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あにまきな工房について
この度私が新しく立ち上げた「あにまきな工房」についてご説明します。
あにまきな工房の目的
あにまきな工房は生物学をモチーフとしたグッズや読み物を創作していくサークルです。
現在、生物学や動物学をモチーフにしたクールなグッズを鋭意制作中です!是非ご期待ください🧬
— あにまきな工房 (@NatureArTech) June 19, 2020
↑この度グッズ第一弾作成しました!詳しくは後半で。
創設の理由
今世界で使われている医薬品や医療技術は、すべて生物学の基礎を応用してできたものです。例えば感染症の時に使う薬、抗生物質のペニシリンは、古いパンとかにも生えるアオカビから抽出したものです。例えばワクチンは、大昔にエドワード・ジェンナーというクレイジーな学者が牛の病気を人間に感染させてみるというクレイジーな実験で見つけ出した医療技術です。
歴史を振り返ると、人類の発展には必ず「生物学」が存在します。
現在新薬開発や医療技術革新のためにAIやビッグデータが活用されていますが、そのきっかけを作り出すのは人間のひらめき、つまり過去の生物学から導き出される恩恵です。
一方で、いわゆる”勉学としての生物学”にはこんな意見も存在します。
難しい 面白くない 勉強してもこの先一生使わない
昔から生き物が好きだった私ですら、高校生の時はそう思いました。
私の当時の高校(1年時)の生物学はただひたすらに暗記、暗記、暗記の繰り返しで、この生命現象の何が大切なのか、どう大切なのか、まったく説明がありませんでした。
そのころ物理学にはまっていたこともあり、あまりの面白く無さに2年からは物理を選択しました。
大学では、もともとやりたかった生物学をもっと勉強したいと思い、国立大学の医学部生命科学科に進学しました。高校よりかはマシでしたが、そこでもなかなか授業は苦痛でした。
私が約10年越しに心の底から生物学を面白いと思えたのは、実に大学4年生になってからでした。自分で研究テーマを作り出し、当時は免疫学の研究をしていました。この時初めて、私は生物学の恩恵を意識する”当事者”となりました。
そして自分が”当事者”になることで、初めて自分たちの生活と生物学が密接に関係していることを知り、生物学の可能性に大きく魅了されることとなりました。
前置きが長くなってしまいましたが、このあにまきな工房は、
「生物学は難しい、面白くない、勉強してもこの先一生使わない」と考えていた私のような人に、
「ちょっと待って!つまらないのは授業で、本質はもっと面白いんだよ!」ということを伝えるために創設されました。
そして、できる限り皆さんに”当事者”になっていただき、これからの生物学の発展を、より興味を持って楽しんでほしいと願っています。
ここでいう当事者は、生物学者や医者になるような大きなことではなく、生活の中にある「ちょっと便利で楽しめる生物学 ≒ グッズや配信」を意識してもらえることだと考えています。
例えば、私たちの作るグッズを使っていただき、「あ、ちょっと便利かも」と思っていただくことや、発信に対して「なんかいいな」と思っていたいただくことも、生物学の恩恵を受ける立派な当事者になると考えています。
Twitterの説明文にある
「#生物学を、もっと身近に」
はそういう意図を込めてつけさせていただきました。
創作の例
こちらがグッズ第一弾「ぼ~っと光る!オワンクラゲのラバーストラップ」です。
【グッズ第1弾】
— あにまきな工房 (@NatureArTech) July 15, 2020
ぼ~っと光る!オワンクラゲのラバーストラップ
蓄光素材なので暗闇でぼ~っと光ります。疑似GFPを是非お楽しみください!🧬#クラゲ#オワンクラゲ#くらげグッズ#ラバーストラップhttps://t.co/qtaU0A1hKM
オワンクラゲは全国の水族館で平均的に見られるクラゲで、別に珍しくもなければ、見た目がきれいとかそういうものでもありません。
しかしこのクラゲ、発光するのです。
この発光成分である緑色蛍光たんぱく質(GFP)というたんぱく質は下村修先生らによって抽出され、現在多くの科学技術に応用されています。
たとえば、がん細胞にこのGFPの遺伝子を導入すると、癌の部分だけ光るマウスが作成できたりします。
(黄緑に見える部分が癌です。写真元:http://www.metamouse.com/GFP%20models.html)
下村修先生はこの功績が認められ、ノーベル化学賞を受賞しました。
このラバーストラップはオワンクラゲのそのような特徴を踏襲し、蓄光資材で作成され、暗闇に持っていくとぼや~っと光るようになってます。
こんな感じでぼ~っと光ります。カギやカバンに付けると夜でも分かりやすくて便利です。 pic.twitter.com/vkt0HSOMMe
— あにまきな工房 (@NatureArTech) July 15, 2020
このぼやぼや加減が絶妙で、実際にGFPもこんな感じに見えます。ピカ~ではなく、ぼや~っと光るのがまさにGFPです。
…と、こんな具合に説明しましたが、おそらく多くの方はGFPの説明あたりで「え、難しそう。飛ばして読んだろ。」と思うはずです。
それも当然です。この研究自体、実際そこまで簡単に理解できる内容ではありません。ですがあにまきな工房としての狙いは、
「なんか光るクラゲがいて、それが人の役に立ってるんだ~」
くらいの認識を持ってもらえてたら、シメたものです。
そしてこのグッズを鍵かなんかに付けてもらい、暗い中でも鍵が見つけやすくなって「なんか光るクラゲ」によって日常生活がちょっと便利になってくれたら嬉しいです。
そして、このグッズをエピソードとともに誰かと共有し、「じゃあ本物をちょっくら見に行ってみるか」と水族館にでも足を運んでいたなら、私たちはもう万々歳です。
あにまきな工房の最終目標
このサークルの活動について、何かしらレスポンスをもらうために必要なのはとにもかくにも”知ってもらうこと”です。
そのため主軸とするのはSNSでの啓蒙です。目標として、Twitterのフォロワー数1万を目指します。
そして行いたいのが、教育機関とのコラボレーションです。前半に述べた「ちょっと待って!つまらないのは授業で、本質はもっと面白いんだよ!」を発信でき、そしてかつての私のような”当事者”を育成できる唯一の場だからです。
また動物園/水族館/博物館とのコレボレーションも行いたいと考えています。ここに来られる方はもともとの動物に対する興味や何かしらの知的欲求を求められている方かと思うので、需要があるのではないかと考えるからです。
そして個人的に目指したいのが、ヴィレッジヴァンガードのようなサブカルチャーショップとコラボレーションし、生物学を「サブカルチャー」として認識してもらうことです。これができたらもう大成功ではないでしょうか(笑)。
そこから先の次のステージに関しては、研究者の人材育成や生物資源の保護等の夢がありますが、とりあえず今は知名度の拡張を目指します。
現在Twitterのフォロワー49(おかげさまでちょっと増えました)の弱小サークル甚だしいですが、頑張っていきたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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