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転職してもおそらく変わらないだろうなと思うこと

今年を振り返るとキャリアに対する悩みを抱えた一年だった。

経営を支えながら日々経営企画の仕事に邁進していたが心の炎が消えかかるほど意思決定に対して疑問が増えることが増えたし会社の雰囲気も悪くなったということが重なって「自分はこのままで良いのか」と思うようになった。

もともと会社への愛着も強く、いる人たちもとても好きな人が多く人にやさしい社風が好きだと感じていた。最近はその悪い面が強くなっており、一生懸命やる人が浮いてしまったり、仕事をせず上意下達の人たちが社内で勢力を増すなど明らかに業績の低迷とともに雰囲気が悪くなり、社員を大切にしている雰囲気がなくなってしまっていると感じたことが大きい。

そんなぼくはあまり数内当たれ的に転職活動ができるタイプではない。転職本を何十冊読んだし自分の棚卸系の本を何冊も読んで分析し、会社を去った人に何人もあって悩み相談をしたりした。

とにかく考えすぎるほど考えて深掘りするタイプなのでバンバン転職活動をすることはなかったが、試しに2社ほど受けてみたという行動に移せたとても大きな一年だった。1社落ちて1社雰囲気が明らかに微妙だったので早々に辞退という結果だったが、もともと活動するという行動をおこしたということ自体はぼくにとって貴重な経験だった。

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職務経歴書や履歴書の作成は嫌でも自分がやってきたことと振り返らざるを得ないし、どこを受けるかということを考えるには業界研究や各社の戦略やIR資料分析などしなければならない。そういったことをしているうちに自分の価値観が少しわかってくるものだし、求人によっては自分が不足している能力や特性がわかってくるしある意味客観的に自分を見ることができるプロセスだったと考えている。

今でも何か縁があれば転職を検討してもよいという気持ちは変わらないが30後半という年齢を考えるとかなり覚悟をもって転職はしなければならないので、死んでも今の会社を辞めたいという出来事が起きれば移る会社のハードルを下げてでも転職をするが、そこまででもないのでとりあえず働きながらアンテナは張っておいて良いと思えるものがあれば受けてみようくらいに考えている。

そんなぼくがいろいろと転職や今の職場に対して考えを巡らせているときにいくつか、「きっと転職しても変わらないだろうな」と思えたことがいくつかある。

■人間関係は永遠の課題

転職したっていやな人はいるし、気が合う人もいる。ぼくのように15年務めた会社を辞めるには人間関係がゼロになることを誰もが恐れる。ぼくは経営企画という全社と関わる仕事に従事して長いので経営者から役員、様々な事業や子会社の人間とも接点が深い。若いころいた事業部でずっと勤め上げている先輩よりも幸い社内の人間関係はかなり広いし、上層部ともフランクに接しさせてもらっている。なかなかできない経験ではある。

かといってそれが何か社外で役に立つわけではないし、いいことばかりではない。人が見えすぎていて裏の事情までわかっているとどんな偉い人が言っている言葉もパフォーマンスや保身と分かってしまう場合が多く空虚に感じてしまうことが多い。ずれていることもわかってしまうため素直にその人の言うことを聞き入れることが難しくなる。

それなら一層のことそういった上層部の事情は知らない方が幸せという考えもあるにはある。目の前のことだけに集中できる幸せというものもあるのだ。

もし転職したらこういった深い人間関係については全く知らない身となる。怖くもあるが、ある意味で必要以上に知らないため健全な仕事がしやすいともいえるのでデメリットでもないのかもしれない。

とは言え、新たな関係を築くのは相当労力がいるし、どの会社にもいやな奴はいる。今の会社のいやな先輩、上司がいるからといって転職しても人間関係は改善する保障はない。

全社的な雰囲気が嫌でしょうがないというのは一つの動機としてもぼくはアリだと思っているが、特定の人間関係を理由にやめるのは運を天に任せる行為に近く、あまりやるべきではないだろうなと思う。

■意識高い人ばかりではない

いやいやで辞めるのは論外としても、前向きに考えて転職する場合に陥りやすいのは新たな会社への期待値が高すぎてがっかりするパターン。

実際に1社受けた会社は戦略もしっかりしているしグローバルに成長している優良企業と外部から見ていて思える会社だったのだが、人事担当者のモチベーションが異常に低く「経営理念はきれいごと」とか「うちの会社だって微妙」というような話をしていたのにはがっかりした。

 「入社後のイメージがずれないように言っておきます」という前置きはあったので、あまり期待しないでほしいということを伝えたかったのはわかるが、こちらとしては会社の企業価値を上げて社会貢献をしながら収益をあげていきたいということを考えているのに、ぶら下がり系の発言で押されてしまうと気持ちが一気に冷めたのだった。

