日本代表の選考基準

ヨーロッパのオフ期間に日本代表として多くの試合が組まれた。W杯予選が3試合、親善試合が2試合、U-24が2試合とサッカーファンにはたまらない日程だ。
さらにはいろいろな制約があるため3つの構成ができた。中でもOAが発表されたU-24代表は世間の注目が集まりたくさんの記事がかかれている(内容がかなり薄いものが多いが)。森保監督も会見でほとんどU-24のことしか話していない。
しかしA代表は日本のトップチームであり、注目を常にされていなくてはいけない。そのなかで不可解なメンバー選考に誰も注目してないように思われるので各ポジション考えていきたい。

GK
◇シュミット
◇中村
◇川島
◆権田
※◇は海外組、◆国内組、●はOA、○はU-24
まずはGKについてだが、途中で離脱する選手はなく国内からは権田が追加で合流するのみ。
今までの選考からすれば大きなサプライズはなく順当な選考となった。
強いて言えば実力がすでにわかっており年齢が高く経験のある川島、ポルティモネンセで出場機会が得られず苦戦している中村のどちらかを外して、下部組織とはいえ若くから海外の高いレベルで戦っている小久保玲央ブライアンを選んでみるのも面白かったかもしれない。
ただGKに関しては実力通りと言ったところだろう。

CB
●吉田
○冨安
○板倉
◇植田
◆谷口
◆中谷
◆昌子
CBに関しては最も入れ替わりの激しいポジションとなった。吉田、冨安、板倉、植田の海外組はこのセット以外に海外組の選択肢がない、CBで海外へ挑戦できる選手が増えてほしいと思ってしまう選出だ。
一方、U-24へ3人が向かうため植田以外の選手が抜けた後に入る国内組は前回から引き続き選ばれた中谷と久しぶりの谷口と昌子となった。恐らく脳振とうの疑いで選出外となったマリノスの畠中、待望論があった神戸の菊池が選ばれなかったのは少々残念だが、パフォーマンス的には順当といったところだろう。

RSB
●酒井
○橋岡
○菅原
◇室屋
◆山根
現在激戦区のポジションになりつつあるRSBは、今まで中心だった酒井と室屋にU-24の橋岡と菅原さらに前回の代表戦で結果を残した山根と戦術によってメンバーを入れ替えられそうなほど実力も個性もある選手を集められ、どの選手が起用されるか楽しみなポジションだ。

LSB
◇長友
○中山
◆佐々木
◆小川
LSBはなかなか評価が難しい選出だろう。海外組は長友と中山(U-24で離脱)で、中山に関してはマルチロールでLSBは本職とはいえなく、本職は年齢的にベテランの域の長友1人だ。だからといって海外組にいないわけではない。松原はシントトロイデンで苦戦中だが、ポルティモネンセでしっかりとレギュラーの座を得ている安西やスイス移籍半年で信頼を勝ち得てる鈴木(冬)が選ばれなかったことが不思議で仕方ない。
また、国内組も森保監督のサッカーを熟知という理由で呼ばれ続けている佐々木は能力的には代表クラスとは言い難く、小川はクラブでのパフォーマンスがいまいち。それであれば国内組でも浦和の明本や鹿島の永戸といったクラブで好調な選手が見たかった。
とにかくこのポジションの選出は不可解な点が多い。

CMF
●遠藤(航)
◇守田
◇橋本
◆川辺
ここのポジションも不明点がある、それは枚数だ。海外組のみの時は板倉や中山がこのポジションをこなせるが、2人はU-24で離脱する。さらにOAで遠藤航も抜けると4試合を3人で回すことになる。
もちろんブンデスリーガでトッププレイヤーに成長した遠藤航、ロシアで得点力が上がっている橋本、移籍早々ポルトガルで中心選手になった守田と実力は十分なメンバーが集まり、さらにリーグが終わらないことで招集できないが復調の兆しが見える柴崎やU-24の田中碧とレベルが上がっている。
だからこそ、国内から川辺だけでなく鳥栖の躍進を支える松岡や鹿島の三竿などの実力者を選ぶべきポジションではないだろうか。

OMF
◇鎌田
◇南野
◇原口
◇伊東
○久保
○堂安
○遠藤(渓)
○三好
◆古橋
◆坂元
激戦区の2列目は予想通りかついつも通りのメンバーが選ばれた。実力的に文句なしの人選だが、一方で堂安とともにビーレフェルトの攻撃を支える奥川やポルトガルで少しずつ結果を残しはじめている藤本あたりが選ばれたら面白かったかもしれない。

CF
◇大迫
◇浅野
CFは相変わらず成長が見られない人選である。テストマッチ的要素の強い今回の代表合宿で大迫不在時の戦い方に疑問符がつくこのチームでCFを2枚しか選ばないのは全く理解ができない。
この機会に森保監督と絶賛対立中だがベルギーで大きな結果を残した鈴木優磨を呼ぶ選択肢はあっただろう。国内でも鳥栖の山下や徳島の宮代などチャンスをもらうにしかるべきな結果を残している選手はいないわけではない。それでもCFは2人...

総括
全体を見たときにいくつかのポジションで不可解な選出が目立つ。個人頼りな攻撃をしてきたが、メンバーに変化が殆どないところからデザインされた攻撃への改善は見られないだろう。
さらにW杯予選は格下チームの3チームを相手に1勝で勝ち抜けが決まる。油断しているわけではないがベストメンバーで臨む理由がなかなか見当たらない。だからこそいろんな選手を最終予選前に試す大きなチャンスになるはずだったが、残念ながらそうはならなさそうだ。
最終予選やワールドカップに向けて、なかなか考えがあるとは思えない状況なのであれば、選手を選ぶ人を選び直す必要があるかも知れない。

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