編集者には「企画書の読み方」がある? 採用されやすくなる7つのポイント
編集者にもよると思いますが、書籍の企画書には独自の「読み方」みたいなものがあります。まずはザっと目を通すことが多いのですが、そのときに引っかかる企画書と、そうではない企画書がありす。
そこで今回は「編集者にはこういう企画書が採用されやすい」というポイントを7つに絞って纏めました。
①本の特徴が分かりやすい
明快さは大事です。パッと見て「何の本か」「誰が読む本か」「どんな効果があるのか」がわからない企画書では判断しにくく、よほど面倒見のいい編集者でもない限り採用は難しいでしょう。
②手離れがいい
特に人気の編集者は企画書が殺到するので、企画書に“手離れのよさ”を求めます。たとえば類書がなかったり、相応しくない類書があげられた企画書では、編集者自ら類書を調べなくてはならず敬遠されがちです。
③書店のどこの棚に置かれるか想像できる
割と「自分の企画が出版されたら、書店のこの書棚に置かれるだろう」という予測を立てていない方が結構おられます。逆に言うと予測できている方はいい意味でかなり目立ちます。
④タイトルやキャッチコピーが目を引く
タイトル(サブを含む)を見ても内容が分からないとか、キャッチコピーが平凡すぎる企画書では印象に残りません。両方とも狙うと外したとき痛いので、どちらかを尖らせてみてはいかがでしょうか。
⑤生成AIを使わない
特に目次で多いのですが、生成AIに目次を作ってもらうのはお勧めしません。具体例が乏しかったり抽象的だったりするので分かります。AIの提案はせいぜい参考程度、草稿までとしておきましょう。
⑥差別化ポイントが明確・具体的
ウリは明確&具体的であればあれほどいいです。たとえば「営業1年生の入門書です」と「同期で最下位だった営業1年生を半年でトップに引き上げた営業術です」だったら、ほぼ確実に後者のほうが採用されます。
⑦再現性が高そう
オリジナル要素が強すぎたり、著者のキャラクターに頼ったやり方など「それはあなただからできたんだ」というハウツーでは再現性が低いです。本を読んだ読者の大多数が実践できるやり方をご紹介ください。
以上です。
①は客観性、②は準備、③は想像力がより問われます。特に③はできれば特定の書店に通って、将来ご自分の本がどのように置かれるのかをシミュレーションしてみてください。
④と⑤はオリジナリティの問題です。④は遠慮や経験不足から来るだけということが多いのでやがて改善されるでしょうが、⑤はサボり癖から来ると思うので早めに悪癖を改善しておきましょう。
⑥はある意味この中で最も対策が簡単、編集者との打ち合わせに持ち込むことができれば、おそらくあちらが勝手に決めてくれます。自分のウリを見つけるのは意外と難しく、そのための編集者とも言えるのです。
逆に⑦は最も対策が困難です。再現性が低いハウツーを持っていても読者が参考にすることは難しいので、多くの場合で採用を見送られるでしょう。少しでも再現性を高められないか、日々の研鑽をお願いいたします。
多くの場合、1回の企画提出で出版までこぎつけられる方は少ないと思います。⑦以外の問題であれば解決可能(それも割と簡単に)なので、ぜひご参考にしてみてください。