地方のまちづくり版「ジョハリの窓」で、自分の地域を他者視点で振り返る。
自己分析ツールでおなじみの「ジョハリの窓」
前職でもキャリアカウンセリングやコーチングでよく使っていた。
地方、特に都農町のような小さな町でまちづくりをしていると、移住者のぼくらからすると魅力はたくさんあるのに町として気づいてなかったり、その逆だったり、キャリアと似たような、自分と他人の認識ギャップを感じるときがあります。
1.開放の窓
これが多ければ多いほど、その町のポテンシャルは大きくなりますよね。
言いかえれば、最終的な目標になるゾーン。町としては、このゾーンを増やしていくための戦略を考え、コミュニケーション施策を体系的に整えていくことが重要。
2.盲点の窓
都農町で言うと「海」や「滝」とか。
地元の人に言っても生まれつきあるから改めては出てこなかったり、日常生活に縁のない滝はイメージがないもの。
ただ、ぼくらからすると、海があること自体、希少性があったり、歩いて近くに寄れる滝とかはインスタ映えもするし、なにかと人に言いたくなるもの。
ここを積極的、継続的にやってる自治体は少ない印象があります。都農町にも移住して4年目になりますが、自治体や観光協会からヒアリングされたことは一度もありません(残念)
キャリアにおける自己分析も、まちづくりにおける自分の地域分析も、根本は共通しています。
他者からどう見えるかは、他者に聞いてみないとわからないということと、自分と他者の認識のズレを理解することからはじめること。
特に、まちづくりにおいて、交流人口や関係人口を増やそうと思うなら、他者目線のインプットについて、具体的な施策や人員(外部人材でよいので)を用意しないと難しいと思います。
3.秘密の窓
地域におきかえてわかりやすい事例は「祭」とか「市場に出ない農作物」など。
「祭」はどこの地域でも、そこに住む人たちのためのものなので、原則、地元の人が楽しめればそれでいいとは思います。ただし、祭りの由来やタイムテーブル、おすすめのビューポイントなど、ちょっとしたことをWEBや媒体物などにわかりやすく表示するだけで、移住者や来訪者など他者も存分に楽しめるのにな、ともったいなく思います。
「市場に出ない農作物」には、物々交換されるもの(めちゃくちゃ旨い物多い印象)や廃棄・規格外産品なども含まれます。
地元の人からしてみれば、生まれた時からずっとあって、日常的なものなので、あえて発信する必要もないものが多いですが、こと、交流人口や関係人口を増やそうとするならば、はじめに見直すべきゾーンかもしれません。
伝えないことには、伝わらない。
4.未知の窓
中長期的なまちづくりとして考えると、このゾーンをどう増やすかがより大事になります。いまある資源だけでは限界もあるので。
この挑戦をする際に、地元の人も、移住者や来訪者など他者も、一体となって取り組めればベスト。
個人的には、小中学生がまちづくりに参画するゾーンとして最適なのではないかと思ってます。
これまでの歴史や文化、強みに囚われることなく、デジタルやゼロカーボンなど、これからの時代に不可欠な要素を反映させながら挑戦していけるといいかなと。
5.まちづくりとキャリアに共通すること
まちづくりもキャリアも、自分ごとで考える限り、思考と行動のプロセスは似ていると思います。
まずは自分と他者の認識のズレを理解して、ズレを補う戦略を立てること。
具体的には、
自治体のホームページやSNS、移住者や観光客とのコミュニケーション、起業・チャレンジ支援制度などが、バラバラの与件のものと縦割りに行われるのではなく、町外、他者目線での認識のズレを補うところから一元的に展開されることが必要なのではないかと思います。