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コワーキングの明るい未来について

わが国の戦後、特に高度経済成長期においては、年功序列と終身雇用という、いわゆる日本型の雇用システムが確立され、老後生活の安心が保証されていた。しかしながら、時代の急速な変化の中で、優れていたはずの雇用システムが崩れてきた。いや、ひょっとすると誰かの何かによって崩されてきたのかもしれないが、その誰かの何かを探し求めるよりも、この時代の急速な変化に順応してゆく方法を探し求めることがより重要であることは、もはや言うまでもなく、すでに時代の急速な変化そのものが明確に示している。

わが国においては、物心がついて気が付いたときには皆と一緒に学校に通い、朝から夕方まで机に向かい、黒板に向かって先生の言うことを聞かされ続けて、それがまるで疑いのない真実であることのように、授業とテストの繰り返しによって脳に刷り込まれる。そして、大部分の人は言われたことを言われたとおりにこなす思考と能力を知らず知らずのうちに身につけさせられて、不満を言わない従順な労働者として育成されて、いずれ就職活動という競争の中で大都市に向かわされる。その後、それまでに学んだことを大企業の一員として出力させられる日々が何の容赦もなくエンドレスに続いてゆく。

 そして、あるとき立ち止まり、これからの人生や老後生活に想いを巡らせて、より自由に、より豊かに、より快適に暮らせて、働ける環境を求めようとする。その拠り所の一つとなるのが、コワーキングスペースであろう。私は約10年前から、その可能性を信じて探求してきた。その後の時代の流れとともに全国各地にコワーキングスペースができたが、実際のところ、まだ利用者の方に、「自由に働く」という本当の意味での意識の変革が追い付いていない。まさに「自由に働く」とは、自分にとって最適なタイミングで、自分との相性がよい相手と一緒に楽しみながら、あるいは、自分一人で静かに集中して働くことで、そのことによって生産性を格段に向上させることが可能になることが明らかになってきた。 

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