000光年のかなたに」はメロトロンの活躍が目立っていてブライアン・ジョーンズが担当しています。ブライアン・ジョーンズは存在自体がミステリアスで得体の知れないメロトロンとの相性も抜群です。ブライアン・ジョーンズはほとんど曲が作れないらしいです。一方では腕前も確かだと思いますがあらゆる楽器を直ぐにマスターしてしまう才能があったそうです。曲が作れないことと万能な楽器演奏という組み合わせにはギャップがあって全く信じ難いです。「2000光年のかなたに」を聴くと宇宙とブライアン・ジョーンズの謎が深まるばかりです。

「ミッドナイト・ランブラー」
「ミッドナイト・ランブラー」は1969年に発表されたローリング・ストーンズの楽曲、アルバム「レット・イット・ブリード」の収録曲です。ミディアム・テンポ、アップ・テンポ、スロー・テンポ、いくつかのテンポ・チェンジを繰り返す珍しいタイプのブルース・ナンバー、マインドは快楽、興奮も表す一方で緊張も忍ばせていてテンポ・チェンジが効果を発揮、ロックンロール・バンドだからできる自由度の高いブルースです。サイケデリックな「2000光年のかなたに」に続いてブルースの「ミッドナイト・ランブラー」もそうですが1960年代のローリング・ストーンズは音楽ジャンルのそれぞれに有名な代表曲があって凄いです。例を挙げるとカントリーの「ホンキー・トンク・ウィメン」、ゴスペルの「無情の世界」、ロックンロールの「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」や「サティスファクション」、これがサブ・ジャンルになるとインド音楽とフラメンコの「黒くぬれ!」、サンバの「悪魔を憐れむ歌」、どれも独自の解釈も加わっていて、やはり、加工や融合、吸収力に優れたバンドです。1970年代になるとミック・ジャガーを連想させる舌を出した唇が登場、まるで全ての音楽ジャンルを舐め尽くそうとする意思が感じられますが「ミッドナイト・ランブラー」にもそのような意識が表れています。

「リップ・ディス・ジョイント」
「リップ・ディス・ジョイント」は1972年に発表されたローリング・ストーンズの楽曲、「メイン・ストリートのならず者」の二曲目に収録されている曲です。「メイン・ストリートのならず者」のオープニング・ナンバーは「ロックス・オフ」、清々しいナンバーですが「リップ・ディス・ジョイント」はその余韻を振り払うような勢いのある曲です。ローリング・ストーンズの楽曲では一番、二番を競うスピードのある曲、まるで早口言葉、「恋をしようよ」と良い勝負です。「メイン・ストリートのならず者」はキース・リチャーズの住居、その地下室で録音等の作業が行われたらしいです。なんとなく地下室なだけにライヴ・ハウスを連想させられますが「リップ・ディス・ジョイント」はそれに誘導されたことを物語る曲、小さい会場で演奏するのが合っているような曲です。想像すると納得がいくと思いますがスタジアムでの演奏が結びつかないです。この曲が好きなのはローリング・ストーンズを間近で聴きたいという心理からくるものなのかもしれません。「メイン・ストリートのならず者」に収められている曲は派手な曲が少ないのが特徴です。たぶん、地下室という空間から誘導されてライヴ・ハウスで演奏したいという意向が働いたような気がします。調べると「メイン・ストリートのならず者」のレコーディングの前はクラブ等を回るツアーが行われていたらしいです。余韻が残っていたことも関係するのかもしれませんが人の行動や考えは環境や天候、体調や精神状態に左右されると再確認をしました。

「フィンガープリント・ファイル」
「フィンガープリント・ファイル」は1974年に発表されたローリング・ストーンズのアルバム「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」に収録されている曲でアルバムの最後に配置されています。ローリング・ストーンズのオリジナル・アルバムの最後に配置されている曲は比較的、パターン化されていてロックンロールでもバラードでも清々しい余韻を残す曲で終わることが多いです。ところが「フィンガープリント・ファイル」はそれに当てはまらない曲、例えるとレッド・ツェッペリンの四枚目のアルバムの最後に置かれている「レヴィー・ブレイク」に近いマインド、緊張感が示されていて動揺させられる曲です。その要因としてエレキ・ギターの鋭いリフ、「フィンガープリント・ファイル」のリフはファンクと言って良いでしょう。実はファンクをよく理解していませんでした。加えて意外とローリング・ストーンズの楽曲はファンクの曲が多いことも気付きました。自身に限らず認識されていないファンクなのかもしれないので列挙してみます。「ホット・スタッフ」、「エモーショナル・レスキュー」、「アンダーカヴァー・オブ・ザ・ナイト」、有名な曲だとこのあたりになります。探せばまだまだありそうなので探求を楽しみたいです。「ホット・スタッフ」はディスコと思っていました。場合によってはディスコに位置付けられることもあるようですが他のそれらの聴き分けも楽しみたいと思います。このあたりはソウルとR& Bの選別の試みに近いものがあります。因みに「レヴィー・ブレイク」はブルース、でも、アレンジを加えるとファンクにもなりそうな曲です。

