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茶の湯

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茶聖陸羽と顔真卿、その周辺の年表

茶聖陸羽と顔真卿、その周辺の年表

茶文化について世界で初めて体系的に著述した(書物が残っている)、陸羽。お茶屋さん一保堂の包装紙でその名をご存知の方も多いのではないだろうか。その包装紙に唐 竟陵陸羽鴻漸著 とある通り、竟陵(湖北省)の出身。コトバンクによれば、湖北省鍾祥県出身とのことであるが、wikipediaによれば鍾祥市ではなく天門市出身のようだ。鍾祥県が天門市を含んでいたのかもしれないが、チャイナネットでも湖北省天門と記載が

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【陶淵明を禅の文脈で床に掛けるべきか】

【陶淵明を禅の文脈で床に掛けるべきか】

1. 背景 ~禅の切り口で語られる陶淵明の詩~旧暦重陽(九月九日)が近づいてきた。今年は新暦で10/14がその日に当たる。茶の湯では五行棚・中置の季節。菊の節句だから、陶淵明(AD365-427)の有名な詩の一節を床に掛ける方も多いだろう。その一節とはこれだ。

採菊東籬下
書き下し文:菊を採る東籬(とうり)の下
意訳:東の垣根の下で菊を摘むと
引用元:Wikipedia 陶淵明

陶淵明が吟じた

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オンライン茶会に参加してみた ~茶空会~

オンライン茶会に参加してみた ~茶空会~

オンライン茶会に初めて参加してみました。茶席 x バーチャル空間の試みです。今回は重陽の節句をタイトルに、催されました。お菓子は半田松華堂、お茶は山政小山園・小倉山。画面の向こうの床はニコライバーグマンの創作、茶碗は・・・メモ忘れました。泉田之也さんの水指がとても素敵でした。オンラインで会記が出るといいですね^^

1.茶空会(さくえ)とは世界茶会の岡田宗凱先生が主催するオンライン茶会。

2.き

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岡倉天心 『東洋の理想』

岡倉天心 『東洋の理想』

岡倉天心の『東洋の理想』 (原題:The Ideals of the East-with special reference to the art of Japan, 1903)を読んでみました。

【内容を三行で】
①日本文化はインド、南方中国、北方中国の混血で現地よりもオリジナル。
②足利時代サイコー、浮世絵とか寝付けなんて芸術じゃありません
③日本は西洋文明の嵐を生き抜くためにアジアに回帰す

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正客の体験はとにかく早く、何度もすべき

正客の体験はとにかく早く、何度もすべき

先日、飯後の茶事(裏千家)に参加してきました。
私が転勤直前、という事で皆様のご好意で正客をさせていただきました。
人生初。

わからない事だらけで冷や汗を沢山かきました。
席入りは客次に関わらず共通なのでともかくとして・・・
できなかった事だらけでした。

【できた事】
◯高いところから失礼します、の最初の挨拶
◯高いところから失礼しました、最後の挨拶

【できなかった事】
✖️最初の腕を食べ始

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表千家流の茶席で飛び入り点前をしました

表千家流の茶席で飛び入り点前をしました

南坊流の私が表千家流のお茶席で飛び入り点前をしたお話です。
この記事の結論=他流派交流は積極的にすべきという事です。

ちょっと前のことですが私の祖母の家、長野県坂城町をぶらついていると…

お…なにやら文化の館でお茶席をやっているようで…

これは幸運と早速足を踏み入れます。

お軸は定番の喫茶去。

お花は…(花の名前が覚えられないんですToT)

香合は扇

この卓は一番下の板が抜いてありま

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