【原因】減量中、なぜ眠れない?【対策】
減量(ダイエット)中における睡眠に関しての記事です。以下の方にオススメです。
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現状
2022年7月、今まさに著者であるKENは睡眠不足に苦しめられています。
具体的には以下の症状があります。
(減量中ではない時期の)単純な睡眠不足と違い、昼間に眠気が来るとも限らない(=眠気そのものが来ない)ため、昼寝もできず疲労が蓄積していく感覚があります。
更に困ったことに、この状況が平日・休日関係なく起こります。
という休日の特権も享受できないわけです。
(二度寝が健康に良いかと言えば、そうではないのですが^^;)
「減量最後の砦」とも言うべき睡眠不足、いや睡眠障害の原因と対策を考察します。
原因①: 「セロトニン」不足
「セロトニン」というホルモンが不足することで以下の症状が起きるようです。
まさに減量末期の不調そのまま、と言ったところでしょうか。
セロトニンとは
「ノルアドレナリン(神経を興奮)」、「ドーパミン(快感を増幅)」と並ぶ三大神経伝達物質の1つ。
脳は緊張やストレスを感じるとセロトニンを分泌し、自律神経のバランスを整えようとする。
ストレスや疲労が溜まると、セロトニンの分泌量が減ったり、働きが制限されたりする。
メラトニンとは
セロトニンを原料として生成される、別名「睡眠ホルモン」。
メラトニンには、季節のリズム、睡眠・覚醒リズム、ホルモン分泌のリズムといった 概日リズム(サーカディアンリズム)を調整する作用がある。
日中はセロトニン、夜はメラトニンの分泌量が増えるとされており、日中に太陽光を浴びてセロトニンを作るとよい。毎朝、日光を浴びると、睡眠・覚醒リズムが整い、質のよい睡眠を得られるようになるという理由もここにある。
またメラトニンには強い抗酸化力があり、その効果は抗酸化ビタミンとされるビタミンCやビタミンEを上回るとも言われる。
寝不足の状態が続くと、肌にハリがなく、疲れた印象になる。原因はメラトニンの抗酸化力が弱まったためである。
セロトニンが減るとなぜ不調が起きるのか
セロトニン(別名:幸せホルモン)はノルアドレナリン(緊張・集中を司る)およびドーパミン(意欲・快感を司る)のバランスを調整する役割を持っているため、セロトニンが不在だと、バランスを崩してしまうのです。
つまり、調整役を失ったホルモンチームが暴走してしまうのですね💦
セロトニンを活性化するには:①リズム運動
このほか、リズムの正しいウォーキングやラジオ体操、しっかりとした咀嚼、腹筋を意識した呼吸法などを推奨。
※セロトニン欠乏は疲労・ストレスが原因であるため、運動は適度であることが重要である。
セロトニンを活性化するには:②太陽光に当たる
目の網膜が明るさを認識すると、その情報が脳に伝えられ、脳内でセロトニンが活性化する。そして副交感神経→交感神経への切り替えが起こる。(コメント:昼間に太陽光に当たりセロトニンを分泌させ、夜間にそれがメラトニンとなって睡眠を助けてくれるイメージでしょうか)
セロトニンを活性化するには:③トリプトファンの摂取
セロトニンが脳内で生成される材料として、必須アミノ酸「トリプトファン」が必要となり、体内で生成できないため食品から摂取しなければならない。また、トリプトファンは「ナイアシン」を合成する役割も持つ。
トリプトファンを多く含む食品
ポイントは「バランスよく主食・主菜・副菜を揃えて食事をすること」という点だと思います。無理なダイエット・減量の偏った食事はトリプトファン摂取の観点から見ても良くないですね。
トリプトファンの摂取量と食品の含有量
摂取量の目安は年齢によって異なります。例えば18歳以上、70kgの人であれば1日=280mgが必要量とされます。
上の含有量表を見る限り、極端な食事制限をしていなければ問題はなさそうですが、鶏胸肉ばかり食べてお米を制限するなど食材が偏る場合、必要量は満たしていても問題が起こる可能性がありそうです。
トリプトファンの過剰摂取に注意
トリプトファンを短期間に1日3000~6000mg摂取した場合、無気力・吐き気・頭痛の症状が報告されています。摂り過ぎも健康によくありません。
過去にはこんな事件も起こっているようです。
原因②:「コルチゾール」