きっと社内にはそんな人ばかりではなくて良く言う8:2の法則から考えると、1-2割は前向きに会社を引っ張っている人がいるはずであって、確かにその面接官のいうように全員がバリバリやっている会社というのはないことはこちらもわかっている。人事部が社内のスタッフ部門色が強すぎると8割側の人が面接官になってしまいこういったことが起きるんだなと感じた。

しかしながら、その面接官が言っていることはある意味あっている面もある。自分の今の会社と比較していることもあって、外から見るととても良い会社に見えている場合がある。そんなわくわくが過度の期待につながらないように冷静に考える必要だあると思ったエピソードだった。

■多くの企業では新卒の方が優位で中途は劣後する

中途の取り方については気を付けておく必要がある。中途を穴埋め的にあまり重要ではないポジションで採用する会社も多く、子会社や孫会社の営業や企画でとったり中枢に入れないパターンも多く、あくまで新卒至上主義である会社は実に多い。

全員中途だったり入れ替わりが激しい外資などは例外として除外するとして、普通の歴史ある会社に入る場合、新卒のほうが基本的に重視される。表向きはそういったヒエラルキーはないとしていてタブーとされている面があるが見えない格差があるという会社は多い。

会社に勤めている年数が浅いという理由で中途は昇給が遅かったり、新卒の人より給料が低かったらすることが実際に多くある。中途で入ってきた人に聞くとこういった声は思いのほか大きく、ぼくは良い心地がしない。

長く働いている人が良いパフォーマンスを上げているかというわけではないというのはだれしもわかっていることだが、未だに長く会社に貢献することが美徳とされ、年功序列で昇格されている以上は中途は異分子扱いを受けることが多いものだ。

なので転職先を選ぶ場合に中途が活躍できているかどうかという点について事実を確認する質問を積極的におこなった方が良い。曖昧に聞くと人事部からは「皆さん平等です」とか「活躍している人います」という通り一辺倒の回答しか返ってこない。具体的にどういったポジションでどういった人が活躍しているのか話してもらうように質問をした方が良いし、そこで嫌な顔をしてきたらきっとその人は中途を下に見ている証拠と考えて、その会社はあなたには合わないと考えても良い。

■そんなデメリットを超える良さというものもある。

それでも転職には非常にいいところもたくさんある。

ある意味で部外者になれるというのはメリットの一つだ。人間関係がゼロになるのをデメリットと考えるのではなくメリットと考える場合、人間関係に依存した出世争いから離脱できるというのは大きなメリットと言える。

若い人が上司になっても自分は部外者だからと思えば素直に従える気もするし、前情報が無いのでどんな上司がきてもその人をしっかり自分の目で見て判断することができる。色々な人がいろいろな社内のことを教えてくれるが「へー」くらいで客観的に聞けるようにもなるし過度に感情を入れずに仕事ができるようになる可能性もあるのだ。

もう一つ大きいのは新たなことを学べる機会が得られるということだ。長年同じ会社で働いていると知らないことに対する恐怖心というのは生まれるものでそういったものを避ける傾向がどうしても生まれてしまう。

転職先では自分は完全に素人としてプライドも何もないので人に聞きまくるしかなくなることで新しい情報や知識がシャワーのように降りかかってくる楽しさが生まれるというメリットがある。

他にもかつての会社で出来上がった自分のイメージをやりなおせることも大きなメリット。今まで無理してあわせてやってきたことが自分のイメージとして定着してしまっている場合など、転職を機に反省して本来の自分を素直に出せるチャンスでもあるのだ。

冒頭に記載したような、「人間関係から抜け出す」「いい会社と過度に思ってしまう」「新卒に対する劣後があることに無関心」という形で転職した場合に、きっと同じ問題にぶつかる気がする。それでも動くことに対して色々なメリットも多くある。

もし、自分の中で転職熱が上がってきた時にこれらのことを振り返ってみて冷静さを取り戻して客観的に考えられるようにしようと思っている。

直近で有能な後輩が辞めた時には、やらないで後悔するよりやって後悔したいと言っていたのには心がキュッとなった。使い古された言葉ではあるが、いろいろ考えた末にチャレンジすることにした彼がいうと本当にそうだと思うし、そういった意思決定ができたこと、チャレンジしても良いと思える転職先が見つかったことがうらやましく感じた。

ぼくも今の会社で踏ん張るか、新たな道に進むか、来年どうなるかはわからないが、とにかく前向きに仕事をできる環境、良い仕事に取り組める環境で働きたいものだ。求人や異業種研究などで常にアンテナは張り続けて、もし辞めるタイミングや、チャンスが舞い込んできた時にそのチャンスの神様の前髪はつかめるようにしておこう。

そんなことを通勤電車で考えた。

Keiky.

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