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内面を鍛えることと課題解決の繋がり:Googleとピクサーの事例から紐解き

サステナビリティリーダーシップの復習

コンプレックスな課題を扱うサステナビリティのリーダーシップは、

・システム的にアプローチ。(全体をもっとみよう。分解するな。)

・参加型のプロセスを組んで。

・イノベーション、これまでの世界線と違う世界線のアイデアを!

・内面を磨け

この4つがサステナビリティのリーダーシップの資質だと教わった。(内面以外の3つの資質ってU理論でいわれてること。

手法としては「対話」をするんだよ、と学びました。

何で内面が必要になってくるかっていうと、内面を整えないと本当の課題が出てこない、言葉に出せないから。


なぜ「内面」のことが、「課題解決」に繋がるのか、ということをいわずもがな、Googleとピクサーの事例から二つを繋げてみる。


そもそも、「心のこと」と「ソリューション」は、現実世界では相反するものとして認識している人も多いとおもう。なので、ビックカンパニーの実例から二つの世界線の交差を見てもらった方が見えてくるとおもう。


二つの関係性を世間にわかりやすく伝えた「心理的安全性」


なぜ、一見相反する世界線が交わるのか。一番わかりやすい関係を作ってくれたのはGoogleが発表した「プロジェクト・アリストテレス」で知られることとなった「心理的安全性」という言葉ではないでしょうか。
「生産性の高いチームの要因とは?成功を導くチームの要素とは」を命題に分析した中で、最も重要な要素として挙げられた。


プロジェクト・アリストテレスが発表した要素は下記の5つ。

心理的安全性(Psychological safety) 

信頼性(Dependability)

構造と明瞭さ(Structure & clarity)

仕事の意味(Meaning of work)

インパクト(Impact of work)


重要というだけあって「心理的安全性」は5つの中の一つの要素、というより他の要素の土台として見ている。心理的に安全な状態ってメンバー同士がリスクを取ることを安全だと感じ、チームの中でも弱い部分をさらけ出すことができるかっていうこと。


自分のミスを認めたり、質問をすることを厭わなかったり、新しいアイデアをだしても、誰も気軽に発表でき、馬鹿にされたり、重箱のすみを突くようなことがないと信じれる。チームに信頼がおけることで、安心して仕事ができる。(詳しくはいくつかリンクを貼っておくきます。)


内面のことがケアできれば(他にも要素あり)、チームとして成功するし、パフォーマンス高くなる、結果、課題解決のクオリティがあがるということ。


当たり前といえば、当たり前に聞こえるGoogleの調査結果。が、心理的安全ってそう簡単じゃないぜ、っていうのはピクサーの事例から。


課題発見を阻害する「見えない障害」


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ピクサーについては説明不要かもしれない。アメリカの映像製作会社で「トイストーリー」とか「ファインディング・ニモ」とか作ってる企業ですね。すみません、念のため。


この方の記事を読んでいただければ、どれだけ企業文化に秀でているかわかります。要は、風通しがいいんです。


さらには、課題解決のために社員全員が集まって、課題を率直に話す日「ノーツデイ」が設定されている。


課題発見に力を入れていて、対話をする企業土壌もある、文化もある。話をすることの重要性を理解している。ノーツデイで出てきた課題は、課題解決チームを組んで、予算もつけて、解決に当たるということを構造としても作っている。成功しそうなことが容易に想像できる。


ノーツデイの引用は「インサイト」という本からで、著書である組織心理学者、ターシャ・ユーリックはピクサー社長であるエド・キャットムルと話す機会をもうけ、この「ノーツデイ」についての「その後」をきいた。


ノーツデイが「率直さ」にまつわる問題をすべて解決し、すべてについて、すべての人が真実を告げるようになったというエピソードが語られると思っていた。しかし、キャットムルは少し違った答えをした。

「間違いなく貴重な取り組みでした。」と彼はいった。

「ですがいくつかの大きなことが見落とされていました。」ノーツデイから数ヶ月後に、製作中の映画のひとつで「大きな崩壊」が起こったという。リーダーへのフィードバックをおこなう昔からの回路や秘密の回路が消滅し、映画が完成しない危機にまで陥っていた。(〜中略)

唖然とした私は訪ねた。

「なのに、『正直になる日』に誰も何もいわなかったっていうんですか?」


「正直になる日」にさえ「話されない」課題によって映画製作がストップする危機が訪れた、という話だ。どんなに文化が優れていたとしても、話すことができない人たちがいたのだ。問いがなければソリューションは出せない。キャットムルにも衝撃が走ったに違いない。


彼は、この失敗はすべてのマネージャーがフィードバックスキル(話しても安全だよっていう心理的安全を含む対話スキル、場づくりスキル)を持っていなかったことと、話し合うべき前提となるデータを持っていなかったために、話し合う適切な機会を設けることができなかった(ノーツデイがあるじゃん、ということではなく、課題を知っている人がに課題を出すことができなかったこと、課題だと認知するデータへのアクセスができなかったために、適切な場を設定できなかった。)ということを伝えている。


どどのつまり、安全な場が確保されない、知らないことをしるっていう機会がない、と適切な課題解決が導けないっていうこと。

Googleとピクサーの示唆:よいソリューションにたどりつくために、二重の内面筋トレをせよ!


夕焼け



この二つの事例って、サステナビリティの肝も示唆しているとおもう。内面=心理的安全に関わる在り方、スキルっていう意味と、全体性をみる=メタ的に何が起こっているかっていうことを認知すること。


当たり前と思ってもなかなか安心って思えなかったり、全体像が見えなかったりする。だからこそ、内面を鍛えること、全体を見てる自分や関係者になにがおこっているかをメタに気づくという「二重の意味で内面を鍛えること」が必要。世界の名だたるリーダーたちがマインドフルネスに傾倒していたのは「そもそも」に気づくっていうことの心の筋トレをしていたんじゃないかな。


今回のピクサーでは、フィードバックスキル、前提のデータ、適切な場っていう失敗の要素が出てきた。が、まだまだ「見えない障害」ってたくさんある。例えば、人間的な属性要素:声が大きい人、圧が強い人が場を支配が影響する。知識量:専門知識があるなしで発言に躊躇がでる。ジェンダー:ジェンダーによって発言量に差異がある。立場:上下関係がある、忖度関係によって本音がでない。などなど、他にも様々なあるよね。


下の絵みたく、リンゴの箱や壁みたく見えやすいものでもない、気づきにくいものだ。見えない障害がないフラットな中で話すことができないと、本当の課題ってなかなか出てこないんだね。

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内面を鍛えると、課題発見に役立つし、課題解決のクオリティも上がる。ただし「見えない障害」にも注意せよってこと。


内面と課題解決の繋がりは見えたかな。
簡単にいうと、すべては「気づき」から始まるっていうことなんだけど。ちょっと一言にまとめすぎかも。


内面なんて関係ない!といわずに、心の内側からスタートして課題解決を目指してみたら、いつもと違う世界が見れるかもしれません。「問」が変われば、「解」も変わるんですから。





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