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BtoB中小企業がWebサイト運用で失敗しないために


BtoB、主に中小企業のWebサイトのカスタマーサクセスを4年以上やってきました。おそらく訪問した企業数は300を越えると思います。ちょっと話しただけのなんちゃって実績ではなく、ちゃんとGoogleAnalyticsベースの資料を作成し、打ち合わせした数が300社です。


300社ほど訪問すると、うまくいってる企業と、なかなか成果に結びつかない企業の双方に出会います。私はカスタマーサクセスとして、いずれの場合でもちゃんと成果を感じていただけるように、提案をしてきました。そしてなんとなく、うまくいく企業とそうでない企業の傾向も見えてきました


そこで今回の記事では、BtoB企業のWebサイト活用について、どういった企業が失敗していて、まずどこから始めるべきなのか等を簡単にまとめます。


本当は『BtoBマーケティング』と書きたかったのですが、いきなり風呂敷が広くなりすぎるのと、BtoBの中小企業(特に製造業など)はまずはWebで成果を出さないとマーケティング投資も得られない(課題意識を感じています)ため、あえて『Webサイト活用』としています。


むしろ日本全体の労働生産性をあげるためには、そういったフェーズの企業のデジタル化を進めていく必要があると感じているので、「本来はこうすべき」という理想論も重々承知の上で、今回お話しするのは現実論の部分が中心です。(多少はその先の話も触れますが)


ちなみに弊社(Mtame株式会社)はWeb制作だけではなく、MAツールなども絡めたデジタルマーケティング全般の支援を行なっています。その中で、マーケティングの全体像の話をするのですが、まずは受け皿としてのWebサイトの施策が中心になることも多いのも事実です。

だから今回は、デジタルマーケティングの走りとしてWebサイト活用に取り組もうという企業や、Webサイトの運用に取り組んでいるけどうまくいかない企業の方々にもぜひ読んでもらいたいなと思っています


少しでも、何かの参考になれば幸いです。


運用がうまくいかないいくつかの理由

まずは、Webサイト活用で成果が出ないケースをいくつか紹介いたします。

うまくいかない例としては、以下の9つがよくある原因だと認識しています。

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❶運用のやり方を知らない
そもそもどう運用すればいいのかすらわからないケースです。力をいれたいと思っていても、何を学べばいいのか、どこから学べばいいのかすらわからなかったりします。

この場合は、まずは身近の頼れる人や信頼できるパートナーを見つけることが重要です。Web業界は学び出したらキリがないですし、リテラシーの低さにつけこむ業者も世の中にはいます。

そういった業者に引っかからないためにも、しっかりと情報収集を行なって、信頼できる人間を見つけるようにしましょう。もしくは自分自身で勉強をしたり、最新情報をキャッチアップするようしてください。


❷やる量が足りない
やることがわかっている前提で、工数が避けないケースです。もしくは本気度が足りず、単純にやる量が少ないというケースも含まれます。

致命的なほど工数がないのであれば仕方がないのですが、多くの場合はトップの覚悟と担当の意思で解消可能です。本気で成果を出したいのであれば、しっかりと人員を割いて、運用に専念するようにしてください。


❸そもそも何もやってない
どういうこと?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
実はWebサイトに期待を寄せるものの何もしていない会社が時々いらっしゃいます。

もちろん、しっかりと作り込みをしていればそれだけでもある程度は成果につながりますが、放っておいてはそれ以上の成果は見込めません。

まずは少しでも手を動かすこと。そしてWebサイトは魔法の道具ではないことを自覚して、正攻法で運用していきましょう。


❹協力体制が弱い
Webサイトからの成果は担当者だけが頑張ればいいものではありません。時にはコンテンツ作りを手伝い、より多くの引き合い獲得できるように他部門も協力が必要です。

また、獲得したリードにしっかりアプローチしているかどうかも重要です。意識次第でマーケのROIが変わることもあるので、Webサイトからの問い合わせ案件も、しっかりと営業がコミットすることで受注に繋げることができます。

