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インドの旅は手強い

インドという国はおもしろいもので、ただそこにいるだけでネタにつきることがない。

デリーから、タージマハールの街、アーグラまでの電車で移動の日。

前日に長蛇の列に並び、2時間ほど並んでGETしたアーグラ行きの電車のチケット。

インドの電車は遅れるってわかってはいるけど、やはり時間通りに駅に向かう律儀な日本人。

だってもしかしたら、時間通りに電車が来るかもしれない。

この「もしかしたら、時間通りに電車が来るかも」という発想がインドだ。

けどやっぱり電車は来ない。

10分経っても、20分経っても来ない。

駅員に聞いてみる。この電車は遅れているのか?いつ来るのか?

「この電車はまだ来てない。ここで待て。」と言われ、また待ち続ける。

1時間経っても、2時間経っても来ない。

いつ来るかわからないから、トイレにも行くに行けない。お腹の空いてきた。そしてなにより暑い。

再び駅員に聞くも、同じことを繰り返すのみ。

だんだんと不安とイライラが増していく。

電車は遅れているのか?

本当に来るのか?

ホームを間違えているのか?

騙されているのか?

本当はもう行ってしまったのではないか?

わからない時間。

「結果がわかるまで」の時間が不安で仕方ない。

その間のモヤモヤした不安なキモチ。

来ないとわかれば抗議しなくちゃならないし、一方で、スケジュールの立て直し、先の予約の取り消しや再予約、本日の宿の確保、いろんな手続きをこなさなきゃならない。

めんどくさいことこの上ない。

フリーの旅は、こんなふうに8割方不安と段取りでできているんだよなぁと思ったり。

でも、一方でイライラしても仕方ないという気持ちもある。

来るものはいつか来るし、来ないものは来ない。

インドの旅は、時間に気持ちに余裕を持って、ドンと構えて挑むしかない。

周りを見ても誰もイライラしてるインド人はいない。

ホームで子供達が線路に向かって立ちションしている。

食べたゴミもポイッと線路へ。

当然線路はゴミだらけで汚い。

物乞いの子供が「クッキーかお金ちょうだい」とずっとついてくる。

相変わらずカオスな街。

結局、電車が来たのは5時間後だった(笑)

本当にこの電車が、私たちが乗るはずだった電車なのかどうかもわからない。

きっとインド人の感覚って8時=8〜15時くらいの感覚なんだろう。

とりあえずのアーグラ行きに安心する。

でも電車に乗っても安心はできない。

自分の予約した席に向かうと、当然のように私の席に座っているインド人。

はぁーっとため息が出るけど、ここで負けるわけにはいかないので私の席を巡っての戦い。

ようやく席についたあとも安心してはいられない。

遠慮ない好奇の目でじろじろと見てくるインド人。

話しかけてくるインド人。

知らないおっさんたちと肩を寄せ合い(だいたい混んでる)、

大きな荷物を抱え、スリやセクハラに気を張り、

ついた時にはヘトヘトだった。

タージマハールを見て、そのまま寝台列車でバラナシへ向かう予定だった私たちは、電車が5時間以上遅れたため、タージマハールの滞在時間が15分しか取れなかった(笑)

そしてまたイライラと不安を抱え、電車を待つ時間。

やっぱりインドの旅は手強い。

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