地方こそ必要な「こどもまんなか」なまちづくり、こども参画4つのアプローチ。
4月に発足した「こども家庭庁」。地方の1万人の町にはなかなか届いてこない動きですが、少子化が深刻な過疎地こそ、おおいに注目すべきこと。
「こども若者★いけんぷらす」では、自分の意見を表明し、社会に参加することを目指しています。
都農町に移住して4年目。こども参画まちづくりを一番の目標に掲げ、4つのアプローチで取り組んでいます。
1.つの未来学(総合的学習)
町内唯一の中学校、都農中学校で2021年から総合的学習の時間を各学年15時間使って「つの未来学」を実践しています。
未来に向けて自ら起動する人づくりを目指すプログラム。
ぼく自身は一人のまちづくりプレイヤーとして、自分たちが実践していることを中学生たちとフラットにシェアするスタンスで取り組んでます。
中学生にとって、「まちづくり」をテーマにする意味は、「まちづくり」が持つ総合性だと思ってます。
学校の教科学習や、企業・役場の部署的な発想に陥る前に、「農と食」や「経済」「文化・スポーツ」など、分野ごとの発想ではなく、自分が住みたい町にしていくために必要な要素として総合的に捉え、自分ごととして考えていくことを理想に描いています
2021年度の2年生で実施した「気候変動」プログラム。中学生たちが提案した300個のアイデアがきっかけとなり、町として「ゼロカーボンタウン宣言」の表明につながりました。
自分たちが提案した内容が町を動かした!と感じた中学生もいましたが、テーマが大きいだけに少し漠然としてたかも。
今年度は、中学生たちが、より身近に感じられる「商店街」をテーマにプログラムをつくっています。
3年生は、1年生のときから「つの未来学」で一緒に考えてきて3年目。ぼくらとのコミュニケーションも円滑。
今週は、「つの未来学」初の校外フィールドワーク。2時間かけて商店街を調査。10チームにわかれて、自分たちが考えた「商店街を元気にする」仮説の検証を。
NHKテレビの取材も入って、中学生たちのテンションもあがってました。9月には、10チームの企画を、町役場の人たちに提案します。
「つの未来学」の町としての意義は、中学生が、商店街再生や廃校活用などリアルなまちづくり課題の解決アイデアを実践することで、自分ごととしての実績をつくり、将来「自分がつくったまち」という想いでUターンや、まちの応援団になることだと思っています。
2.GreenHope(ゼロカーボン)
2021年10月、「ゼロカーボンタウン宣言」のアクションプランとして、小中学生の選抜チーム「Green Hope」を結成しました。
同時に、町として「ゼロカーボンU-18議会」を創設。2050年のゼロカーボン施策については、その時代、40代として町の主力となるいまの10代が考える、という考えのもと、年間30-40時間をかけて、小中学生が話し合いを重ねています。
大人たちの論理で、やらされ感のでないよう、「ゼロカーボン対策」というテーマだけ共有、あとは自分たちでリーダー、役割分担、論点を決めて自発的に話し合っています。
毎年3月に、議場で議員・町長・役場課長に対し30分の提言。
事前に議員からは一般質問も受け答弁もします。
6月から第3期スタート!リーダーには6年生4名が立候補して、話し合った結果、2名に。
昨年までは隔週水曜日の開催だったところ、自分たちで今年は毎週開催にすることを決定!
議会の「体験」ではなく「参画」が目標。
かつ、自分たちで成果を出していくためには予算も必要なため、
議会に100万円を申請して可決。
町の大切なお金を使って、どこまでゼロカーボンに貢献するまちづくりができるか、町にとっても注目される活動にしていきます。
3.まちづくり部(中学生地域クラブ)
今年からスタートした、中学生の地域クラブ「まちづくり部」。
全国的にも珍しい、「まちづくり」を行う部活。
初年度、中学1年生4名が創部メンバーに。
早速、自分たちで、「まちづくり部」でやりたいこと100個のアイデアを。
全員投票の結果、BEST3を決定
1位の「YouTubeチャンネル」は、タイミングよく、NPO法人Pocca(日本地域部活動文化部推進本部)さんから、動画で「まちづくり部」の紹介依頼があったので、中学生たちがトライアルで動画を自主企画・制作をスタート!
2位の「Newのみもの」は、自分たちで「自分で色も味も決められます」をスローガンにカラフルジュースを企画。配合、試作を経てテスト販売。
6月18日に開催された「みちくさ市」では、雨にもかかわらず100杯の売上を達成!
NHKで6月19日に放映!!
4.みちくさ市(商店街再生)
小中学生と、学校や課外活動を通して、まちづくりについて考えたり話し合ってきました。
大切なことは、机上の議論やおままごとではなく、リアルな実践。
昨年から、ぼくらが町から委託を受けていた「拠点整備計画」からうまれた商店街(旧10号)再生のアクション。
いきなり商店街全体は難しいので、真ん中に位置する町所有の空き地を使って、子どもたちと一緒に、毎月、人を集める実証実験をすることに。
「みちくさ市」はGreenHopeの小学生たちが名付け親。
大人も子どもも、毎日、みちくさしたくなるような場に。
小中学生のそれぞれの活動のひとつのアウトプットの場として「みちくさ市」を活用していくことが、高齢者や親世代の集客につながり、結果的にこども参画まちづくりの実践になればいいなと思って、毎月継続。
来年からは常設化の企画を、ぼくらが提携する奈良女子大学根本研究室の大学生たちが主体となってデザインをはじめ、小中学生や高齢者と一緒に話し合いながら進めています。
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