1人で運用をするのではなく、社内を巻き込んで協力しながら運用していきましょう。これもできればトップの決断で、指示を出せるとスムーズです。


❺組織が最適化されてない
❹とも近いのですがより根本的な原因です。ある程度Webからの成果が出ているのに、売り上げにつながりにくいケースとして『組織の最適化』があげられます。

これはアプローチの体制が整っていなかったり、リード情報を管理する体制が整っていない場合に起こりがちです。

どれだけWebからの引き合いがあっても、BtoBはそこから案件を作り、受注につなげていくための体制が必要です。

理想は、問い合わせがきたらすぐにでも連絡し、長期案件はCRMに登録して担当が長期的に追客する、という流れが必要です。当たり前の話ではありますが、こういった当たり前の徹底が成果に対して大きなインパクトを与えます。


❻流行り物に安易に手を出す
流行り物に安易に飛び込むのはおすすめしません。Webを活用しようという意欲は大切なのですが、まずは自社に適しているのかをしっかりと考える必要があります。

例えば、ひと昔前に流行ったオウンドメディアは多くの企業が手を出したものの、成果につながらず閉鎖に追い込まれるケースが多発しています。もちろん目的や目標をしっかりと立てた上で、手段として活用するのは良いのですが、安易に手を出すと良いことはありません。

そうならないように、しっかりとWebサイトの役割を整理し、目的に沿った運用ができるように心がけていきましょう。


❼そもそもWebで戦える余地が少ない
業界によっては、必ずしもWebサイトの施策が有効ではないことも多々あります。Web施策=Webサイトとして決めつけるのではなく、自社のターゲットにもっとも適したチャネルを考えるようにしましょう。

もちろん会社の信用としてWebサイトは持っておいた方がいいとは思いますが、そこから直接的な成果を期待しすぎない方が良いかもしれません。


❽サービス自体に差別化ポイントが少ない
そもそもの話なのですが、サービス自体に差別化要素がないと、成果に結びつけることが難しいことがあります。商品のサービスサイトなどでよくある例です。

私がビジネスを語っても釈迦に説法なのであまり多くは語りませんが、ターゲットも何も決まっていない商品がこの世には存在します。こちらも必死にマーケットを探すのですが、ちょっと難しいのでは、、となってしまうことも。


❾なんとなくで運用している
最後にご紹介するのが戦略なくなんとなくの運用をしているケースです。実はこのケースが一番多く、目的や目標が曖昧なまま、とりあえず更新だけは頑張っている企業が多く存在します。

何かしらやってはいるのですが、ゴールが見えない作業に現場は消耗していき、成果も現れず、モチベーションも下がるという負のスパイラルが回ります。

そうならないためにも、あらかじめ目的や目標を決めて、定期的なKPIの進捗確認やフィードバックを行うようにしましょう。

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どうして運用がうまくいかないのか、についていくつかの例をお話してきました。当てはまる方々もいるのではないでしょうか。


続いて、どんな段取りで進めていけばスムーズに運用が開始できるのか、次の章でお話しいたします。

どんな段取りで進めるべきなのか

ゼロからWeb活用をはじめる際には、概ね以下の流れで進めていくことをおすすめしています。
※状況に応じて多少は前後します。

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①相談できる相手を持つ。バイブルを持つ。
うまくいかない運用例でも述べたように、そもそもやり方がわからないと成功しようがありません。そのため、まずは信頼できるパートナーか、自身のバイブルとなる書籍やコンテンツを持つと良いかと思います。

また、最近ではTwitterなどでも非常に有益な情報発信をしている方々がおりますので、そういった方々をフォローするのもおすすめです。困った時に聞ける相手が理想ですが、そうでなくても情報収集といった観点ではとても良いかと思います。


②ざっくりとしたペルソナを書く。
その上で、まずはざっくりとしたペルソナを立てます。

ペルソナというと、すごく詳細のプロフィールを作った方が良いのではと感じるかもしれませんが、BtoBでこれからWebサイトを使うフェーズであれば最悪ざっくりでも大丈夫です。

