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十階のモスキート (映画011)

「十階のモスキート」

教訓になったのでお薦めしたいのが「十階のモスキート」、離婚して慰謝料と養育費、それを補うギャンブルと消費者金融、ストレスからアルコール、加えてスナック通い、重なる借金、順を追うとこのような悪循環の物語ですが、これまで消費者金融に関わらずに済んだのはこの映画のお陰と言っても良いくらい借金地獄の怖さを印象付けた作品です。また、内田裕也が演じるのは警察官ですが公務員でありながらの転落は、人生はどこでつまずくかわからない、そのようなことも考えさせられる作品でもありました。個人的には生まれ育ったところに近い千葉県君津市で撮影が行われ親しみも加わりますが、時代背景が1980年代で原宿の歩行者天国や黒電話、当時のパソコン、折り詰めの寿司等は今、見れば懐かしい気分にもさせられます。今は見ないタレントも出演、それは意外性があって面白いですが、一方、消費者金融の草薙良一、取り立ての安岡力也は絶妙な配役で恐怖を後押ししていました。本作はその意外性と絶妙が混在してて判断がつかないのも面白いです。内田裕也に至ってはロックンローラーなのに警察官を演じるという意外性とヒット曲のないミュージシャンとしての立場を考えると的を射た配役でもあります。クライマックスの郵便局襲撃も刺激的でしたが、婦人警官が犯されるシーンに激しく興奮させられました。借金地獄の恐ろしさを知ってほしい気持ちもありますが、一方、先のシーンがあることから若い人たちに薦めるべきかは実は判断がつかない作品です。

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