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【第六話】私を支えてくれた次男の死〜拡大戦略と初めての失敗・転機〜

《私の戦略と次男の死》

そんなモスバーガースタートから10年で5店舗を展開し年商は5億円に達していた。

殆ど仕事などした事がないただの主婦。
50歳の手前から事業をスタートしたただの主婦である私。


〜私には戦略があったのです〜




初めてモスバーガーに出会った今福の店。
そこは大きな道路である国道1号線沿いにありました。

人通り、車通りの多いこの1号線沿いにお店を出店して行こう。
これが私の戦略の大枠でした。


この考えは当たりモスバーガーの経営を始めて7年目に、この思い出の今福のお店をモスバーガー本体から買い取る事も出来たのです。

全てが順調でした。


そんな中で私と共に店舗開発で忙しく走り回ってくれていた次男が病に倒れてしまったのです。

体調が悪く病院に通っていた事を私は知りませんでした。
心配をかけない様にしたのかはわかりません。


しかし
私が知った時には既に手遅れだったのです。

40万人に一人と言われる悪性黒色腫でした。


そう息子は皮膚癌に侵されていたのです。病床でも彼は最後まで明るく接してくれました。


「お母さん4店舗目を成功させるんだよ」



そう言って息子は36年の生涯を閉じてしまったのです。


彼が残してくれたノートには、びっしりと細かく店舗の事が書かれていました。

・これから手に入れたい店舗。
・その条件や戦略。

ありとあらゆる事がそこには書かれていたのです。

私は60歳でした。


《62歳で運転免許取得》


62歳で私は車の免許を取りました。
長男は私のことを「オーナー」と今でも呼ぶことがあります。

優しい彼はいつも私を陰で支えてくれました。


今でもそう。



パソコンの設定が苦手な私に代わり、いまだに私を支えてくれている。



そんな優しい息子が店舗の運営、現場を見てくれたのです。
息子は色々あって男手で1人で娘を育てあげたのです。娘を育てながらこの年老いた母のわがままにずっと付き合ってくれていたのです。


そんな優しい長男に負担をかけるわけにはいかない。
そう思って自分で免許を取ったのです。


車を運転してくれて、様々な店舗を一緒に見て回った次男はもう居ないのです。

私がするしかなかったのです。
免許を取った私はさらに精力的に働きました。
私たちのビジネスは全てが上手く行ったのです。


もちろん経営者としてはまだまだ勉強不足で、特に税金対策などは全く出来ていなかった。。。


と、最近、教えてもらっている経営者との話で気付きました。


全てを真面目過ぎるほど真面目に税金も支払い、働いて来たのです。その間にも主人とはゴルフと旅行が2人の共通の趣味で全国の有名なゴルフ場へ、そして世界に旅行へ出かけて行きました。
本当に良い人生を過ごさせて頂いたと思っています。

《私の初めての大失敗》


そんな私が初めての失敗を冒してしまったのです。


亡くなった次男と良く話していたビルがあったのです。
大手商社の持ち物である立派なビル。
そのビルにモスバーガーを出店したいと常々話をしていました。

しかし
そこに出店するには家賃が高過ぎました。そして条件も厳しかった。
皆んながそのビルへの出店を反対したのです。

普段は反対する事など決してなかった主人まで反対したのでした。
その中でも私は強行にその案件を進めてしまったのです。


何かに取り憑かれたように。
やはり息子との夢だったからなのか?今ではわかりません。


しかし私は進めて行ったのです。
私たち単体では言っても小さな会社。
なかなか審査も通らずモスバーガー本社の支援も仰いで出店までこぎつけたのです。


その店舗が大失敗だったのです。


活気がある様に見えたそのビル。
多くの企業が入って沢山の人が働いているかの様に見えたそのビル。

しかし
実態は、多くの社員は営業などで出払い。そのビルには殆ど人が居なかったのです。当てにしていたお客様は、元々そこには居なかった訳なのです。

そもそもそこに人が居ないのです。

当てが外れた店が流行るわけもなく、大きなコストが私たちの小さな会社の足枷になって行ったのです。
この失敗が後に大きな尾を引く事になりました。


そして大きく時代は動いており、今までと違う何かが迫ってきていたのです。


そしてコロナが始まる少し前。。。


それまで病気一つした事のなかった主人が倒れ、訪問介護を受ける様になっていました。
私は訪店もままならなくなり、従業員とのミーティングも減っていき、その後、益々お店の管理出来なくなって行きました。


《主人の死》


そして主人が88歳の生涯を閉じたのです。

私を愛してくれて
全てを許してくれて
自由にしてくれた。
そして何より信じてくれて支えてくれた最愛の主人が居なくなってしまいました。

前の年には一緒にモスクワ旅行にも行ったのです。
まだまだ元気でした。

最愛の主人は私を残して天寿を全うしたのでした。

それから僅かな期間で
社会の大きな転機となるコロナの大感染が起こるなど、この時は夢にも思ってなかったのです。


私の数奇な人生は最後に大きな波に揉まれる事になるのです。


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◆【エピローグ】

◆【第一話】私とは?裕福な家庭で何不自由なく育った私〜生まれ育ち〜

◆【第二話】私の結婚観〜結婚してから好きになるもの、と言う母の教え〜

◆【第三話】華麗なる主婦生活〜上流階級?の主婦たちの生活とは?〜

◆【第四話】必要とされる喜び〜人のお手伝いから仕事を始めた私〜

◆【第五話】主婦が独立〜大嫌いだったパンを食べた途端に感動に包まれた〜

◆【第七話】時代の変わり目。そしてコロナによる大打撃〜事故で生死を彷徨った私〜

◆【第八話 最終回】85歳の私のこれから〜人生が終わる瞬間まで、現役で働くことが出来るのは「インターネット」だけ〜

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