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不登校と中学受験(1)

30年以上、不登校や発達障がいの子ども達と関わってきました。

それよりも長く35年以上に渡り、難関進学校や難関大学を目指す子ども達の学習指導を進学塾で行ってきました。

同時に不登校と進学という二つの視点を持ってきたのです。

よくお母様方から、どうして両方をされているのですか?と聞かれることが多かったのですが、それは、私の中では2つのことがいつもつながっているからなのです。


なぜ、つながっているか、この点について、考えていただきたいことがあります。そのことを少しお話したいと思います。


私は大阪北部が中心でしたので、灘中学校、神戸女学院中学などの関西の難関中学を目指す子ども達が通う進学塾での指導を長年してきました。

現在では、大阪教育大附属池田生の専門塾で指導をしていますが、ここでも、最近は、最難関中学の受験を目指す子ども達もいます。

これまで37年間、進学塾・進学塾の個別指導部門などをしてきた時に、これはひどい!と思うケースがいくつもありました。

例えば、以前、勤めていた進学塾で、小学校3年生の女の子が週に2回、塾に通ってくれていました。

毎回、お母様が一緒に来られていました。

塾に早く一緒に来られて、待っている間、自習スペースのところで、勉強をしていたのですが、毎回、必ず女の子が大泣きするのです。

それもあたりを気にすることもなく、全力で。
力の限り泣き叫ぶのです。

どうしてかというと、できない問題があると、段々、お母様がイライラしてきて、女の子自身はやりたくなくて、最後は拗ねてやらない態度を取るのです。

そうすると、お母様は容赦無く手をあげるのです。
顔を平手打ちが毎度のことなのです。


考えてみてください。場所は塾です。
さすがにお母様も我慢をされています。

それでも我慢ができなくて手をあげていると考えると、一体、家ではどうなっているのかと恐ろしくなります。


なぜ、このようなことになるのでしょうか。私には理解ができません。


しかし、現在も、大手の進学塾では、程度は違えども、同じようなことが起こっているのです。

毎回、私がお母様を止めるために上司に言われていくのですが、俗に言う「鬼の形相」にお母様がなっているのです。

私は、その生徒のクラスの担当でもなければ、指導係でもなんでもありません。

しかし、定期的に私がお母様のお話を聞く担当に任ぜられ、お母様のお話をお聞きするのですが、どうしても子どものことが許せない、となるのです。


お母様が変わることが成績を上げる一番の近道であることは、誰がみてもわかるのですが、どんなことをしても何があっても自分の意思を変える、考え方を変えることはありませんでした。

これは私が未熟だったせいであると、今も後悔はしています。

なぜお母様がそうなってしまうのか、そこまで頑なに、お子さんに対して、自分の言うことを聞かせようとするのかということに対して、正直なところ、「塾の立場」でできることはありませんでした。

それでも、お母様の立場も理解をし、お母様がイライラする、子どもの成績を上げたい、子どものため、という思いにも心をよせ、母親として少しでも我が子のためにという気持ちに寄り添って、お話をしながら、一緒に考えていくことはできても、一度、家に帰れば元の木阿弥でした。

本気でそれを改善するには、カウンセリングを受けていただきながら、お母様の心の傷を、お母様ご自身が見つけ、癒していくしかありません。

ひょっとしたら、コーチングを受けていかれれば、それが有効だったのかもしれません。

あるいは、精神科医の治療が必要なケースだったかもしれません。


今となってはわかりません。

ただ、確実に言えることは、塾にできることは、宿題を減らすとか簡単にするということくらいで、お母様のしていることは、虐待と判断されても仕方がないということだけです。


ここまでではないにしても、多くの中学受験のご家族なら一度は手を上げる、とか手をあげそうになった経験をされている方もいらっしゃるのではないかと思うのです。

でも、それは大きな間違いなのだと、お気づきいただきたいのです。

そんなことをしたところで、子どもは勉強するようにはなりません。
かえってやらなくなり、勉強が嫌いになるだけなのです。

たとえ、それで今は勉強をしようと思って頑張って、中学受験に合格したとしても、その後、やらなくなることが多々あるのです。

下手をすると、その時、ご家族のことも大嫌いになってしまうことだってあるのです。

そのくらい、子どもの心には傷を残してしまうことなのです。
その傷に気がつかない子ども達がどれほど多いことか。


なぜ、こうなってしまうのか。

それほど嫌なら、子ども達は逃げればいい!と思う方もいらっしゃるかもしれません。

それができるなら、こうならないのです。



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