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エビデンス(科学的根拠)って何?

こんにちは。パーソナルトレーナー助政桂多です。

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良くダイエットの話をしているときに、その痩せるメカニズムってエビデンスあるの?とか

エビデンスのレベルはどのくらいでどの程度の効果があるの?など聞くことがあると思います。

そんなエビデンス(科学的根拠)について、分かりやすく説明していきます。

ぜひ、最後までお付き合い下さい。

一人でも多くの方にこの記事がお役に立つことを願っております。

1、エビデンスとは

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エビデンスとは、簡単にいうと「証拠」や「根拠」いった意味で使われます。

どのシーンで使うのかなど使用する場面の違いで、多少のニュアンスが変わります。

私達にとって1番身近な場面は、ニュースでの報道で医療関係者の方が良く発言しているところではないでしょうか。

医療等の分野でのエビデンスは「症例に対して、効果があることを示す根拠・証拠」として使われます。

例えばダイエット関連でも、噂や口コミで「〇〇の食材を食べれば痩せる

トレーニングで〇〇法をやると部分痩せができる」など、ネットには日々多くの情報が飛び交っています。

そういった新しい情報や、巷に出回っている噂レベルの情報も、どういった条件下で、どのくらいの期間や人数で、何%の人に効果があったのか、といった証拠=エビデンスが重要になってきます。

逆に言えば、こういった実験の結果や証拠がない場合は、単なる誰かがいっている噂話レベルに過ぎないのです。

例えば、このダイエット方法は「1万人に実施してもらい〇〇%以上の効果があった

健康被害等は1万人に対して〇%以下」と言った根拠・証拠となるエビデンスがあれば、

それなら安全だろう」「期待される効果の方が大きい」と言った形で判断材料になります。

では、エビデンスが示されていれば、どんなものでも効果や信用性が高いと言えるのでしょうか。

2、エビデンスの信用度

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エビデンスには信用度というものが存在します。

例えば、なんの根拠もなく糖質制限は「老化を助長する」「寿命が縮まる」など発言したとします。

しかし、それが、単なる一個人としての見解や、少人数に対して行っただけの結果だとすれば、なんの根拠もないと判断されてしまいます。

このたとえ話に限らず「医学的な主張が正しいかどうかは、エビデンスの有無で決まる」のです。

私達一般の人は、なんとなく正しそうだから、簡単に痩せられそうだから、とネット上の誤った情報や、まったく根拠のない話でも、ついつい飛びついてやってしまうことって、少なくないと思います。

非科学的なおかしな話に惑わされて健康被害を受ける人が出ないように、また、ご自身でやるやらないの判断ができるようにしたいものですね。

実験の種類にはマウスなどに行う動物実験や、実際に人に行う研究があります。

ここでは分かりやすく糖質制限を例に挙げて説明していきます。

糖質制限をマウスに行った結果老化が促進されて寿命が縮まったという結果があったとします。

その結果はマウスという動物には「正しい」かもしれませんが、人に対してはエビデンスにならないのです。

医学においてヒトのエビデンスとして認められるのはヒトの研究だけということが、基本ルールなのです。

それに似た話で、医師の体験談研究者の見解なども、根拠とするエビデンスがなければ、正しいとは認められないというのが医学界のルールだそうです。

ですので、医学の専門家でない私達は、それが医学的に見て無根拠であることに気づかず、誤解して信じてしまう危険があります。

こういった場面やにわかに信じがたい話があった場合は、皆さんも、その話にはエビデンスがあるのかどうかと、一歩立ち止まって調べる癖を付けるといいでしょう。

3、エビデンスレベルとは

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科学的根拠であるエビデンスには信用度の違いがあり、エビデンスレベルと呼びます。

エビデンスレベルは行われた研究の手法などによって判断されています。

レベルは全5段階あり数値の低いものほど信用レベルが高いということです。

レベル1+

質の高いランダム化比較試験(RCT)※aおよびそれらのメタアナリシス(MA)※b/システマティックレビュー(SR)※c

レベル1

それ以外のRCTおよびそれらのMA/SR

レベル2

前向きコホート研究※dおよびそれらのMA/SR、事前に定めたRCTサブ解析

レベル3

非ランダム化比較試験※e、前後比較試験、後ろ向きコホート研究、ケースコントロール試験およびそれらのMA/SR、RCT後付けサブ解析

レベル4

横断研究、症例集積※f

※a質の高いランダム化比較試験(RCT)とは

無作為化比較試験ともいいます。

2つ以上の治療法や検査法などを比較する臨床試験では、対象となる患者さんを2つ以上のグループに振り分けますが、その際にコンピュータの乱数表くじ引きなどの方法を用いて、作為性が入り込まないようにする試験のことです。

患者さんを振り分ける際に偏りが生じないため、治療法や検査法の有効性を客観的に調べることができるので、結果の信頼性は高いとされています。

※cシステマティックレビュー(SR)とは

医学雑誌学会発表などから臨床試験の報告を集め、その内容を評価し、要約してまとめたものです。

最近では客観的な立場から、試験方法や解析方法などが一定の基準を満たした医学論文を集め内容を厳しく吟味(ぎんみ)して、その結果を報告したものを指すのが一般的です。

系統的レビューともいい、一般にエビデンスとしての信頼性は高いとされています。

※bメタアナリシス(MA)とは

システマティック・レビューのひとつです。

病気治療法など共通した研究データを集め統計学的な手法を用いてデータを統合し、総合的に評価する方法です。

過去の多数の研究結果から、一定の見解を導き出すために用いられます。

一つひとつの試験の結果が異なる場合や、症例数が少なくて正確な評価ができない場合などに有効な手法です。

メタ解析ともいいます。

※d前向きコホート研究とは

コホートとは集団という意味です。

ある病気が発症する危険性の高い集団と、そうでない集団を長期間観察して、病気の発症率や進行の程度、死亡率などを調べる研究方法です。

例えば、喫煙習慣のある集団禁煙習慣のない集団数年後の病気の発症率などを比較すると、喫煙が病気の発症に及ぼす影響を検討することができます。

※e非ランダム化比較試験とは

試験の対象となる患者さんを2つ以上のグループに振り分ける際に、無作為化の手法を用いずに振り分け、比較を行う試験のことです。

グループ間で患者さんに偏りが生じる可能性があるため、結果の信頼性はランダム化比較試験よりもやや劣るとされています。

※f症例集積研究とは

ケースシリーズ研究ともいいます。ある治療法を、何名かの患者さんに用いて治療経過や結果を観察し、そのデータをまとめて報告したもので、記述研究のひとつです。

症例集積研究では対象となった患者さんの数は多くなっても、結果を比べる対照を設けていないことが多いため、症状の改善副作用の発現などがその治療によるものかどうか明らかにすることはできません

そのため、他の分析的研究よりもエビデンスレベルは低いとされています。

上記の基準に含まれないものは、すべてエビデンスとは見なされません

もちろん、すべてヒトの研究論文であり、動物実験研究論文はありません。

ちなみに今回例に挙げました糖質制限の効果については、エビデンスが多数あります。

今回は割愛しますが、安心して取り組めるダイエット法ですので、おすすめです。

4、最後に

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いかがでしたでしょうか?

今回は「エビデンス(科学的根拠)って何?」についてお話しをしました。

今回も最後まで読んで頂き、誠にありがとうございます。
Instagramも頑張っていますので、ぜひ御覧ください。

TRAINER'S GYM(トレーナーズジム) 曙橋店
オーナー兼トレーナーをしています。ホームページはこちら。

パーソナルトレーナー
助政桂多

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