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地方のまちづくりでも重要、新しい企画を実現させるプレゼンの極意とは?

町長や役場へ新しい企画の提案、自治体のプロポーザル、講演や研修、小中学生の授業からICCや日本まちづくり大賞のようなピッチ・コンテストまで。

地方のまちづくり、というと抽象的ですが、ぼくの場合、その実務の多くがプレゼンを伴います。厳密に言うとプレゼンするコンテンツの企画ですが。

企画・コンテンツを生かすも殺すもプレゼン次第。
特にぼくらの場合、人に伝わり共感を得て、ワクワクを起こさなければ先に進めません。

そんな日常で実践していること、特にプレゼン当日までの準備にフォーカスしてまとめてみました。

あくまでもぼくに合ったプレゼンの準備の仕方なので、ひとつの実例・たたき台にして頂ければと思います。

ちなみに、当日のプレゼンそのものに関しては、ジョブズをはじめ偉大なプレゼンテーターの動画が多々世に出てますので、自分のキャラにあったスタイルを見つけて真似することが近道。ここでは省略します。

1.伝えたいこと×伝え方

言うまでもなく、プレゼンで一番大事なのは”伝えたいこと”

いくらプレゼン(のトーク)が上手でも、そもそも”伝えたいこと”が散漫でフワっとしてたらはじまりません。

とはいえ、その”伝えたいこと”がどんなにユニークでクライアントのニーズを具現化する価値がありそうでも、相手に伝わらなければ実現しないので、プレゼンは重要。

”伝えたいこと(企画)””伝え方(プレゼン)”

どっちがどう?ではなく、最初から最後までセットで考え、本番まで行ったり来たりさせながら両方とも高めていく必要があります。

2.全体像を描く

ぼくの場合は、まず先にパワーポイントのスライドをつくりまくります

・自分のアイデア
・過去に使ったスライド
・活用したいイメージ写真
・タイトルだけ

など、100〜200枚ぐらいスライド一覧にして全体像をイメージします。

ゆるやかにセクションで区切り、

・達成したいゴール
・クライアントのニーズ
・プロジェクトの与件
・(プロポーザルなら)仕様書

などを確認しながら、優先順位や、セクションごとのボリュームを配分。

ぼくなりに楽しくやるコツは、
ありものとコピペでいったん100スライド以上並べてみることです。

プレゼンというと、どうしても

・いいこと言わなきゃ
・面白い企画にしなきゃ
・かっこいいスライドつくらなきゃ

と気張った結果、手がとまりがち。
最初に細かいこと抜きに出しまくり、引き算していく方が気持ち的には楽にできます。

引き算していくうちに、決めのスライドがないことを確認します。

全体像を先につくるメリットは、
・どうでもいいスライドにやたら時間をかけてしまう無駄
・肝心のスライドつくるのに時間切れ
を防止、エネルギー配分を適正化し自分との作戦会議ができることです。

3.時間配分を決める

プレゼンの指定時間で、セクションごとの配分を決めます。
プロポーザルやピッチの場合は、この作業をかなり細かく時間をかけて行っています。

実際のプレゼンを想定して、予備時間を1-2分とっておきます。

この作業をやりながら、
・2の全体像で出したスライドをどんどん減らして絞り込む
・インパクト不足を補う決めのスライドをつくる
など編集作業と並行しながら企画の精度もあげていくのがコツ。

4.メッセージ(原稿)をつくる

一通りスライド構成と時間配分ができたら、ワードなどで当日のプレゼン原稿を書き出していきます。

人によってやり方は異なりますし、プレゼン慣れしている程度でも変わってきますが、原則、一言一句原稿をつくったほうが、プレゼンの精度は上がる、と身をもって体感しています。

このスライドで言いたいことはなにか?
を意識しながら原稿をつくっていく過程で、結果的に不要なスライドが明らかになるので、どんどん削除していきます。

5.要約と編集と微調整

原稿をつくるメリットは、ただ暗記して間違えないようにという意味ではなく、一言一句シャープにさせるためだと思っています。

話し言葉と書き言葉は、同じことを言おうとしても差が出るものです。

原稿を書きながらブツブツ言って、言いにくいところは口語調にしていく調整が必要です。

多くの場合、時間が足りません。

ここで楽しいところは、

・どこまで言葉を減らせるか
・どうやったら最短のワードで表現できるか
・ワクワクさせる表現方法は他にないか

類語辞典も動員しながら言葉の吟味をしていきます。

「先にも申し上げた通り」とか「一概には言えませんが」など、丁寧な反復や、リスクヘッジ口上は、ぼくの場合ばっさり切っていきます 笑。

3の時間配分表で定めた分数、秒数で話せるか、スライドごとに原稿を書いて音読して時間を計測、過不足が発生したら原稿を足すか引くか調整していきます。

何回やってもオーバーする場合は、そこはどうしても伝えたいことが多いと言うことなので、全体の時間配分を変更します。

最後に、すべて暗記にたよると棒読みになるリスクが出てくるので、強調したいワードを選んで色付けしておくなど、メリハリを考えます。

6.変化をつけた練習

全体像から最適な時間配分を設定し、一言一句、簡潔な表現の原稿が出来上がったら、あとは練習あるのみ!

この練習については、同じ環境で同じように100回反復するのはあまりにストイックなので、ぼくの場合は、環境ややり方で変化をつけて練習するようにしています。

たとえばこんな感じで

・パソコンでパワポのスライドショーをやりながら
・自宅やオフィスの大きなモニターに投影しながら
・スマホでパワポのPDFをみながら
・スライドを見ずに散歩しながらひたすら朗読風に
・定期的に、原稿を読み上げながら抑揚つけたり

あといっぺんにやると時間もかかって気も滅入るので、スライドごと、セクションごとに細切れにやっていくと鮮度を保てて、ぼくの場合は何回もやれます。

7.まとめ

20代の頃、コンサル会社ではじめて大舞台でプレゼンする機会をいただき、社内リハーサルをしたとき、あまりにつまらなかったからか、厳しい先輩から消しゴム投げられたり、罵声をあびたりしてました(パワハラ全盛期 笑)

いま思えばたしかにつまらなかったなぁと思います。うまくしゃべろう、間違えずにしゃべろうと、ただ暗記して臨んでたからです。

やはり、プレゼンは、自分が言いたいこと、やりたいことがすべて。それがなければ単なるスムーズなナレーターで終わってしまいます。

自分を振り返ってみても、プレゼンを探究することが、いい企画をつくれるようになる近道だと実感してます。

現役まちづくりプレイヤーとして、現在進行形でこれからもプレゼンにチャレンジしていくので、良いプレゼン方法、準備方法などあれば、ぜひとも共有して高め合っていきたいなと思います。

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