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婚活地獄に足を踏み入れる

前回からのつづきです。

仕事が安定してくると、幸せを実感すると共に
失う怖さもありました。

転職の繰り返しだったので、
余計そう感じていたのかも知れません。

生活が安定してきますと、
心境の変化が起きました。

それは、結婚したいという気持ちです。

それまで生活が安定していなかったので、
結婚願望が全くありませんでした。

よく「愛があればお金が無くても何とかなる」
と上から目線で言う人がいますが
それはあくまでも理想論であって
現実的にはまず難しいです。

これだけ、DVによる事件が多いのも
原因は生活に困窮しているからです。

お金に余裕があれば心が穏やかになり
冷静に物事を判断することができます。

なので、安易な親切心から結婚について
とやかく言われるのが、嫌で堪らなかった。

そんな私が結婚を強く意識したキッカケは、
社長の影響によるものでした。

社長は、親分肌の典型的な
ワンマンタイプ。

プライベートのことまで、
いちいち干渉する人でした。

社長はことあるごとに
「早く結婚しろ」と言うようになります。

社長からすれば、40過ぎても独身でいる
自分に歯がゆかったのだと思います。

その気持ちを理解していたので、
最初は気に掛けてくれていることに
嬉しくもありました。

しかし、時が経つにしたがい
それはパワハラとなって
エスカレートしていきます。

例えば
「男に興味があるのか?」とか
「お前のあそこは役に立たないのか?」
といった言葉です。

女子社員のいる時や来客の方がいる前でも、
見境なく平気で同じことを言うのだから
たまりません。

周りも色眼鏡で私を見るようになります。

そうしますと、全く意識をしてこなかった
結婚を急に意識しだします。

これまでも
「結婚しないの?」
「独身だと変に思われるぞ」
「心配してるんだよ」と言われても
「余計なお世話だ」と思いスルーしてきました。

自分と向き合って考えてみると、
ただ年齢を重ねただけという
何もない現実。

すると、湧きあがる虚しさを覚えます。

自分の人生を全否定されている
思いになり、抑えが効かなく
なりました。

独身でいることに対する恥ずかしさや、
一人前の男として認めてもらえない
もどかしさ。

この思いが、婚活をしなければいけないと
掻き立てます。

私はひとつのことにのめり込むと、
周りが見えなくなり、向こう見ずに
突き進むところがあります。

「何が何でも結婚する」という思いが強くなり
恋愛系の情報商材を買い漁ることから始まり、
あらゆるものに手を出すことになります。

こうして、出口の見えない婚活地獄に
足を踏み入れることになったのです。

              (つづく)

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