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不登校からの卒業(13)

子どもの不登校から親が学ぶこと

これまで、不登校になったお子さんが「元気になる」ことを最優先に考えて欲しいとお伝えしてきました。

先日も、ある不登校のお子さんのご家庭で、お父様が本気でお子さんと向き合い、お子さんと面と向かってはっきりとお話されるということがありました。

それは「学校に行くこと」をお父様がお子さんにおっしゃったのではありません。

「学校に行くか行かないか、今はそんなことはどっちでもいい。でも、部屋にじっと引きこもっているのは良くない。それはやめよう!」とお子さんにおっしゃったのは、本当に素晴らしいと思います。

不登校のお子さんにとって、このお父様のように、はっきりと向き合ってもらえることは、とても嬉しいと思うのです。

もちろん、部屋に入られることを怖いと感じたり、面と向き合って話されることをものすごく嫌だと思ったりすることもあるでしょう。

でも、ここまではっきり

「学校に行くか行かないかはどっちでもいい。でも、一人で部屋の中でじっとしているのは絶対に良くない。部屋からは出よう!」

と部屋から出ることも強制するのではなく、あくまで本人の判断に任せるとはっきりお伝えになってのことです。

これには、ご本人の辛さも苦しさも、全て、親として責任を負う、という覚悟が、お子さんに間違いなく伝わったのだと思います。

このお子さんは、お父様と話した後、部屋から出る決断をしたことからも、そのことがわかります。

ここまで、ご家族が元気なる過程をずっとお話してきました。

私が出会ってきたご家族の多くは、1)不満期から5)解放期までの変化を辿っていかれたこともお話しました。

先述のお子さんも不登校で部屋に引きこもって長くなっているところで、ご家族も、ちょうど4)充実期から5)解放期の間くらいの感じでした。


子どもが不登校をすることで、ご家族が一番学ぶことは、「親としての覚悟」なんです。

お子さんが不登校することで、結果的に、ご家族の「親としての覚悟」をはっきりと問われることになるのです。

親として、不登校になったお子さんの、辛さ、苦しさ、悲しさ、不安、恐怖、こういった感情も、将来のことも全部、背負って一緒に考えていく、という覚悟です。

お子さんを動かそうとするのではなく、あたたかく見守り、いつかきっと動き出すと「心から信じる」ことができるかどうか、それを試されると言ってもいいと思います。

以前、不登校になったお子さんと、すごく親子関係もよく、楽しく生活をされているシングルマザーの方にお話をお聞きしたことがありました。

そのときに、親子関係がすごくうまくいっていて、家の中ではお子さんもお母さんも、すごく明るく楽しく生活をされていたので、その秘訣をお聞きしたのです。

そのときに、そのお母様がおっしゃったことは、

「たった一つだけです。お互いを心から信じることです。きっとこの子は元気に生き生きと活動し出すと私は本気で信じています。だから、何の心配もしていません。」

お母様、お子さんが元気になることを、何の疑いもなく、を本気で信じられますか?


ここまで来ると、お子さんのことが無性に愛しく感じられるようになるのです。

ご家族は、お子さんが不登校になったことで、不登校はどういうことで、不登校とはどのようなことなのかを、真剣に考えるようになります。

そして、お子さんにどうあって欲しいのかを考え、さらにご家族自身が、自分の思考や感情までも、真剣に見つめることになるのです。

その結果、自分は今、どう考えればいいのか、何が足りていないのかを学んでいきながら、悩み苦しむお子さんと、同じ思いを感じるほどにまでなっていくのです。

そのとき初めて、お子さんの悩み、苦しみがわかり、無性にお子さんのことが愛しくなるのです。

ですから、このご家族が元気になる過程に、6番目があると、最近、考えるようになりました。

この時期のことを

6)愛心期

と呼ぶことにしたいと思います。

学校に行くとか行かないとか、どっちでもよくなり、まずは元気であること、そして、お互いを信じることができるようになっていて、ご家族が心からの笑顔になっているのです。

ここまで来ると、もう、お子さんもご家族も、みんなで前を向き、新しい道を進み始められるのです。

本当に素晴らしい笑顔に、お子さんもご家族もなっていらっしゃるのです。


学校にお子さんが行けなかったことで、ここまで素晴らしい家族になっているために、ご家族が「お子さんが不登校になったこと」に感謝されるようにすらなるのです。



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