おすすめのやり方としては、実際に貴社のクライアントになっている実在人物をペルソナにしてください。またこの時に、これからサービス提供して成功していく顧客と、すでに自社のサービスを活用して理想的な形になっている顧客の双方のペルソナを作っておくと、コンテンツ設計がスムーズに進みます。

注意点として、BtoBの場合、担当と決裁者が異なる場合が多いです。そのためクライアントの社内の様子を想像しながら、ペルソナをレイヤーごとに立てましょう。


③マーケティングの全体絵を描く。(最悪手書きでいい)
続いて、マーケティングの全体絵を書きます。マーケティングというと難しく聞こえるかもしれないのですが、貴社とターゲットが出会ってから契約するまでの流れや、ターゲットがどういったところで貴社のことを知るのかなど、全体図で整理するイメージです。

最初に立てたざっくりとしたペルソナがどう回り回って契約に繋がっていくのか、まずは面で捉えることが重要です。


④改めて目的を定める
全体絵を描くことにより、Webサイトの目的がより明確化されます。ターゲットの行動の流れの中で、Webサイトとどういった接点を持ち、どんな役割を果たして欲しいのか、という観点から、改めて目的を定義します。

初期段階でWebサイトの目的を決めてしまうこともありますが、個人的にはちゃんと全体像を描いてから、目的を決めるようにした方が全体の流れが見えて、やるべきことが見えやすいのでおすすめしています。ここでちゃんと整理しておけば、あとで別の施策を立てる際にも便利です。


⑤ざっくりとしたカスタマージャーニーを作る。
最近、カスタマージャーニーマップ不要説をよく耳にするのですが、ゼロベースでコンテンツ作りからはじめる場合は作っておいた方が良いと考えています。はじめはどんなコンテンツを作ればいいのか、見当もつかないことがほとんどだからです。


先ほどのペルソナの中で、担当や決裁者がどう情報を集め、競合と比較検討をするのかをイメージした上で、足りないコンテンツを足していきます。その際に、どういう観点で比較検討をされるのか、なぜペルソナは貴社を選ぶのかなどを考えると良いです。


例えば以下のようなものを作るだけでも、自社に不足しているコンテンツの整理に繋がります。

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レイヤーごとに考えるならこんな感じです。

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⑥目標を決める。
全体像から目的やペルソナの流れを作ったら、具体的な目標を決めます。この時、出来るだけ長期の目標から、逆算して目先のKPIまでを決めると、綺麗にハマると思います。

目標には期限が必要なので、しっかりと締め切りを決めましょう。人は怠ける生き物なので、終わりを決めなければズルズルと延びて。しまいます。先ほど決めた目的を果たすためにも、進捗は厳しくチェックしてください。

また、施策も出来るだけ具体的に決めることで、やるべきTodoで迷うことなく進めることができる上に、タスクを消化する楽しみにも変えられます。そういった工夫も大事なので、ぜひ意識してみてください。


⑦人員を確保する。
続いて、その目標を達成する(施策を実行する)ためのリソースを揃えます。…と言いつつも、いきなりそんな潤沢なリソースがある会社はほぼないので、基本は兼務、いても専任1人でスタートすると思います。

ただし、コンテンツ作りや問い合わせ後の営業活動は、他部署の協力が不可欠です。そういった意味での人員の確保は、トップ自らが意思決定を下して進める必要があります。

Web領域は担当さんだけで頑張っても、その先はなかなか難しかったりするので、少しずつ組織や文化を変えていきましょう。


⑧実行する。
そこまで用意できたらあとは実行するだけです。先ほど決めた施策をしっかりと実行しましょう。

ここで行動できなかったら全てが水の泡になるので、少なくとも初動はコミットしてください。


⑨成果をフィードバックする
設計が正しくできていて、初動さえコミットできれば多少の効果が現れるはずです。ここで成果をしっかりフィードバックします。人は変化がないと行動をやめてしまうので、しっかりとフィードバックの期日まで決めておきます。

