トレーラーホテルは、地方のまちづくり課題解決型ワーケーションの拠点になれるか?
人口1万人の町、宮崎県都農町(つのちょう)で、昨年開業した「まちづくりホステルALA」の敷地に、新たにトレーラーホテルを増設しました。
ホステルをつくったのは、観光客狙いというより、自分たちが都農町で実践してるまちづくりのプロセスを、大学生や若手社会人で地方創生・まちづくりに関心ある人とリアルにシェアできたらいいな、という想いでした。
自分たちでやっておきながらなんですが、開業してみて驚いたのがADDressさんやHafHさんのユーザー、つまりはアドレスホッパーやリモートワーカーってこんなにいるんだ!でした。
テレワーク、リモートワーク、アドレスホッパーということばは、どちらかというとメディアでよく見るトレンドで、都農町と結びつけてはあまり想像できてませんでした(もちろん結びついたらいいな、という願望はあり)
で、実際に利用していただいてのニーズは、ZOOMやったりPC作業するスペースや環境が欲しいというもの。
もともと、まちづくりについてワイワイ話したり、町内外の人たちとの交流を念頭においてたし予算もなかったので、築20年の2階建てのホステルはドミトリー式で音はツーツー状態。
そんな背景もあり、個室で集中してテレワーク、一歩外に出れば交流、そんな環境をつくりたいなと思ってたところ、ALAの敷地の元オーナーさんが所有していたトレーラーをお譲りいただけるという話が重なって、トレーラーホテルをつくることになった次第です。
1.ワーケーション市場
矢野経済研究所が2021年3月に公表した調査結果によると、2020年の国内のワーケーション市場規模は699億円と予測されてます。
2020年度から2025年度までの年平均成長率は約40%で推移し、2025年度の国内ワーケーション市場規模は2020年度の約5倍となる3,622億円に成長すると見込まれています。
一方、実際にどれぐらいの利用者がいるのかとみると、テレワーク経験者は40%近く、ワーケーションは6.6%とまだまだマイノリティ。
実施場所で一番多かったのは「自宅や会社から離れた観光地(ホテル・旅館・キャンプ場等)」で49%。
実施効果や感想を見ると「リラックス」「リフレッシュ」できたようで、気分転換と仕事の両立が大事ってことなんでしょう。
ALAを利用される人たちは、仕事がメインでありながら、少し息抜きでぼくらが地元をガイドしたり、一緒に食事に行ったりすることがとても楽しい!と言ってくださってるので、このデータは実感値こみで納得。
2.ワーケーションのニーズ
今後のニーズがどうなっていくのか、いまの職場ではリモートワークとワーケーション両方OKは7.5%と少数派。
両方だめなところが半数を超えているので、まだまだ障壁は高そうです。
ただし、4分の3以上は、ワーケーションを利用したいという意向で、社員側のニーズは高まってます。
企業側も、採用や定着を考えた際、あるいは同業他社との競争優位性をつくるために、今後、ワーケーションに対して寛容になっていくんじゃないでしょうか?
「ワーケーション企画入門」によれば、
面白いなと思ったのは、ユーザーを個人と集団、環境を日常と隔離、接続のマトリックス
ALAが目指す方向は、②でしょうか。
旅するように働く、遊ぶように働く人たちに向いていると思いました。
今後のニーズのひとつとして、記載があったのが、
3.地域課題解決型ワーケーション
前述の社会課題に関わるための余白、関わりしろを、もう少し体系的にみてみると、観光庁がまとめてるワーケーション実施形態の分類の中の、「地域課題解決型」が近いのかなと。
ワーケーションとして利用しながら、地域関係者との交流を通じて、地域課題の解決策を共に考える、というものです。
個人としてのメリットで挙げられているのは
企業としてのメリットで挙げられているのは
自治体としてのメリットで挙げられているのは
まさに個人・企業・自治体の三方よしですね!
理想論・机上の限りではありますが、ぼくらが目指す姿には近いので、これから日々チャレンジ、実践していくテーマと位置づけます。
鍵を握るのは、個人と企業、自治体を結びつけるコーディネイターの存在であり、一度訪れた個人と、継続的な関係をどう構築できるかになりますね。
4.今後の可能性
世の中の働き方が変わりつつあり、企業の福利厚生促進と、ぼくらのような地方プレイヤーが、受け入れ環境を整えていくことで、今後、ますますワーク&ライフスタイルに新しい選択肢が出ていくと予想してます。
ということで、トレーラーホテルを実際にワーケーションの拠点として利用してくれる人たちがいるのか?来てくれるのか?
定期的に続報していきます。
ご予約もお待ちしてまーす。