さよならベルリン
ヨーロッパの夏は素敵だ。
日も長い(今頃は夜8時過ぎだけど、夏至の頃には夜10時過ぎまで明るい)ので、仕事が終わってからでもたっぷり遊べる。
運動したり、散歩したり、カフェやビアバーでおしゃべりしたり。
僕がドイツに住んでいた頃、もう金曜日の午後にはオフィスには誰もいなかった。プレミアムフライデーどころの話ではない。
ドイツの人たちは、本当によくしゃべる。
だからカフェがいたるところにあり、どこも結構いっぱいで、コーヒー、ビール、ワインを飲みながら、あるいは軽い食事をしながら延々とおしゃべりする。
こういうのってやっぱりカルチャーなんだよなって思う。プレミアムフライデーは結局日本には根づかなかった。
だって、そういうのって制度の問題ではなくカルチャーの問題。
カルチャーってそんなに簡単には変わらないし。
とは言え、このようにゆっくり流れる時間を楽しむ文化もこれから日本には必要だと思う。
来年オリンピックも終わったら日本なだらかな坂道を下り始める。超高齢社会と経済的な成長が無い世界。
それでも僕は、全く生活には、あるいは生活のクオリティーには問題なく、あるいは向上するものだと思っている。もちろん心の持ちようなんだけど。
Daigoさんが、
お金は不幸の要素を減らすことはできるから大事だけど、幸せのための手段にはなり得ない、
と言っていた。
本当にその通りだと思う。
例えば、使いきれないほどのおかねもちで、毎日銀座久兵衛のお寿司を食べられたとして、それは本当に美味しいものなのだろうか?
もちろん違う。
辻仁成さんのコラムで、息子さんの外泊を認めてあげられない話があった。
でもその中での息子さんの言葉が、実に素晴らしくて泣けた。
「なんか、よくわかった。ダメなこともあって、大事なことがもっと大事になるね」
そういうことなんだと思う。
さてベルリンの旅も今日で終わる。
旅の終わりはいつも少し切ない。
頭の中にはずっとエルトンジョンの
"Goodbye yellow brick road "
がヘビーローテで鳴り響いている。
くる時の機内で見た映画のせいだ。
ドイツはもう秋。
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