大体3ヶ月も経てば、ある程度成果が見え始めるはずです。BtoBはリードタイムが長いので受注には至らなくても、検索順位であったりCVとかは出てくるはずです。

ただ、これも100%ではないですし外すことも全然あるので、正しく成果を評価することが重要です。


⑩次に活かす
フィードバックが終わったら、当たり前ですが次に活かしましょう。進捗に乗っているところ乗っていないところあると思うので、乖離分はしっかりと埋め、調子がいいところは上方修正しても良いかもしれません。

PDCAという言葉の通り、施策を行ったあとはちゃんとチェックをして、次の改善に活かしましょう。そうして知見をためていくことで、自社の資産となります。

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書いていることはビジネスとしては当たり前のことです。結局のところ、当たり前のことを当たり前にやりきるのが王道です。

Webサイト以外ではできていることが、急にできなくなってしまう人がいます。本質は同じなのでしっかりやり切っていきましょう。

具体的に何をやるべきなのか

ここまで大枠の流れをお話ししましたが、具体的な施策についても触れておきます。

これも会社によると言ってしまえばそれまでなのですが、『BtoB』の『中小企業』が、『これからWebに力を入れていくぞ』っていうケースを想定してお話をします。

必ずしも当てはまらないケースもあるかもしれませんが、ミニマムでやるならこれ、ってのをご紹介するので、参考にしていただけると幸いです。

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⒈ まずは最低限の受け皿を整える。
どれだけ集客をしても、受け皿が穴だらけだったらザルに水を入れるのと同じです。まずは最低限受け皿を整えましょう。

しっかりとお問い合わせの導線があるか。デモ機の貸し出しフォームは設置されているか。資料請求の導線はファーストビューにあるか、などなど、基本的な整備を行なっていきます。

特に重要なのはファーストビューとCTA(問い合わせの導線)です。この辺りも話し出したらキリがないのですが、まず第一印象で貴社が何屋さんなのかがはっきりわかるようにし、促したいアクションが明確にわかるような導線を設置しましょう。

最低限このあたりはやっておかないと正直厳しいですし、これくらいであればリニューアルのようなまとまったお金を使わなくてもできるはずです(多少の改修で費用がかかることはありますが)。



⒉ 何で集客をするのかを決める。
受け皿を整えたら今度は集客手段です。ターゲットがどこから流入してくるのか仮説を立て(理想的には直接顧客に聞き)、集客手段を決めましょう。

ただ多くの場合、BtoBのニッチな業界であればそれほど有効な集客手段は多くありません。個人的には、まずはSEOとリスティングだけをやって見るのが良いと考えています。


⒊ 顕在ワードで1位を取る。
一般的に、検索順位に囚われすぎるのはよくないと言われますが、BtoBのニッチな業界であれば顕在ワードでは1位にこだわった方がいいと思います。かけるコストに対して、リターンが大きいからです。

BtoBのニッチな業界は、競合もそれほど多くなく、検索順位でも上位を目指しやすいです。当然上位に出れば競合よりも多くのアクセスを集めることができます。

そこでしっかりとページを作り込んでいれば、確実にCVの数を増やすことができるので、まずは1位を目指して良質なコンテンツ作りを行いましょう。

良質なコンテンツとは読んだ人の役に立ち、何らかのアクションを起こすことができるコンテンツです。独りよがりにならず、しっかりとユーザーのことを考えたコンテンツ作りを心がけてください。


⒋ リスティング広告をかける。
BtoBの製品の場合、キーワードボリュームもそれほど多くないので、顕在ワードでリスティング広告を出すのもおすすめです。

可能であればある程度まとまった金額(数十万円以上)で、ただし本当にニッチな業界ではなかなか予算が消化しきれないこともあるので、時間をかけるか網を広げて出稿する必要があります。この辺りは代理店も多く存在するので、相談してみても良いかもしれません。

