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病院広報記:広報を任されたらまずは「カメラの人」を目指せ!

私は医療のことなどほとんど知らずに病院へ転職したので、最初は本当に右も左もわからない状態からのスタートでした。

そこでまずは広報の存在を売り込みつつ病院がどのようなものかを知るために、院内のグループウェア掲示板で研修会などの開催を調べて担当者に写真を撮りに行って良いかと尋ね回りました。

定期的にある研修会に何度か顔を出してSNSなどで外部に紹介していると、担当者から「今度イベントをやるので良かったら宣伝してくれないか」というような話をいただくようになりました。

たまたま当院には一眼レフカメラがありましたが、もともと私は一眼レフカメラなど触ったことも無かったし、写真が趣味という訳でも全くありませんでした。しかしネットでカメラの撮り方を調べて、全くのド素人に少し毛が生えたレベルの写真を撮れるようになると、案外他の職員は喜んでくれたりしたのです。

そうこうしているうちに私は「カメラの人」と呼ばれるようになり、これまで接点がなかったところからも声をかけていただけるようになりました。「よくわからんけど頼めば写真撮って宣伝してくれる人がいるらしいぞ」という話が院内に広まり始めた訳です。そうなればこっちのものです。

私はもともとAdobe Illustratorでポスターやチラシなどを作れたので、今度は産科病棟にポスターやチラシを作り直しませんかと話を持ちかけました。
それまでは病棟看護師が業務の合間にWordやPowerPointで作ったお手製のものしか無かったのです。

病院に買ってもらったIllustratorでそれなりの見栄えのものを作ると病棟師長も非常に喜んでくれて、いくつかあったポスターを全部作り直すことになりました。
また、師長が看護部長にその話をしてくれたおかげで他の病棟で作り直そうと計画していた冊子も手がけることとなり、それ以後は看護部からも色々と話が来るようになりました。

こういう経緯で私は当院において広報の存在感を高めていきました。

その結果、ほぼ1人でやっていた広報業務が手一杯になり、制作はできないものの部下を1人つけていただけることになりました。これで雑用的なことは部下に任せることができるようになりました。
また、制作を1人でする限界と、本当のプロに外注した方がより効果的であるということを上司が認めてくれるようになり、ある程度の外注予算を確保することができました。

今でも少しは気分転換的に制作業務を行っていますが、基本的には外注することでもっと大局的な広報業務に時間を割けるようになりました。

「カメラの人」の時代に院内で築いた人脈は、広報業務においてとても役立っています。広報は院内の情報収集が非常に重要となってくるので、様々な診療科・部門、病棟から情報が集まってくるのは大きな強みです。

何事も一番最初が一番しんどいと思います。そこさえ何とか踏ん張って固めてしまえば、あとは必要なものが向こうから集まってきてくれるようになるのです。

病院広報を任されて何をすれば良いか悩んでいる方は、まずは「カメラの人」を目指してみてはいかがでしょうか。

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