コルチゾールとは、血糖値の維持、糖新生を促進する働きを持つホルモン。脳のエネルギー源である糖の合成を促進し、脳以外で糖が使われないよう制限して血液中の血糖値を上昇させるとともに、脂肪分解作用を促進させて組織へエネルギーを供給する。
トレーニーであれば良く耳にするコルチゾール 。その働きは以下。
激しく身体にストレスがかかるトレーニングによりコルチゾールが分泌され、筋肉が分解されやすい環境になることから、トレーニーの敵とされる見方が多いコルチゾール 。
しかし一方でアドレナリンレベルを上昇させることから、エネルギーレベルの上昇や、集中力の向上をもたらし、トレーニーにとっては切っても切り離せないホルモンですね。また、コルチゾール値が高いと免疫機能が落ちるので、菌やウィルスなどに感染しやすくなります。
コルチゾール と睡眠の関係
というのが一般的。
しかし減量のストレスにより夜間も分泌され続けると、身体が緊張した状態が続いて睡眠不足に陥ってしまいます。
さらに睡眠不足のストレスによりコルチゾールが増加する悪循環に陥る可能性があります。
【参照①】「成長ホルモン」
睡眠中に分泌されているもう1つの大事なホルモンが、「成長ホルモン」。
成長ホルモンは、骨や筋肉を成長させるホルモンである一方、代謝にも作用し、疲労回復にも影響。
炭水化物、タンパク質、脂質の代謝を促進したり、エネルギー不足の状態の時は、脂肪組織から遊離脂肪酸の形で放出させたりする。
1日あたり約300kcalの脂肪を分解してくれると言われている。ただし眠りの質が低ければ分泌が減って、一晩に約200kcalの脂肪が分解されずに蓄積されてしまうという報告もある。
【参照②】「レプチン」と「グレリン」
睡眠不足により引き起こされる、減量に対する副次的影響として、レプチンの減少およびグレリンの増大があります。
睡眠中には食欲抑制効果のあるホルモン=レプチンが分泌されますが、睡眠不足下ではこれが減少し、更には食欲を増進させるホルモン「グレリン」の分泌を高めてしまいます。
減量中に質の良い睡眠をとるには
さてこれまで、減量中の睡眠不足の原因として、セロトニン不足と、夜間のコルチゾール増加という原因を提示しました。
では減量中、どうしたらこの睡眠不足と戦うことができるのでしょうか。考察してみましょう。
対策①: 「3・3・7睡眠法」を実践
代謝を促す成長ホルモンは眠りについた直後から3時間後までにまとめて分泌されて、その後はあまり分泌されないため、眠り始めの『3時間』は睡眠時間の中で一番重要。
夜中に目が覚めてしまったとしても、トータルで7時間睡眠ができればOK、というのが医師・佐藤桂子先生が提唱する「3・3・7睡眠法」。
対策②:「0時までにベッドに入る」
かつて一般的だった睡眠のゴールデンタイム=22時〜深夜2時という説は、近年科学的に否定されているそう。
ただし、成長ホルモンはメラトニンによっても分泌が促されるので、メラトニンの分泌量が多くなる深夜1〜3時に深い眠りに入っている状態を作るのが理想的。
そのためには、日付が変わる0時までには就寝したいところ。
とにかく「早く寝てしまおう❗️」がカギですね。
対策③:「炭水化物の摂取量増やす」
これは完全な個人的な体感なのですが、夜に炭水化物量を減らし始めた時期と眠りに問題が発生した時期が重なっています。
そこで、減量中毎日でなくても、ハイカーボデイとして夜にしっかり炭水化物を摂取する日を設定し、その日にまとめて睡眠時間を確保するという考えもありだと思います。
対策④: サプリを利用する
サプリに関しては私は全く未体験ではあるのですが、グリシン、GABA、テアニンといった成分が主流であるようです。
劇的な改善が望めるかどうか分かりませんが、試してみる価値はあると思います。
おわりに
今回は多くのコンテストトレーニーが減量中の睡眠障害に関して記事を書きました。
「よく食べ、よく眠る」が出来れば一番いいのですが、そうはいかない状況下で、どのように睡眠と向き合っていくのか。
睡眠不足は健康状態に直結するだけに、一筋縄ではいかない、難しい問題だと改めて感じました。
今後もしアップデートがあれば、追記などしていこうと思います。
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