広告を出稿することで、対策すべきキーワードがわかったり、成果を早く実感できたりと、様々なメリットがあります。本格的にWebに注力するのであれば、この辺りは惜しまず投資していきましょう。


⒌ 安価なMAで最低限のトラッキングをする。
せっかく広告も使ってアクセスも集めたのであれば、企業ログをためておいた方が後々の費用対効果は高くなることがあります。

広告のゴールはCVになりますが、もちろん全てのユーザーがCVに繋がる訳ではありません。そのため、CVにつながらなかった企業のトラッキングや、CVに繋がったものの受注につながらなかった案件などを追客する上で、安価なMAツールなどを入れてログを貯めておきましょう。

このときに、最初から高額かつ高機能のMAツールを入れても使いこなせず無駄になります。そのお金があったら広告に使った方が良いです。とにかく重要なのは、必要な時に必要なリストが適切に引き出せることがポイントです。

MAツールの多くはシナリオや自動化、スコアリングなどが主な特徴ですが、使いこなせるのはマーケティングの組織を持っている企業くらいだと思います。これからWebサイトを活用しようという段階でそこまでの機能はいらないので、フェーズに合わせて適切なツールを選ぶようにしてください。

手前味噌で恐縮なのですが、弊社で提供しているBowNowも無料から使えるツールです。まずはこういったものから始めて、ミニマムの成果を出すのが良いかと思います。



⒍ Webサイトの改善をする。
母数が集まってきたら、Webサイト内の改善を行いましょう。⒈のフェーズで立てた仮説の通りに進んでいるのかを検証しましょう。

最初からうまくいかないことも多いので、一喜一憂せずに冷静に原因を分析することが重要です。

ちなみにターゲットが集まっていないのにサイトの分析や改善をしても意味がないので、まずは受け皿を整える→集客→改善の流れは徹底してください。


⒎ 営業アプローチする。
当たり前ですが、Web施策が回り出したら営業のアプローチが必須です。先ほども述べた通りアプローチの体制をつくり、営業活動を行いましょう。

また、Webサイトの資料ダウンロードやホワイトペーパーなどで獲得したリードにコールをし、まずはセミナーに集客するといった段階的な営業活動もおすすめです。いきなり商談にならなくても、少しずつ見込み顧客を育てていきましょう。

⒏ 潜在ワードをとる。
ある程度顕在ワードで成果がで始めたら、潜在顧客にまでSEOの獲得ワードを広げます。

いきなりゼロから始めるというよりは、当初からある程度計画を立てておき、本格的に狙いにいくイメージです。例えば情報収拾段階で検索するキーワードを獲得し、そこからリードを獲得するためのハードルの低い仕掛け(ホワイトペーパーなど)を設置します。

潜在層への施策はリードタイムが長くなるので、中長期的な施策として取り組んでいくと良いでしょう。


⒏広告のターゲットも広げてみる。
広告に関しても、潜在層までターゲットを広げても良いかもしれません。ディスプレイ広告などのリスティング以外のターゲットに網を広げます。ただし、BtoBのニッチ業界ではあまり効果が見込めない場合もありますので、最悪ここはやらなくても良いかもしれません。

あくまで、取り残しをなくす目的でやるくらいの感覚で、余裕があったら実施しましょう。

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ざっと流れを書いてみました。企業の状況によって順番は前後しますが、大事なのはあれこれやり過ぎず絞ることだと思います。リソースや予算が潤沢にない場合は、まず成果に繋がりやすいところから施策を行うのがポイントです。

その他 よくあるつまずきポイント

せっかくなので、よくあるつまずきポイントについても触れておきます。

先ほどのうまくいかない運用例よりもミクロな話にはなりますが、こちらも合わせて参考にしてください。

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⑴ 検索順位が上がらない(上げ方がわからない)。
よくあるつまづきポイントです。まずは検索上位の分析と傾向を洗い出し、自社のコンテンツが劣っている部分を洗い出しましょう。

