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顧客の価値を生み出さない仕事をいかに減らすか

”部下がどんな業務にどれくらいの時間を使っているか” を把握しているか

これはとても大事な概念であるにも関わらず、なかなか実践している、しようとしているマネジャーに出会うことが出来ない。

■現状を知れば何が見えてくるか

例えばハードウェアの設計者がいたとして、その人が一日の時間の20%を伝票処理などの庶務、雑務、社内の報告資料作成、社内の報告会議(これらを社内指向の仕事と呼ぶ)に時間を費やしていたとする。

この20%という数字を見て、あなたは多いと思うだろうか。短いと思うだろうか?

私はチーム内でメンバーの仕事の分配を記録し集計する仕組みを作って運用しているが、私のチームにおける社内指向の仕事の比率は15~20%だった。

私はこういった仕事を可能な限り圧縮して15%以下に抑えることを目標としている。

そもそも社内指向の仕事は、それ自体が全く顧客に対する価値を生み出していない仕事なので、可能な限り効率的に短時間で処理するべきであると考えている。

※こうした社内指向の仕事の割合が多いことは、メンバーに”価値を生み出せいない、無駄なことばかりしている”といったストレスを与えることになりかねない。チームのメンタルヘルスを良好にするためにも社内指向の仕事は減らしたほうがいいと考えられる。

■数字で考え可視化する

一人当たりの一か月の勤務時間を160時間と仮定する。

社内指向の仕事が全体の20%だとすると、合計32時間/月も顧客に対する価値を生み出していない時間があることになる。

これはほぼ4日分の労働時間に相当する。

これを半分の10%にできれば、16時間も価値を生み出す時間が増えることになるのだ。

残業時間を16時間減らす側にチューニングすることだって可能だ。

こういった感覚は適正な人材管理、マネジメントには必要なものだと思う。

■20%の社内指向の仕事の内訳は私のチームではこのようなことになっていた

・伝票処理:特に稟議書の作成、それに伴う説明資料作成。月に1-2時間。
※うちの会社は10万円以上の発注で部内稟議になっている。以前よりも稟議の金額が下がったため、ちょっとした治工具の作成でも頻繁に稟議を書くことになってしまっている。
・出張精算:特に海外出張の精算は頻度も少ないため、スムースに出来ないことが多かった。月に2-5時間。
・社内会議資料作成:毎月の部長報告の資料作成+報告会にはメンバーの全員が4-6時間を使っていた。
・係内進捗報告会議:週に2時間程度。毎月10時間。
・メールチェック、日報作成:毎日30分は費やしている。20日で10時間だ。

円グラフにするとこうなる↓

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・毎月16時間は社内向けの報告に時間を費やしている。
・メールチェックの時間はバカにならない

こうしたことが見えてくる。

現状把握をすることで、

・どこが減らせて、どこが減らせないのか
・費やした時間に対して妥当なリターンを得ることができているか

といった評価が可能になる。

あるべき姿に対するギャップが明確になれば、おのずと対策手段が明確になってくる。

また、メンバーごとの作業時間の差をみれば、

・この人は資料を作るのに時間を使いすぎている(コツを教えた方がいい)
・この人は伝票処理が速い(何かコツを持っているので、他の人に広めてほしい)

といったことも見えてくる。

各メンバーの強み、弱みが理解できれば、強みを生かして弱みを打ち消すことが可能になってくる。

これは組織を強くする術に通じている。

■まとめ

・社内指向の仕事(顧客に価値を生み出さない仕事)は極力減らそう
・自分たちの働きの現状を正しく把握することで、改善すべきポイントの見えてくる。

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