「ダンス(パート1)」
「ダンス(パート1)」はローリング・ストーンズが1980年に発表した「エモーショナル・レスキュー」の収録曲、オープニング・ナンバーです。ガイド・ブックによるとタイトル曲の「エモーショナル・レスキュー」はディスコと記されていました。個人的にはファンクと思っていましたが個々によって解釈が異なるのかもしれません。とは言え、「ダンス(パート1)」はディスコで間違いないでしょう。他にもありそうですがローリング・ストーンズと言えば「ミス・ユー」か「ダンス(パート1)」の二択、一般的には「ミス・ユー」が真っ先に思い浮かんできそうです。「ダンス(パート1)」はディスコでありながらファンク特有の太々しさが感じられます。まさに混乱を招きそうですがローリング・ストーンズは吸収や融合を得意とするバンドなので特性を再確認する曲でもあります。お洒落な「ミス・ユー」も良いですが未練、失恋というワードが浮かんできます。つまり、失恋を歌っているのにお洒落な風味はミスマッチです。例えばユーミンの失恋の歌もお洒落です。もっと、痛々しさがあっても良いと思うのです。まるでお洒落な失恋をする為に恋や告白をするような奇妙な動機や行動が生じたきそうです。検めて歌詞を確認すると未練や失恋ではないみたいですが遠距離恋愛に置き換えるとお洒落な要素は必要かもしれないです。とは言え、「ミス・ユー」は女々しいのが引っ掛かります。収録されているアルバムが「女たち」、加えて一曲目、関連は絶妙ですが個人的には微妙、判断がつかないです。なんだかファンクとディスコの選別みたいで勝手に面白がっています。

「フィール・オン・ベイビー」
「フィール・オン・ベイビー」はローリング・ストーンズが1983年に発表したアルバム「アンダーカヴァー」の収録曲、レゲエに位置付けられる曲です。ローリング・ストーンズはレゲエに対してのこだわりが強くてだいたい一曲はアルバムに入っていたことがありました。「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」の「快楽の奴隷」が最初で微かに感じられる程度、明確になるのは次回作のアルバムに収められている「チェリー・オー・ベイビー」になりますがリアル・タイムで聴いた洋楽ファンはどのような感想を持ったのか興味深いです。一風変わったユニークな曲、そのような感想を持たれたのでしょうか?一方、「フィール・オン・ベイビー」は不気味、恐怖が示されていて動揺します。これまでのレゲエは割と楽しげ、夏も感じられたのでこの曲はレゲエの中では異色作、個人的には同じく恐怖が示されているブルースな「ストレイ・キャット・ブルース」のレゲエ版と位置付けています。レゲエと言えばジャマイカ、ローリング・ストーンズは「山羊の頭のスープ」をジャマイカでレコーディング、しかし、この時点でレゲエの実体を把握できなかったことが悔やまれます。「山羊の頭のスープ」にレゲエが収録されていたらワクワクしますが折角の夏を連想させるジャマイカなのに「ウィンター」を収録したと思うとやっぱり失敗作と位置付けられるのは無理もないと思ってしまいます。意表を突くこと、辻褄を合わせること、その加減が上手くいかなかった「山羊の頭のスープ」だったのかもしれません。

「トゥ・マッチ・ブラッド」
「トゥ・マッチ・ブラッド」はローリング・ストーンズが1983年に発表した「アンダーカヴァー」の収録曲、ローリング・ストーンズが初めてヒップホップを吸収した曲と位置付けています。ディスコを吸収した「ミス・ユー」の評価は良好ですがヒップホップを吸収した「トゥ・マッチ・ブラッド」はそれほど評価が高くないことに納得をしていません。流行を取り入れるのがローリング・ストーンズの役割と思っているので一般的な評価に対して不満を持っています。個人的にはヒップホップは苦手ですがローリング・ストーンズは上手く取り入れているので抵抗なく「トゥ・マッチ・ブラッド」を受け入れることができました。合わせて流行を吸収することは独自性の自覚が示されていて満足もさせられます。一般的な認知も充分なディスコとヒップホップは似たような音楽ジャンルですがローリング・ストーンズとディスコの結びつきは良好でヒップホップは必ずしもそうではなかったと思うと原因を探ってみたくなります。でも、自身もヒップホップは苦手という自覚もあって、一般的にも苦手という人も多いと思うのでそのあたりに原因があるのかもしれません。とは言え、ヒップホップと良好な関係のロック・バンドはいるので少し残念なローリング・ストーンズとヒップホップの関係性でもあります。

「ラヴ・イズ・ストロング」
「ラヴ・イズ・ストロング」は1994年に発表されたローリング・ストーンズのアルバム「ヴードゥー・ラウンジ」の収録曲、シングル曲及びオープニング・ナンバーです。新しい音楽ジャンルがグランジ、その影響を滲ませているのが「ラヴ・イズ・ストロング」、ローリング・ストーンズの役割や独自性は音楽ジャンルの吸収や流行を取り入れることと思うので好感触な曲です。ただ、グランジのマインドは病みを感じさせるので深入りはしないほうがベスト、その加減や見極めも充分に感じられるのでローリング・ストーンズは冷静でした。ミディアム・テンポ、ハーモニカの使用、アルバムの一曲目、シングル曲、それらは「ミス・ユー」を連想させるのに充分でした。意図的なのかは不明、探求心を刺激させられワクワクします。「ミス・ユー」と「ラヴ・イズ・ストロング」の大きな違いはディスコとグランジ、イメージとしてディスコは外交的、グランジは内向的、でも、曲自体は「ミス・ユー」は感傷、「ラヴ・イズ・ストロング」は意思を感じさせます。お互い本来のイメージとは反対のマインドが示されていて面白いです。「ミス・ユー」と「ラヴ・イズ・ストロング」の結びつきから浮かぶのは失恋の辛さからの回復、腰を上げ歩み出す姿です。なんとなく「ミス・ユー」はミック・ジャガーの主導、「ラヴ・イズ・ストロング」はキース・リチャーズの主導のような気がします。意外と逆かもしれませんがやはり探求心が刺激されワクワクさせられます。

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