また、検索順位の上げ方が全くわからない場合は、やはり信頼できる人に相談するか、書籍、Webコンテンツで学習しましょう。

ちなみにgoogleは『検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド』というコンテンツを公開しています。考え方としては、こちらのコンテンツを読んで理解していただくのがもっとも適切と言えます。


ただし、少々難しい言葉も多いので初めは書籍などで学んだ方がとっつきやすいかもしれません。以下などは物語形式でとても読みやすく、本質的なことが書かれているのでおすすめです。


ちなみにおすすめ書籍関連は以下のnoteにもまとめているので、よかったら合わせて参考にしてください。



⑵ 順位は上がったけど問い合わせが増えない。
これもあるあるです。順位を上げたのに全く問い合わせが増えないときは、まず本当にそのキーワードであげるべきだったのかを疑ってください。

そして次に、適切な導線が設置されているのか、コンテンツの内容は十分だったのか、などを見るようにしてください。

ほとんどの場合は適切なターゲットが集客できていないか、集客したターゲットが満足しなかったのかのどちらかです。客観的に、Webサイトを見直すようにしましょう。


⑶ 社内理解が得られない。
全く別の切り口ですが、社内の理解が得られず運用が頓挫することもあります。トップや上司の理解があれば問題ないのですが、過度な期待をかけられる割に協力者がいない、リソースを割いてくれない、というケースはまだまだ多いです。

そうなると担当者さんもやる気を失い、結局成果にもつながらず頓挫することになります。

これはほとんどが、担当者ベースの悩みなのでパートナー企業や支援会社に協力してもらい、社内説得するのがおすすめです。少しずつ、仲間を増やしていきましょう。私も孤独な担当者さんの悩みを、幾度となく聞いてきました。


⑷ 何からやればいいのかわからない。
そもそも論です。全く何からやればわからず時間が過ぎていくケースです。まずは調べましょう。書籍で勉強しましょう。信頼できる人を見つけましょう。Twitterでフォローしましょう。まずはそこからです。


⑸ インプットの仕方がわからない。
⑷の悩みにも似ているのですが、インプットの仕方がわからない方も多く存在するなと思っています。基本的にはベースとなる知識をつけて、あとは日頃の情報収拾です。


この辺りは挙げだしたらキリがないのですが、やはり信頼できる人に聞いたりSNSでフォローして、少しずつ情報収拾していくのが良いと思います。


⑹ やってることが正しいのかわからない。
最後に切実な悩みです。やっていることが本当に正しいのかわからず、途中で頓挫してしまうケースです。

BtoBのサービスは受注までの期間が長かったり、直接的に成果に繋がっているかわからなかったりします。最終的な成果に繋がるまでの間も、適切なKPIを設定して社内に共有し、前に進んでいることを実感できるようにしましょう。

また、KPIの決め方がわからない場合はパートナー企業などの相談相手を持つと良いので、まずは自社だけで抱え込まないことも重要です。困ったときは人頼りましょう。


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いくつかつまずくケースを書いてきました。これらの悩みは結構あるあるなので、自分だけではないことを理解するためにも、同職種や同業界の仲間を見つけると良いかもしれません。

理想の成果を得るために

ここまで、「うまく行かない理由」「どんな段取りで進めるのか」「まずやるべきこと」「つまずくポイント」について解説してきました。


冒頭でもお話しした通り、今回はあくまで最初の一歩の話をしています。そして、最終的にはもっと広い視野で、Webマーケティングおよびデジタルマーケティングを推進していく必要があります。


日本の労働生産性をあげるキーワードとして『DX』、つまりデジタルシフトがありますが、WebマーケティングやデジタルマーケティングもDXにつながる施策の1つです


経済産業省が平成30年12月にだしているデジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドラインには、DXの定義を以下としています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」


変化への対応、データとデジタルの活用、ビジネスモデルの変革などが必要で、最終的には組織や企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立する必要があります。


