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論文・文章の書き方を学べる参考文献:『経済論文の書き方』ウェブ付録

『経済セミナー』の特集でお届けしてきた企画「経済論文の書き方」の「実証編」「はじめの一歩編」をパワーアップさせて、書籍『経済論文の書き方』が登場しました!(2022年9月16日発売) 本書の内容紹介は、以下のnoteにまとめているのでぜひご覧いただければと思いますが、

このnoteでは、「番外編」として、論文の書き方の参考になる書籍などを、「入門編」「上級編(英語論文等含む)」に分けて、これまで編集部にご恵贈頂いたものを中心にざっとご紹介したいと思います。

[注意!]ここで紹介させて頂いたもの以外にもよい本はたくさんあります。ここではごく一部をざっとご紹介させていただくということで、お許しください。

■入門編

初めて論文やレポートを書かなければいけなくなった場合、何から手を付けてよいのか困ってしまいますし、手順も何もわかりません。そんなときに、テーマのみつけ方、考え方、レポートや論文を組み立てる手順からじっくり教えてくれる本として、以下がよく挙げられているようです(「累計28万部のベストセラー」とのこと!!)。中の人も、学生のときに読みました。書きぶりがとても面白くて、随所で笑ってしまいます。

論文やレポートというと、科学的な文章を書くように言われることがあります。でもそれって何なのか? 初めてだとさっぱりわかりません。その基礎的な方法として定着しているのが「パラグラフ・ライティング」と呼ばれる書き方です。パラグラフ=段落ではなくて、科学的な書き物の作法の基礎になるアイデアとして、初歩からじっくり解説しています。これも昔読んで、非常にためになりました。

また、実証論文を書く場合には、以下の書籍で解説が掲載されている実証分析の作法を読むのも参考になると思います(黒住英司『計量経済学』の13章「実証分析の進め方」。西山慶彦・新谷元嗣・川口大司・奥井亮『計量経済学』の付録C「実証研究の手引き」)。

ほかにも、こんなユニークな本がありました。経済学とは異なる分野ですが、史料を探してまとめるとか、他のお作法という点でも参考になりそうで、わかりやすく面白くまとまっている気がしました。

また、文章の書き方、そしてより重要な書き直し方の定番として、理系に限らず科学的な文章で重要な知識を教えてくれるのは、以下の本だと思います。重宝しています(『数学ガール』でおなじみの結城先生の著書です!)。

とりあえず以上で。他にも素晴らしい本はたくさんあると思いますので、ぜひ探してみてください! また、「アカデミック・ライティング」の指導は学部教育でも盛んになってきていて、各大学のホームページでテキストが公開されている場合もあります(以下は例として大阪大学のページ)。こちらも役に立つかもしれません。

■上級編

次に、上級編として大学院生向けだったり英語での執筆・研究報告などに役立つ書籍をご紹介します。最近新しく出版され、編集部にご恵贈頂いた本が中心です。有名な原著の翻訳書もあったりして、話題になりました。

まずは、本特集は「実証編」でしたが、経済「理論」を論文を書く際に参考にすべき本として、ウィリアム・トムソン先生の以下が紹介されることが多いかと思います。

こちらの原著では、新しい版が出版されています(『A Guide for the Young Economist, Second Edition』、どうでもいいけど表紙がかわいいです)。

以下は、以前に講談社サイエンティフィク様よりご恵贈頂き、弊誌新刊書で取り上げさせていただきました。著名な本の翻訳と思いますが、原著2版で割愛された頻出英語表現集を和文解説付きで掲載している点が嬉しい!(ウォルワーク著『ネイティブが教える 日本人研究者のための論文の書き方・アクセプト術』

以下も、少し前に講談社サイエンティフィク様よりご恵贈頂き、弊誌新刊書紹介で取り上げさせて頂いた本です。ビジュアルで、単なる翻訳でなく日本語の事情にあわせた解説があるスグレモノ!(シュワビッシュ著『できる研究者のプレゼン術:スライドづくり、話の組み立て、話術』

なお、上の2冊は講談社サイエンティフィク様による本です。個人的に「できる研究者~~」シリーズのファンです。論文の書き方メソッドから心構え、さらには「科研費・学振申請書:採択される技術とコツ」まで! 以下のサイトでリストアップされているので、ぜひチェックしてみてください。

最後は、中央経済社様からご恵贈頂いた、以下の本。中谷安男著『経済学・経営学のための英語論文の書き方―アクセプトされるポイントと戦略』ということで、なかなか攻めたタイトル新刊です。大量の論文をデータ化して解析し、優れた書き方をエビデンスに基づいて解説した、驚きの一冊です。

英語での論文の書き方(アカデミックライティング)の学習に役立つ初級向けの本や資料は、こちらの近藤絢子先生のnoteにばっちりまとめられていますので、大変参考になると思います。

■おわりに

以上、非常に限定的ではありますが、書籍経済論文の書き方』の付録・番外編として、論文やレポートを書く際に参考にしていただける書籍などをざっとご紹介しました。

他にもよい参考書はたくさんあると思います。ご自身と合う合わないもあるかもしれないのですが、ここでの紹介を少しでもご参考としていただけたら幸いです。

また、別の問題として「何のソフトを使って論文を書くか??」という、あんまり誰も教えてくれない(最近は資料や書籍も充実してきて教わる機会も多いでしょうか……?)けど、重要なイシューもあります。

wordも便利に使えますし、最近だとマークダウンを活用する場合もあるかもしれません。また経済学だと、特に上級ではLaTeXを使う必要が出てくるかもしれません。

また別の番外編として、それもまとめてご紹介できたらいいなと思っています。ちなみに、wordで数式を入力したりTeXに変換したりする方法は、過去に経セミnoteにまとめていますので、もしよろしければご覧ください!


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