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ラジオCMに思うライブ・イベントの未来

早朝、ラジオを聴いていて流れてきたCMに驚いた。20秒程度の短いCMだ。

矢井田瞳(以下ヤイコ)さんが、20周年の記念ライブを開催する告知CM。
驚いたのは、ヤイコさんが20周年を迎えたことでも、ライブを行うこと自体でもない。(ヤイコさんの曲は学生時代にめちゃめちゃ聴いて大好きなので、20周年に感慨のようなものはありました!)
それが「配信ライブ」であるということだ。

配信ライブをCMで見聴きしたのは初めてで、テレビでもラジオでもそこまで多くないだろう。情報番組の中で「ライブがオンライン配信で開催されます」と紹介されることはあっても、CMを打って配信ライブを告知されるのは、聴いている自分の方が初体験。

最初はBGMに『My Sweet Darlin'』が流れ、ヤイコさんの声で告知が入る。すぐに「ライブ告知なんだな」とは思ったが、途中で「オンライン開催」という言葉と最後に「是非観てね」の一言が入っていて、改めて脳内で反芻してハッとした。

これまでのライブ告知は、もちろん「オンライン開催」という言葉は出てこず、聴いている地域(自分であれば福岡や九州一円)の会場がアナウンスされる。
最後は季節に合ったような締めの一言や、アーティストの言葉が入る。ライブは当然のように「観る」ものではあるのだけど、「是非観てね」で締められるライブ告知は無いような気がする。
あぁ、今の状況だからこそのラジオCMなんだろうなと、驚きのあとで変化をしみじみと実感した。

こういう変化が起きるのは特にエンターテインメント関連なのかなと思っているが、CMもどんどん変化が出てくるのだろうか。
最近では米津玄師さんがゲーム「FORTNITE」内でバーチャル・イベントを行ったり、TWICEのオンラインライブの視聴者数が話題になっていたり。オンラインでのイベントは既にコロナ禍において数々開催されている。

世の中の状況がコロナ以前に戻るとして、実際の場から移行してオンラインで開催していたイベントは無くなるのだろうか。それとも両立して行うのだろうか。
実際の場に行くから体験できるものがあって、後に映像作品などは出るけれど、特に音楽ライブなどは会場にいくからこそ分かる、一種のシークレットな感じも良い。
でもオンラインイベントや配信ライブは、日程的・場所的な制約を越えて多くの人がその催しを楽しめる。主催側・出演側からしても、天候や時期・時間的な制約に捉われず提供でき、興行や収益も「ライブが無いから途絶える」ことは解消されるのかもしれない。

両立するのであれば、CMはどんどん変わっていくのだろう。
それは「オンラインでも同時開催。詳しくはHPをチェック」くらいの一言で済むことなのかもしれない。
でも確実に今までのTV・ラジオのCMには無かったもので、この一言が現代の・未来のライブの姿を表してくれる気がする。

「是非観てね」と言われる音楽ライブ。「オンラインで開催」の言葉が普通に出てくるイベント。
これからのCMがどうなるのか、見聴きするのが楽しみだ。

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