書籍『経済論文の書き方』登場!~この本で何が学べる?~
経済セミナーの特集、「経済論文の書き方」が書籍になって登場です!
2020年8・9月号、21年8・9月号で特集し、ご好評をいただいた特集をまとめ直し、さらに多数の書下ろしの章を加えて4つのパート(「はじめの一歩編」「実証編」「理論編」「技法編」)、19の章で構成された、経済論文の書き方をゼロから学んでいくための書籍ができあがりました!
その名も『経済論文の書き方』です!!(ソノママですね…)
このnoteでは、本書の概要と「主な目次」「はしがき」をご紹介します。
まず、発売日は2022年9月16日発売。税込 2,200円(本体価格 2,000円)で登場です。
カバーはこんな感じ!
本書の執筆陣と主な目次を以下で紹介しています。
「はじめの一歩編」「実証編」「理論編」「技法編」の4つの部で構成されています。
論文とはなんぞや? そもそもどうやって自分の研究・論文のテーマを決めればいいの? といった基本的なところから、論文の構成を考えるコツ、データを集めるコツ、理論を学びまとめていくコツ、ライティングや研究発表などなど、多岐にわたるトピックを、教育の現場でさまざまに工夫を凝らしている先生方におまとめいただきました。
以下では、本書のねらいと構成を詳しくまとめた、本書の「はしがき」を公開します。ぜひぜひ、ご覧ください!!
はしがき――『経済論文の書き方』
1 本書のねらい
大学の授業やゼミなどでレポートや論文を執筆する課題が出たときに、困ったことはないでしょうか。また、いきなり論文を読んで内容をまとめて発表する機会に直面して、戸惑ってしまったことはないでしょうか。その著者の新たな研究成果がまとめられた論文には、教科書や一般的な記事とは異なる、独特の作法や型があり、それに慣れるまでは、何だか得体のしれない怖い存在のように見えたり、独特の言い回しや学術用語が満載だったりして、読み進めるのもなかなか大変だと感じられることがあるかもしれません。
近年は、レポート・論文執筆に関する指導も充実してきています。たとえば、各大学で詳細な資料が提供されていたり、入学初年次から少人数演習などのクラスで学んだりと、従来よりもレポートや論文に触れる機会は多くなっていると思います。また、論文の読み方や書き方を教えてくれる優れた書籍もたくさん出版されています。
しかし、実際にどのように自分の研究テーマを検討しつつ読むべき論文を探し、テーマを決め、自分の論文の構成を練り、実際に書き進めていけばよいか、といった具体的なステップには学問の分野ごとに独特な部分もあります。
そこで、日本評論社が隔月で発行する経済学の学習雑誌『経済セミナー』(『経セミ』)では、「経済学分野に特化した論文の書き方」をお伝えすることで、これからレポートや論文を書こうという読者の皆さまに少しでも役立てていただきたいと思い、2020年8・9月号と21年8・9月号の2回にわたり、論文を読む・書く際に知っていると助かる基礎知識、役立つツールや情報源、自身の研究テーマの選び方や執筆にあたってのコツ・心構えなどをまとめた特集を組んできました。2020年は「実証編」、21年は「はじめの一歩編」と題して、各シーンで必要となる情報を、教育の現場でさまざまに工夫を凝らしておられる先生方にご執筆いただき、日ごろのご指導の内容を共有いただきました。
本書は、この『経セミ』の特集内容をさらに拡充し、新たな内容も多数盛り込んで、「経済学分野で論文を書くための基礎知識」を提供すべくまとめた書籍です。特に、『経セミ』の特集ではほとんど盛り込むことのできなかった、「理論の論文を書く」際のノウハウをお伝えする各章や、その他のより実践的なコツ・心構えを伝える各章を追加しています。
2 本書の構成
本書は、以下の4つの部で構成されています。
第Ⅰ部 はじめの一歩編
第Ⅱ部 実証編
第Ⅲ部 理論編
第Ⅳ部 技法編
第Ⅰ部では、はじめて論文に触れる方々に向けて、「論文とは何か?」という最も基本的なところから、自分で研究する際の問い(リサーチクエスチョン)のみつけ方、先行研究の探し方、実際に論文を書き進めるうえでのコツを解説します。
第Ⅱ部では、実証分析を使って論文を書こうと考えている場合を想定して、データの探し方やデータの性質・特徴、実証論文の構成、実際に書き進めるうえでの留意点などを幅広く説明するとともに、データの所在等についても多くの実践的な情報を盛り込んでいます。さらに、経済実験やフィールドでのアンケート調査等を通じた独自のデータの作り方も解説します。
第Ⅲ部では、経済理論をメインに論文を書く際に知っておくべき基礎知識や作法、心構えについて詳しく解説します。とくに、ミクロ経済学やゲーム理論、その応用分野において、どのように学習を進めて知識を身に付け、論文のテーマを選ぶか、どのように構成を考えていくか、実際に書き進めていくためのコツなどがまとめられています。また、マクロ経済学の動学的一般均衡(DSGE)モデルを用いた政策分析を論文にまとめるうえで必要な基礎知識も提供します。
第Ⅳ部では、実際に論文を執筆したり、書き上げた論文に基づいて発表したりする際の具体的なテクニックや心構えについて解説します。アカデミック・ライティングや研究発表の具体的な方法をお伝えするとともに、学生が主催する大規模な論文発表大会であるISFJ(日本政策学生会議)での発表に向けた取り組みの事例、および実際に現地に赴いて実施するフィールド調査に基づいて論文を執筆するゼミの事例を通じて、より実践的に論文の執筆・発表に関するさまざまな情報をお伝えします。
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本書はこのようなねらいと構成で、経済学で論文やレポートを執筆する際のさまざまなニーズに幅広くお応えすべく、『経セミ』特集の内容をさらにパワーアップさせて一冊の書籍にまとめたものです。本書を通じて学術論文に少しでも親しんでいただき、さらには実際のレポート・論文の作成にお役立ていただくことができればと願っています。
2022年7月
経済セミナー編集部
関連情報・補足情報も提供!
「はしがき」は以上となります。このnoteで紹介したような執筆陣・構成とねらいでまとめ上げておりますので、論文やレポートにはじめて向き合う、あるいは本格的に書き始めていこうと考えておられる皆さまに、ぜひ少しでもお役立ていただければ幸いです。
なお、雑誌『経済セミナー』2022年8・9月号では、姉妹編として「経済論文の読み方」と題した特集を組んでいます。こちらでは文字通り、論文をどうやって読むか? そもそも読むべき論文をどうやって選ぶか? 読んだ論文をどう記録し、まとめていくか? といった点を、さまざまな視点・専門からガイドしています。本書とあわせてご覧いただくことで、多くの発見が得られるのではないかと思います。
以下のnoteでは、特集内で紹介されたお役立ち情報をリンク付きでまとめています。まずはこちらからでも、ぜひご覧ください!!
また、本書『経済論文の書き方』の補足情報などは、以下のnoteマガジンで随時追加していきますので、ぜひチェックいただければ幸いです。
サポートに限らず、どんなリアクションでも大変ありがたく思います。リクエスト等々もぜひお送りいただけたら幸いです。本誌とあわあせて、今後もコンテンツ充実に努めて参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。