丑久保和哉:書籍編集者

ビジネス書、歴史、人文等の担当(noteの運用はあくまで個人の発信)です。今まで200冊以上の本を編集し、新人著者の発掘にも尽力中。読書、サッカー、映画、写真、旅行が主な趣味でSMAPとXJAPANが好き、夢は柴犬と暮らす事!https://x.com/kazuya_united

丑久保和哉:書籍編集者

ビジネス書、歴史、人文等の担当(noteの運用はあくまで個人の発信)です。今まで200冊以上の本を編集し、新人著者の発掘にも尽力中。読書、サッカー、映画、写真、旅行が主な趣味でSMAPとXJAPANが好き、夢は柴犬と暮らす事!https://x.com/kazuya_united

最近の記事

構成案や原稿を書こうとしているのに、なぜか筆が進まない…という方々の意外な共通点とは?

企画書が一発で通ることはそうないので、その後に「構成案をブラッシュアップしましょう」というケースが多々あります。 しかし、なぜか思うように書けないことがあるでしょう。 また、いざ原稿を書こうとなったとき、自分が思っていたように筆が進まないこともあります。「書こう」あるいは「書きたい」という意思があるのに、思うように書けないとなるケースは割とあることと言えます。 そういう方々には、ある程度共通の特徴を見いだせるので、今回はその7タイプをご紹介します。 ①天才タイプ ビジ

    • せっかく原稿を書いたのに…「書き直して」と言われないための7ポイント

      企画が通って出版が決まったはいいものの「なかなか原稿が進まない」という方も結構おられます。 これが「全く書き進められない」ならともかく、書いて送っているのに、編集者からNGを食らって書き直しをお願いされると凹みますよね。 「せっかくここまで書いたのに」って…。 今回はそうならないように、あらかじめ「編集者はこういうところを見ていることが多いです」的なポイントを7つお伝えしておきます。 ①簡単なことを難しく、難しいことをさらに難しくする 本の性格や読者層にもよりますが、

      • 「出版コンペって何に気を付ければいいの?」を編集者に訊いてみた

        出版コンペの話を書いていたら「コンペで気を付けたほうがいいことってありますか?」というご質問を頂きました。 そういうのは主催者の方がお伝えしていると思いますが、きっと編集者からの注意点をお聞きしたいのでしょう。そこで今回は、発表の仕方や内容などではなく、あくまで僕の経験から気になった点をお伝えします。 ①話の巧拙やウケは二の次 コンペ会場では「話が巧い発表者がウケる」ということが多いですが、編集者が話の巧拙で判断することはあまりないでしょう。 むしろ、ウケを狙いすぎない

        • せっかく企画書はOKなのに…なぜか企画が進まない方、7つの特徴とは?

          出版ご希望の方から頂いた企画書を拝読し、可能性を感じてお声がけした著者さんの中でも、そのまま出版したことはほぼありませんでした。 練り直しをお願いするなど何度かやり取り致します。 その後めでたく出版できることもありますが、企画が立ち消えになってしまうケースもあります。なかには会議を通過したのに白紙に戻したことも…。 今回は「企画が進まない方」の特徴を纏めてみました。 ①保護者が必要な方 →未成年でも学生でもないのに、なんでもかんでも「〇〇さんに相談します」「〇〇さんも同

          こういう編集者には要注意? 困ったときの7つの視点

          編集者との付き合い方で困っている方も少なくないと聞きます。 たとえば「割と長く付き合っているのに、いつになったら出版できるの?」と思っている方は多いようですね。 そこで今回は編集者との付き合い方・見極め方に的を絞って、 「こういう編集者に注意」的なテーマにしようと思います。 なお当然、個人差はありますし、相性の問題もあります。 あくまで自分の経験からなので、ご参考になれば幸いです。 ①なかなか出版の話が進まない よくある「いつになったら出版できるの?」です。個人差はあ

