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目立たないけど、評価したいもの

かつて「人は見た目が9割」という新書がベストセラーになりました。誰しもが内心ではわかっていつつも、大きな声では言わなかったことを言いきったこの本の功績は大きいと思います。人の見た目の話ではありませんが、直近そんなことを思うことも多く、そんな話を書いていきます。

リスクマネジメントとは、リスクコントロールと呼ばれる、①想定されるリスクの回避(リスクを伴う行動自体をやめる等)、②回避・低減(事故、災害発生の確率を低下させる、発生時の損害を低減させる取組等)、③移転(保険の購入や契約書上責任を負わないようにする等)や、リスクファイナンスと呼ばれる、①保有(一定リスクがあることを容認し、その上で引当金を計上しておく等)、②転嫁(保険を購入し、いざという時に備える)の二つに大別されますが、いずれも何か起きるまえに「あらかじめ」行うものです。
例えば、車にシートベルトを設置することや、おもちゃに「くちにいれてはいけません」という警告表記を書くのはこれにあたります。

一方、クライシスマネジメントとは「危機管理」とも呼ばれますが、実際に有事を迎えたあとの対応のことを指します。例えば、記者会見や、コールセンターの設置、事後策の制定などがあります。リスクマネジメントとは密接な関係にあり、クライシスマネジメントもリスクマネジメントの一貫であるという見方もできます。

前置きが長くなりましたが、今回の騒動を見ていても「クライシスマネジメント」、とくに各リーダー層における会見等に、大きなフォーカスが当たっていると感じます。英ジョンソンさんの演説は力強いものでしたし、NYのクオモ知事のメッセージ発信力は素直にすごいと思いますし、これに比べると日本のリーダー層の発信力は弱いと感じてしまいます(見れていませんが、直近の会見は過去一との話ですね!)

ただ、その一方でこれまでの結果を見ていると少なくとも現時点では日本はとても優秀です(欧州、米国に比べて準備期間は短かったと思います)。少なくともこれまでは、リスクマネジメントがうまくいっていたことの証だと思います。例えば、マスクや手洗いの習慣は、長年にわたり、病院、行政、学校が注意喚起、励行を行ってきた結果であり、リスクマネジメントの賜物ですよね。ただ、これらの取組は地味ですし中々評価されません。シートベルトやエアバッグと同じです。どれだけ多くの人の命を救ってきたか分かりませんが、開発者の名前は知られていません。リーダー層の立派なスピーチに注目するだけでなく、こういった部分が評価される社会になってほしいと思います。

すでにリスクマネジメント、事前のリスク想定を超えた事態になっており、よりクライシスマネジメント力が問われる状況になりつつあるように感じますが、ここまで踏ん張ってくることができたのは、現場の奮闘、リスクマネジメントの賜物であることは忘れずにいたいと思います。

海外から仕事の合間にニュースを見ているくらいでもウツウツとした気持ちになります。出来れば、スマホに触れない、テレビを見ないのが一番ですね。ちなみ私は、週末に気分転換にゲームオブスローズを見返していました。

ただ、あの終わり方にはやはり納得できませんでした笑。ジョン・スノウのような決断しきれない男は、イギリス系の映画、ドラマでは良く出てくる印象がありますが、イギリスでは共感を集めやすいのですかね?笑

ではでは。

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