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「モヤモヤ」にも「ワクワク」にもとことんつきあいます。

日々、お客さまに接しているとさまざまな悩みごとをお聴きします。
このとき大切にしていることが2つあります。

1つは、解決をするのはお客さま自身であるということです。
誰かが何かを悩んでいるとき、私たちはそれを解決してあげたいと思います。これは、コンサルタントに限った話ではありません。

そこで、あれこれ解決策を提案するわけです。
これ自体は良いことです。ただ、ときにそれを受け入れてもらえないことがあります。そこで、さらに解決策を提示したり、その解決策がなぜ必要なのかを説くケースもあるでしょう。それでも受け入れてもらえないことがあります。

こういうとき必要なのは、相手を知ろうとすることです。
私たちは「相手が提案を受け入れないのは、こちらの言っていることを理解していない」という前提に立ちがちです。それが真ならば良いですが、そうとは限りません。

その前提に無自覚になっていないでしょうか。
ここが大切なところです。気づかないままだとどうなるのか。

(そんなことは百も承知だ)と相手は心の中で思っています。
(だから悩んでいるんじゃないか)と。

もしかしたらさらに続けてしまうかもしれない。
「悩んでいる場合じゃありませんよ、どんどん状況は悪くなりますよ」
(はい、そうでしょう。それも「百も承知」です。)

「決め切れないなんて、経営者の仕事ができていませんよ」
(だから悩んでいるんだってば)

この心の声は、相手自身にも聞こえてないことがあります。
自分自身を省みるとどうですか?
この声は、必ずしも言語化されていないのです。だから最悪の場合、「お前に何が分かる」となり、決裂することがあるのです。

大切にしていることのもう1つは、悩みと向きあう機会を奪ってはならない、ということです。

ただし、ここでいう「悩み」は葛藤であって、後悔や自己憐憫ではありません。

「あの時、ああしていれば…」
「自分はなんてダメなんだ」
「ついてないな…」

こうしたクヨクヨ系の悩みは健全ではありません。この場合は、悩んでいないで前に進もう、と促すべきでしょう。「それがリーダーの仕事でしょう」と伝えるべきときです。

奪ってはならないのは、葛藤、「モヤモヤ」です。
悩むべきことが明確で、検討すべき論点はさまざまある。解決の方向性としてもどっちつかず。「だから悩んでいる」状況です。

もちろん、リスクを洗い出して成功確率の高い方に進むということも必要です。問題の全体像を把握して、インパクトの高い解決策を見出すことも求められます。

ただ、どれもフィフティ・フィフティだとしたらどうでしょうか。そして、たしかに時間も限られます。リソースだって限られるでしょう。

いずれは前に進まないとならない。そこに痛みも伴うかもしれない。
そうであるならば、その人や組織の価値観によって判断するべきです。

この時大切なのは、「そもそも」に立ち返ることです。つまり、目的や理念、自分たちのビジョンに立ち返るのです。あるいは、それを描くチャンスが来たと捉えることが大切です。

すると、自分たちの存在意義や独自の使命が見えてくることもあります。その機会を奪ってはならないと思うのです。

その過程を通じて得られた解決の方向性は、きっと「ワクワク」するものになるでしょう。というより、最後は「ワクワク」するかどうかを基準とするべきです。

なぜなら、いずにれせよ、難しい状況であるのは変わらないわけです。だから葛藤しているわけです。でも、その葛藤を乗り越えることで得られる組織能力もあります。その機会もまた奪ってはならないのです。

私自身も、機会を奪わないように待ってあげられるかどうか。ここに葛藤があります。でも「モヤモヤ」にも「ワクワク」にもとことんつきあうのが私の独自の使命だろうし、強みなんだろうなと思っています。

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