見出し画像

「論文を読む」を支えるお役立ちツール:特集「経済論文の読み方」付録

『経済セミナー』2022年8・9月号の特集は、「経済論文の読み方」です! 2020年の「経済論文の書き方[実証編]」、21年の「経済論文の書き方[はじめの一歩編]」に続く第3弾。今回は、巻頭の座談会と、4本の解説記事で構成されています。

ラインナップは以下の通りです:

https://www.nippyo.co.jp/shop/magazine/8844.html

巻頭の座談会では、若手の研究者の皆さまにお集まりいただき、「実際に学部生や修士課程の頃からどのように論文を読んできたか?」「現在の研究テーマとどのように出会ったか?」「日頃から論文を読み、情報を整理・蓄積していく際にどんな工夫をしているか?」などなど、ざっくばらんにディスカッションいただきました(論文を読んでいて眠くなったときの対策も?)。

続くご寄稿では、「論文って何だろうか?」「論文はどんな構成で書かれているか?」「どうやって読むべき論文をみつけるか?」といったテーマから、学術論文に親しむためのさまざまな工夫を解説いただいています。

服部先生の記事では非常に基礎的な内容からスタートし「論文とは何か?」「どんな流れでどんなことが書かれているのか?」「読むべき論文を探し、さらに広げていくためには?」といった疑問にお答えいただきます。

後藤先生による実証研究の論文、土橋先生による理論研究の論文に関する記事では、それぞれの論文を読み進めるための心構えや準備、論文の内容をまとめておくための「論文メモ」作成のコツなどを丁寧に解説いただいています。

また、林先生による「読んだ論文を自分のものにするコツ」では、自分が読んだ論文をどうやって記録し、どのように概要を整理するかについて、実際に自分で論文を書く際に手際よく先行研究を活用するための実践的な方法を解説いただいています。ダウンロードした論文のファイル管理法や、それらの情報を整理して使いやすくしておくためのTIPSなど、なかなか明文化されていないテクニックも指南いただいています。ぜひチェックしてみてください!

また、特集全体を通して、「論文を読む」ことだけでなく、どうやって自分の関心を「研究」にあわせて絞り込んでいくか、どこから関心のあるテーマをみつけてくるか(社会問題や政策的な課題から? あるいは日常の生活やそこで感じた疑問から?)、教科書や参考資料をどうやって探し、読んでいけばよいか、といった内容までフォローされています。たとえば、座談会の構成は以下のようになっています。

1 はじめに
2 それぞれの研究テーマとの出合い
3 現実の政策課題に着目してリサーチアイデアをみつける
4 日常の経験や話題からリサーチアイデアをみつける
5 論文を読み進めるコツは?
6 論文を読むのはしんどい?
7 おわりに

座談会「実際、学術論文にどう向き合っている?」の構成

また、座談会の後半では「論文を読むのって大変…」「読んでもわからん…」「読んでると眠くなる…」といった話題も出てきます。そんなときにどすうるか、登壇者の皆さんの工夫も教えていただきました。まだまだ論文に慣れていない方々にも、きっと参考になる情報がたくさん盛り込まれているのではないかと思います。

このnoteでは、特集の各記事の中で紹介されている参考情報、文献やウェブサイト、お役立ちツールなどをトピック別にご紹介します(もちろんリンク付き!)。本誌とあわせて、ぜひご活用いただけたら幸いです。

■論文を探す・読むためのツール

Google Scholar:論文検索の王道。詳細な使い方は、アカリク様のコラムも非常に参考になります!

