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男性が女性ファッションについてのマンガを読むと(『服を着るならこんなふうに for ladies'』)

きっかけ

よくあることなのか、それとも珍しいのか。
分かりませんが、服装で自分の目に留まったり、いいなと思ったりするのは、同性である男性ではなく、女性のほうだったりします。

異性として可愛らしい、綺麗。そういうこともあるとは思うのですが、男性のファッションはやっぱりシンプル。今の季節であれば半袖Tシャツにデニム、スニーカーで済ませてしまうこともできるし、冬に着込むといっても一人ひとりでバリエーションの幅が見えにくい。
だからこそ男性のオシャレな方はそれだけ人目を惹くし、際立つものがありますし、女性も勿論半袖Tシャツにデニムのシンプルなファッションの方がいます。
でも、女性はトップスひとつ、ボトムスひとつ取ってもアイテムの種類が豊富。靴もそうだし、ヘッドアクセサリーや化粧まで挙げていくと、バリエーションはまさに千差万別。
(というのがステレオイメージで、知識のない見方だったらすみません・・・・・・。)

街を行く人の様々な服装を見るのが楽しいのもあり、膨大なアイテムがあるからこそ似合っているなと思う人がいると目が行ってしまうのかもしれません。

『服着る』好きとして、元々こういったマンガが出ることは知っていました。ですが、なかなか店頭に並んでいるところに出くわせず1ヶ月。たまたま行った本屋に1冊だけあるのを見つけて購入しました。

『服を着るならこんなふうに for ladies'』です。

環をとりまく人たちとファッション

主人公は、本家『服着る』の主人公である佐藤祐介の妹、佐藤環です。環が、大学生活を送りながら、周りの友人たちに「ファッションを説明する」というのが『for ladies'』の大筋。
本家では出てきていない大学の友人、「宮子」「茉莉」の2人も登場し、環と3人でのストーリーが中心です。

3人の好きなシルエット、ブランド、ジャンルはバラバラ。環・宮子・茉莉がそれぞれに好きなジャンルやブランドを挙げ、基本的な説明や、具体的なアイテムが出てきます。

他にも、コンプレックスのある部分を補いつつファッションを楽しむ方法や、ファッションのサブスクリプションの紹介。祐介の同級生のリカがオケージョン(冠婚葬祭)のファッションを紹介したり、環の同級生の奈那がオフィスカジュアルの基本を紹介したりする話もあります。
『for ladies'』と言うだけあって、(最初に祐介は出てきますが)女性しか出てこない一冊です。

基礎がふんだんに載った一冊

女性版であるこのマンガは、女性のファッションについて、基礎基本の部分を知ることが主軸になっています。ですが(本家でも紹介していたと思いますが)、バランスの話や色味・素材の話は男性のファッションにも通じる話です。
紹介される具体的なアイテムはウィメンズの服なので、男性が着たりということは無さそう・・・・・・と思いつつ、改めて女性のファッションの見方が、全く悪い意味でなく変わりそうです。

マンガの裏表紙の折り返しに、本編にも出てくるこんな言葉が載っています。

いつか自分の目で
自分に一番
似合うものを
選べるように
なっていきたい

性別問わず、ファッションの目指すところの一つがこれなのかなと感じました。
好きな服を着る楽しみや、今まで身につけたことのないアイテムを買ってみるドキドキ感もある。その上で、「似合うものを知る」というのは、自分を外見でも内面でも高める力がある。
高めるための基礎が、『for ladies'』にはふんだんに載っているんじゃないかなと思います。

知識を得るため・・・・・・でなくても楽しめます。本家の『服着る』読者であれば、サイドストーリーのようなものが一冊を通じて読めるはずです。もしかしたら宮子や茉莉の2人は本家の方にも今後出てくるのかな・・・・・・?など、先の展開も楽しみになってきました。

「オシャレをしている人を見る」というのは、ファッションの本質ではないのかもしれません。でも、オシャレを楽しんでいるんだろうなという人は本当に見て分かるし、だからこそ見ているこちらも楽しい。
オシャレが街にあふれるって、街を活気づける大事な要素なのかなと、『for ladies'』を読んで改めて思いました。

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