「まちは自ら変えられる」、1人じゃ無理だけど他者と一緒に、問い続けるまちづくり。
今年読んだ本の中で、いま自分が取り組んでることに最も重なった『冒険の書』。著者である孫泰蔵さんが、新渡戸文化学園にきて平岩理事長と対談。
新渡戸文化学園とは、高校スタディツアーで提携。すでに都農町へ高校生が2度来訪、今年も11月に予定。
いま、ぼくらの新たな企画として、孫泰蔵さんが創ったVIVI STOPを都農高校跡地につくることを考えています。
VIVI STOPは『冒険の書』でたてられている問いに対するアクションのひとつ。対談が新渡戸文化学園内に設置されているVIVI STOP NITOBEということで、これは直接行くしかない!と宮崎県都農町から出張。
1.100年に1度、10年ですべて変わる
最初に泰蔵さんから、なぜ『冒険の書』を書くに至ったかの背景についてお話しがありました。
なぜ、いまなのかというと、今年の3月に、ついにアメリカで自動運転の車が公道を走ったから。
泰蔵さんから、
・いよいよ時代はガラっと変わる。
・常識を疑わなければなりません。
と力強いメッセージ。
もう一つの事実として、ケラー・リナウドさんが開発したZiplineの紹介。ドローンを使えばモノがどこでも無料で届けられるしくみ。これにより、冷蔵庫がいらなくなる可能性があります。
10年ほど前に、泰蔵さんのところに投資の相談があったとき、まだMITの研究者だったケラー・リナウドさん。当時、実現する気はまったくしなかったけど面白そうだから投資したそうですが、今年の秋からスタート。
2.世界は自ら変えられる
国内でも、いち早くAIに出会い、投資を中心に接点を多く持つ泰蔵さんから、AI時代の教育のあり方について問題提起がありました。
個人的に、この日一番、印象に残った泰蔵さんからの問い
泰蔵さんが考えたことは
こう聞くと、少し壮大で夢のような話に聞こえがちだではありますが、考え抜いた末の一言がこれだったと泰蔵さん。
未来を自分で切り拓いていけるためには、当然ながら自分で考える力をつけていかなければならない。
ちなみに、孫家の教えとして、お父様から「他人に習うな」と、言われて育ったそうです。
趣旨としては「学校の先生といえども、人の言うことをうのみにせず、常に自分の頭で考える習慣をつけなさい」であったと、泰蔵さんも大人になってから理解したそうです。
自分で考えるとともに、もう一つ大事なこととして、本の中ではガンジーのことば「自分を変える」が紹介されています。
このような背景から、誰からも習わず、自分がやりたいもの、思ったものを自由につくれる環境を提供するVIVITAがうまれたのです。
3.答えようとするな、むしろ問え
世界を変えるためには、自分で考えて、自分を変える。
昔に比べて、人と違う道、自分が思った道に進むと応援されやすくなってきたと泰蔵さん。
これまでは、問題→解決策、問題→解決策の繰り返し
これからは、問い→行動→新しい問い→新しい行動
本質的な問いを続け、そこから誘発される行動をとるうちに、結果として解決することがあると、泰蔵さんは話します。
VIVI STOPの一つの意義だとも共感しているのですが、小さな「問い」に始まり、「つくる」ことを通じて「わかる」ようになる。同時に「わからない」こともたくさん生まれ、そこからさらなる「問い」が生まれる。それらを繰り返していくうちに、なにか「形になったもの」が生まれるという流れ。
都農高校跡地に、VIVI STOPをつくりたい理由のひとつが、過疎地で「ないものは、つくる」という習慣。そして、その前提が子どもたちの自由で小さな問いであってほしいなということ。
4.子どもがまちづくりに関わる権利
『冒険の書』の中で、これまでの教育を振り返りながら、なぜ、子ども扱いされるようになったかの記述があります。
いま、ぼくが都農町で一番やりたいことが、「こども参画まちづくり」
理想論と聞こえるかもしれませんが、人口減少、少子高齢化が加速する過疎地においては、こどもがおとなと同じスタンスでまちづくりに関われるようにすることが、もっとも現実的な解決策だと考えています。
5.ライフロング・プレイグラウンド
そのきっかけとして、VIVI STOPで、地域課題をも解決するイノベーションが子どもたちから生まれることが、すべての解決につながるのではないでしょうか。
VIVI STOP設置を予定している都農高校跡地のイメージと、本文で書かれていた「ライフロング・プレイグラウンド」が僕の中では重なっています。
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