CiNii Research:主に日本国内の学術誌や大学の紀要などの検索に強みを発揮するデータベース。

Zotero:学術論文などの管理のためのソフト。ウェブブラウザのアドインなどと併用して、簡単に書誌情報や文献のPDFなどを記録・管理できます。引用文献リストなども自動で作成してくれる便利ツール(編集部も使ってます!)。

GoodNotes5:iPadやiPhoneなどで使える便利なノートアプリです。

Read Aloud:テキスト読み上げ音声リーダー(Google chromeの拡張機能)。PDFなどを自然に読み上げてくれます。

Connected Papers: Find and Explore Academic Papers:論文間のつながりを視覚的に見せてくれるツール。

Elicit: The AI Research Assistant:リサーチクエスチョンで検索すると、それに関連する論文をオススメしてくれるツール。

Garrard, J. (2010) Health Sciences Literature Review Made Easy: The Matrix Method, 3rd ed., Jones & Bartlett Learning(安部陽子訳『看護研究のための文献レビュー:マトリックス方式』医学書院、2012年):文献レビューを行うために、膨大な先行研究の情報をどう整理すればよいのか。そのための「マトリックス方式」を解説してくれる一冊。

■論文のネタを探す

その時々のホットイシューや政策課題に触れる

国連貿易開発会議(UNCTAD)が発行する「World Investment Report」「Trade and Development Report」では、さまざまな政策課題に着目した報告書、ポリシーレポートが閲覧できる。

経済協力開発機構(OECD)等、以下の国際機関のサイトではさまざまな報告書やデータなどが閲覧・利用できます。なお、OECDが発行する報告書の中には日本版が出版されているものもあります。

世界銀行

国際通貨基金(IMF)

全米経済研究機構(NBER)のホームページでは、次々と新しいワーキングペーパーが公表されるとともに、発表された論文の概要をまとめた「The Digest」も公開されていて便利です。

・日本語の資料も充実

海外論文SURVEY:『経済セミナー』で連載中の論文紹介コーナー。以下のサイトでは、過去100本超の記事のタイトルと、および紹介論文のリストを公開しています。2018年9月以降に本誌に掲載された記事も閲覧できます!

日本貿易振興機構(JETRO):貿易協定など国際経済に関連する日本語の資料を閲覧できます。

日本貿易振興機構アジア経済研究所(IDE-JETRO):途上国の経済に関連するさまざまな日本語資料を閲覧できます。

独立行政法人経済産業研究所(RIETI):日本語のさまざまなコラムやディスカッションペーパー、その要約記事などが閲覧できます。

■ 経済学の「五大誌」

経済学においてトップジャーナルとされる以下の5つの雑誌は、総称して「五大誌」と呼ばれています。

■データを探す

e-Stat(政府統計の総合窓口):日本のさまざまな政府統計が集められているポータルサイト。

東京大学社会科学研究所「SSJデータアーカイブ」:申請を経て、さまざまな個票レベルの調査データも利用可能。

IPUMS(Integrated Public Use Microdata Series):世界各国の国勢調査をはじめとするさまざまな調査の個票データが集められています。

以下のデータは国際的なデータを時系列で閲覧する際に便利。

Penn World Table

EU KLEMS

UN Comtrade Database

■経セミ:「経済論文の書き方」サイト

『経済セミナー』の過去の「経済論文の書き方」特集の補足情報を、以下のnoteマガジンにまとめています。参考になる情報満載ですので、こちらもぜひご覧ください!

■ おわりに

以上、『経セミ』2022年8・9月の特集「経済論文の読み方」で紹介されている情報やツールなどを項目ごとにまとめてご紹介しました。

本誌では、ここで紹介したツールを紹介しつつ、論文の探し方・読み方や、読み進めていくための工夫、読んで得た情報の整理の仕方や活かし方などを、各記事で丁寧に解説いただいています。「論文」と言われると、なんだか得体の知れない怖いもの、と身構えてしまうこともあるかもしれませんが、本誌の内容が、ご自身の興味のあるテーマの学術論文に親しむ第一歩となれば大変嬉しく思います。ぜひ本誌をご覧いただければ幸いです!!


サポートに限らず、どんなリアクションでも大変ありがたく思います。リクエスト等々もぜひお送りいただけたら幸いです。本誌とあわあせて、今後もコンテンツ充実に努めて参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。