          こういう編集者には要注意? 困ったときの7つの視点

          不当なAmazonレビューを防ぎたい…予防策となる7つのポイント

          Amazonで低評価レビューが書かれたら凹みますよね… しかもそれが的外れのレビューだったら反論したくもなるでしょう。 また、Amazonがレビューを消してくれることは滅多にありません。 つまり、あらかじめ「書かれないように注意すること」が大事です。 それでも書かれることがあるかもしれませんが…その場合でも「これは本ではなく、レビューした人に問題があるのでは?」と思ってもらえるような、ちょっとしたコツをご紹介します。 ①誰向けの本かを明確にする →たとえば「基本的なこ

          不当なAmazonレビューを防ぎたい…予防策となる7つのポイント

          「審査が通る企画書は10分の1?」編集者が惹かれる企画書の共通項

          皆さまから企画書を送って頂き、拝読する日々を過ごしておりますが、 数年前と比べて企画書のレベルが上がっているように感じます。 最近では、10個の企画書に目を通したら1つは印象に残りますので、今回はそういった企画を書かれる方々の共通項をご紹介します。 ①読書量がすごい とにかくよく本を読んでおられます。その逆は、売れている本や検索で引っかかったような本を、類書として並べただけの企画書です。試しに感想をお聞きすると「よく覚えてなくて…」という方もおられますが、なぜ覚えていな

          「審査が通る企画書は10分の1?」編集者が惹かれる企画書の共通項

          編集者と会うときに気をつけたい7つのポイント

          出版希望の方々と数え切れないほどお会いしてきましたが、 「もっと話を聞きたい」「本を出してみたい」と感じる方は、 魅力がそれぞれ違うので纏めるのは難しいです。 ですが、その逆はだいたい共通しているように思います。 まずは思いついた7点を忘備録として残します。 ①オンラインよりリアル 遠距離など仕方ないケースはありますが、特に「これが初めての本です」という方はリアルに拘ったほうがいいでしょう。確率的にリアルで会った方のほうが、その後の出版に至ったケースが多いです。 ②企

          編集者と会うときに気をつけたい7つのポイント

          類書との差別化、最初の一歩は「この視点」から考えてみては?

          類書との差別化に困っている著者候補が多いと思います。 「自分は何の変哲もない〇〇だから」と。 僕はそういうとき幾つか質問しています。 最も分かりやすいのはこちらでしょうか。 「何かハンディや逆境はありませんでしたか?」 たとえば、原宿の美容師さんが男子高出身で、 じつは女性と話すことが苦手だったとしましょう。 ただ、今は普通に話せていてお客様もついています。 ↑どう克服したのか気になりませんか?? 今も昔も女性と話すのが苦手な男性は多いものです。 あるいは特に苦

          類書との差別化、最初の一歩は「この視点」から考えてみては?

          「本は出したいけど企画が立てられない」という方への7つのアドバイス

          たまに「本を出したい!」という方の中から、 企画を立てられないという声が聞かれます。 ここでは「企画を立てられない」という方に、 自分なりに助言していることを纏めてみます。 ①本業で勝負したほうがいい →例外はありますが、本業で勝負したほうが有利です。たとえば「凄腕の営業マンが書いたお金の貯め方」という本では読者が見えなくなります。本業以外のテーマが書けるケースはそれほど多くありません。 ②書きたいものより書けるもの →①についてはつまり「自分が書けるもの」を書いた

          「本は出したいけど企画が立てられない」という方への7つのアドバイス

          2冊目を出したい著者さんがチェックしておきたいポイント

          先日notoに「1冊目が大事です」と書きましたが、 1冊書けばもう満足という方もそういないでしょう。 言うまでもなく2冊目以降だって大事です。 しかし現実的には、2冊目を出せる方はさらに限られます。 なぜ2冊目は難しいのか、どうして出せないのか、 自分なりに纏めたのでこちらに忘備録として残します。 ①1冊目が売れなかった →これは予想通りでしょう。しかし、営業力が弱い版元でデビューしたらそれだけ不利と言えるので、業界内には分かってくれる人もいます。逆に「あの版元で売れな

