リモートワークのデメリット、難しい点

先日リモートワークについて、特にメリットを中心にまとめました。今回はデメリット、難しさについて書いていきたいと思います。通常のFace to Faceのスタイルに戻って改めて感じたこともありました。

1.成果主義になりやすいが、成果も出にくい。そしてプロセス評価が難しい。

リモートワーク中も進捗管理、定期的なフォローアップは行うものの、実際に仕事をしている姿は見えません。そうすると、通常以上に成果物、成果に基づく評価にならざるを得ません。一方、成果物は非常に重要な評価軸であることは間違いありませんが、特に今回のような状況ですと、これまでいくら適切なプロセスで進めていても、運悪く最後に頓挫してしまうという事態も頻繁に発生します。そのため成果に偏り過ぎず、プロセス面の評価も重要になりますが、仕事ぶり等がどうしても見えにくいリモートワークは、この点が不便です。

もちろん業界、職種によっては、完全に成果物のみで人事評価を行う組織もあると思いますが、そうではない多くの日本企業や、営業部門のように数字で成果物が出てきにくい部署では、日頃の仕事ぶり(印象?)も評価に反映させるのが一般的だと思います。リモートワークが普及する中で、こういった定量的な評価をしにくい職種の評価方法も変わっていくかも知れませんね。

この点、米国企業では日本では定量評価が難しいとされるような間接部門の評価方法も確立されていると感じます。米国勤務時代、間接部門に関わっていましたが、日本では評価をしないような項目についても、細かく評価するようなスキームになっていました。

当たりまえの話ではありますが、評価基準を明確にしていないと従業員の評価が出来ない、つまり給与、昇格(降格)の交渉ができないからです。上げるにも下げるにも、明確な基準がないと当事者が納得できないどころか訴訟になる可能性があります。

定性的な評価部分を残しがちな日本式に比べるとありとあらゆる項目を数値化するスタイルには窮屈さを感じる部分もありますが、本来、人事考課とはこうあるべきでは?とも思わされる部分でもありました。日系企業では、がっつりと給与交渉する人は少数派だと思います。

一方、中国は、私の知るかぎり日本に近い部分も多く、定性評価的な領域が残されていることが多いようです。異なるのは、日本より評価、給与交渉を行うことが定着している点と、特に若い従業員間で給与とか評価などを共有することが多い点です。そうなると「あの部門は昇格者が多い」とか「自分はあの人より評価されていない」という話は出てきます。

さらに問題を複雑にするのが「メンツ」です。特に上海人の場合、元々お金持ちなのもあると思いますが、給与以上に、役職等のメンツ(同年代と比較したときの職位)を大事にしていると感じることが多いです。

中国とアメリカの人事考課の話に脱線してしまいましたが、リモートワークの普及とともに、これまで定性的に評価されていた仕事も、定量的な基準を設けて評価されるようになるかも知れません。また、働き手としても、進捗状況や成果の報告等、より見せ方が重視されるようになるかも知れません。

2.マイクロマネジメントになりやすい

人事考課のスタイルが変わるかもしれないと書きましたが、一方、管理者としては成果をあげてもらうために苦心しました。

マイクロマネジメントという言葉は、最近日本でも定着してきましたが、一から十まで徹底的に管理するマネジメント方法を指します。部下にプレッシャーを与えるという文脈で、ネガティブなニュアンスで使われます。リモートワーク中はこれに陥りやすいと感じました。

部下のことを信頼をしていても、家にはどうしても誘惑が多いですし、職場よりリラックスしてしまう気持ちは私もよく分かります。仕事ぶりを直接確認することもできないとなると、どうしても、細かい指示出しを行ったり、報告を求めたりしがちです。

私自身の経験からも、上司から何でもかんでも報告を求められると「上司は自分のことを信頼していない?」と感じてしまう心理がよく分かります。一方、マネージャーとしては部下たちに、確実に成果をあげてもらうためにはしっかり管理しなければなりません。結局は日ごろの信頼関係、コミュニケーションが重要で、その上で簡潔な指示出しをしていくことが重要と感じました。


リモートワーク中に感じた雑感をまとめてみました。実際に、隔離を終えてきた面々と顔を合わせると、お互い戦友のような気持ちになりました。リモートワークを通じて、あらためて顔を合わせてコミュニケーションをとることの重要さを感じた瞬間でしたね。

暗いニュースばかりですが、できる範囲で、できることをしていきましょう。

ではでは。



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