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中国生活で感じたこと♯18(最近のニュース)

当たりまえの話ですが、私は中国に住んでいるため、日常的に中国メディアに触れています。今回は最近中国メディアを見ていて気になった記事について、簡単に触れてみたいと思います。

中国メディアをイメージいただきやすいよう、私が読んだ記事と似た内容の「チャイナネット」のリンクを貼っておきます。中国嫌いの人にとっては刺激が強いかも知れませんのでご注意ください笑。ただ、内容はともかくとして、日本語のページがあるというのがすごいですよね(日本語に限らずスペイン、アラビア、ヒンドゥー…主要言語を抑えています)。中国という国の広報力、宣伝力の高さを感じます。日本の場合、英語メディアも少ないですし、中国語で情報発信しているメディアは皆無に近いのではないでしょうか。

今回のコロナ騒動では、日本は日本なりのアプローチで結果を出しているのも関わらず、諸外国から評価されないどころか批判をされることも多く、もどかしさを感じることもありましたし、改めてPR(パブリックリレーション)活動の重要性を感じさせられましたよね。

私が住む上海では、5月11日にディズニーランドが営業再開しました。完全事前予約制にして入場者数を3割に制限するなど、徹底した防疫対策を打ちつつの再開です。

なお、上海のディズニーランドですが、サービスのクオリティとしては日本となんら変わりません(ただし、ホットドッグのソーセージは圧倒的に日本がおいしいと思う)。長らく東京ディズニーリゾートに行っておらず、最近の事情はわかりませんが、こちらではアプリ上で各アトラクションの混雑状況を確認できたり、リアルタイムでイベントに参加できたりと、中国らしいハイテク感はありますね。また日本同様に、絶叫マシンというか、コースター系に人気が集まる傾向は変わりませんが「プーさんのハニーハント」などディズニーの世界観を重視したアトラクションは日本以上に人気があるように思います。

最近は、感染者数や死者数を引き合いに、アメリカ政府の対応不備を指摘する記事や、中国への賠償責任を求める主張、特にアメリカの主張に反論する記事が増えているように感じます。これは対アメリカであると同時に国民向けのメッセージでもあると思います。

個人的に、国家間の係争は法律上のロジックだけで解決できるものではありませんし、損害賠償請求の議論はあまり現実的ではないように思います。万一、中国の情報開示のタイミングが遅れたと認定されたとしても、情報開示の遅延と損害の因果関係、そして万一、因果関係が認められた場合も、各政府、自治体、個人の不備による損益相殺もあるでしょう。外交上のカードになることはあっても、法律上の議論で解決することはないのではないでしょうか。

すこし面白いと感じたのは、これらメディアが中国内部の専門家ではなく、アメリカ、ヨーロッパの大学教授、研究機関職員など、所謂西側諸国の専門家の意見を引用している点です。自分たち中国人だけの主張ではない!と、客観性、説得力を持たせる意図だとは思いますが、なんとなく中国人の権威主義的なものを感じたりもします。

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ちなみに中国大陸からFacebook、Line、Google、YouTubeなどへのアクセスに制限があることをご存じの方も多いと思いますが、実はアクセス手段がないわけではありません。また、ヤフーニュースなどは制限なくアクセス可能ですし、実際に読んでいる中国人の同僚も多くいます。案外情報収集のルートは開かれていたりします。

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また、他国に先んじて回復した中国が世界経済の回復をリードするという趣旨のこのような記事も良く目にします。これは私も前から言い続けていますが、その通りだと思っています。私たちは経済を回し続けないと生活できません。そして経済を回すためには、お金を払う余裕がある人に払ってもらうしかないのが現実です。そうなると良いか悪いか、好きか嫌いに関わらず、現実的には早期回復した中国に頼らざるを得ないように思います。一般人にとっては政治やイデオロギーより目の前の生活を維持することの方が重要ですしね。

前回アメリカの大統領選が行われた2016年当時、私はアメリカに住んでおり、トランプが当選した瞬間の衝撃はいまだに鮮明に覚えています。国際政治、国際経済における歴史の転換点になるかも知れないと感じましたね。実際に、一つの大きな転換点だったと思いますが、今回は同じくらい、或いはさらに大きな転換点になるように思います。さまざまなバイアスが掛かりやすい状況ですが、幸か不幸かこのタイミングで中国にいますし、冷静に「生」の中国を見ていきたいと思います。

ではでは。

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