          2冊目を出したい著者さんがチェックしておきたいポイント

          「編集者あっての出版社でしょう?」と言われますが実際は…

          出版社の一番の強みは何か? 本が売れるか否かは「営業」で決まります。 「いや編集者あっての出版社でしょう?」 そう思われている方もいるかもしれません。 「出版社の本質は流通会社。コンテンツ制作をする会社に見えるかもしれないけれど、一番の強みは書店流通を司っているということ。クリエイティブはおまけ」 これは、元ダイヤモンド社の敏腕編集者・竹村俊介さんが、元講談社で同じく伝説的な編集者だった佐渡島庸平さんの言葉としてご紹介していたもの。 営業ではなく、編集が言っている辺

          「編集者あっての出版社でしょう?」と言われますが実際は…

          「出版パーティーをやらないといけませんか?」と訊かれますが…

          出版が決まった方から、このように訊かれることがあります。 僕の答えは「やりたくないならやらなくていいですよ」です。 というか、こう訊く時点で、あまりやりたくないのでしょう笑 なぜか「出版パーティーをやらなくてはならない」と思っている方が多いのですが、乗り気でないならやらなくても大丈夫です。 (もちろん、やりたい方は絶対やったほうがいいと思います) 「どうしようか迷っている」という方に対しては、僕がこれまで見聞きしてきた事例をお伝えするのでご参考になさってください。 事例

          「出版パーティーをやらないといけませんか?」と訊かれますが…

          「編集者って意外に〇〇なんですね」理想と現実のギャップとは?

          今の会社では編集者の新人採用をおこなっていませんが、以前の会社では数年に一度新入社員の採用試験をおこなっていました。 その際、僕も採用に関わらせて頂きましたし、また他社の新人さんともお話ししたことは多々あるのですが、大抵の方が理想と現実のギャップを感じていたようです。 「憧れの職業だったのに意外と〇〇だった」的な思い違いはどの職業にもあると思いますが、今回は編集者について僕が触れてきたものをご紹介します。 ①モテない →若い頃、編集者と名乗ると「モテるでしょ?」と言わ

          「編集者って意外に〇〇なんですね」理想と現実のギャップとは?

          「どこがダメ?」「すみません」企画書、関東と関西で違いがある?

          先日ある著者とお話をしていたときに「企画書の傾向に地域差はあるか?」という話になりました。「東京はお金の企画が出やすい」「大阪は話し方の企画が人気」などといった傾向があるのかないのか…。 もしかしたら「ある」のかもしれませんが、僕が企画書を見た限りの中では「ない」です。 と、それでは話が終わってしまうので、改めて地域差について考えました。 そこで一つ発見、あくまで肌感覚に近い傾向ですが、東西の違いを微かに感じる箇所があります。 なお、以下あくまで愚見なのでご容赦ください。

          「どこがダメ?」「すみません」企画書、関東と関西で違いがある?

          「土日に連絡しないほうがいい?」「原稿書く以外にやることある?」「作家と名乗って大丈夫?」にお答えします

          先日「書店訪問をしたほうがいいですか?」の質問について、 色々と自分なりに纏めたものにご反響を頂きました。 まずは拙文をお読み下さり、誠にありがとうございます。 最も訊かれるのはこの書店訪問についてですが、 次によく訊かれる質問はこちらでしょう。 「土日に連絡しないほうがいいですか?」 その著者さんとの関係性もありますし、 「編集者による」としか言えませんが、 全体的に言えば避けたほうが無難です。 おそらく、多くの編集者は「大丈夫です」と言いますが、 それは言葉通り「

          「土日に連絡しないほうがいい?」「原稿書く以外にやることある?」「作家と名乗って大丈夫?」にお答えします