そうなると今回のお話はデータとデジタルの活用段階の話で、ここから先はさらに最適な組織づくりや、文化の形成が必要だと考えています。


本記事の途中でも、組織の最適化の話は軽く触れましたが、本格的にWebマーケティングやデジタルマーケティングを行なっていくためには、フェーズに応じて最適な組織づくりが必要です。私の所属する会社も、そうやって少しずつ、デジタル化に取り組んで参りました。


特に売上を生む活動のデジタル化(デジタルによる業務効率化を守りのDXと呼ぶならば、攻めのDX)は、トップの決断が求められる上に短期間で実現できることでもありません。少しずつ変えていき、メンバーからすれば気がつけば高いところまで到達していた、という感覚に近いものです。


ですが、何も考えずに到達するものでもないので、強いリーダーの存在は必要だと考えています。人は現状を変えたがらない生き物なので、大きなショックを与えつつ、少しずつ変わっていくしかありません。

とはいえ、私としても出来るだけそのプロセスをショートカットして進めてもらえるように、意識して仕事に取り組んできました。同じ時間をかけていては知見を貯める意味もないので、ミニマムで始めてもしっかり攻めのDXを実現できるように、カスタマーサクセスとして提案もしてきました。


その上でやっぱり思うのは、なんども述べてきた通りトップが決断できる会社は強いです。Webサイトの活用1つとっても、差が出るのは本気度の部分の割合が多い気がします。もちろん企業によって状況が異なるので、力を入れないことが悪とは言い切れませんが、成果が欲しいのであれば一定数のコミットは必要です。


そんなことを、過去の4年間のカスタマーサクセスの経験から思っています。

6年前と比べて思うこと

私がカスタマーサクセスを始めたのは6年前です(2年ほどブランクがあるので暦としては4年)。せっかくなので、その頃との比較も軽くお話ししたいと思います。


6年前と比べた中小企業のWebサイトの活用に関して、肌感覚ではありますが格差が広がっているのではないかと感じています。(正確な比較データは見つかりませんでした、、)


今では中小企業でも専任がいたり、MAツールなどをまずは導入して、使おうという姿勢が見える会社が多く存在します。一方で、数年間Webサイトを触っていない、または10年以上放置された化石のようなサイトも存在しています。


活用している会社は少しずつでも前に進み、コンテンツや知見をためて行っていくので、差は開く一方です


もちろんデジタル化はWebサイトだけではないですし、ほんの一部でしかありません。ただ、多くの企業がグローバル化やデジタルシフトしていく中で、やはりWebサイトは最低限運用していくほうが有利な状況は増えていくと思います。


まずはミニマムからでもいいので、デジタル化の最初の一歩としての「Webサイト活用」を進めて欲しいです。そして中長期的な視点でデジタルマーケティングに取り組んでいき、組織や文化を変え、競争優位性の高い組織にまで発展させるお手伝いができたら嬉しい限りだと思い、日々仕事に取り組んでいます。

もっとも大切なパートナー選び

ここまでお読みいただきありがとうございます。Webサイト運用の初歩から攻めのDXの触りまで話してきましたが、ここに書いた内容もケースバイケースで、自社にあった進め方や施策を考える必要があります。


そうなると、やはり大切なのは適切なパートナー選びではないでしょうか。言うは易し行うは難しであって、実行フェーズになると必ず壁に当たります。なんの問題なく組織を変えていけるケースなんて、そうそうありません。そんな時に、一緒に頑張ってくれる信頼できるパートナーが必要です。

Webサイトの活用もDXも、理想論だけでは成功しません。特にWebサイトの活用は、運用の大変さもわかった人間じゃないと、本当に理想論の提案だけで終わります。それだけであれば、書籍やコンテンツを読めば事足りることです。


だから個人的にも、デジタル化を進めていくならば信頼できる会社や人に出会ってほしいと考えています。弊社や私自身もそういったスタンスで仕事に取り組んでいますし、弊社に限らず、企業の発展を考えてWeb制作やWebマーケティング支援を行ってくれる会社はたくさんあります。そういった会社とパートナーシップを組んで欲しいです。


単にSEOだけとか、広告だけをお願いすれば成功する時代ではなくなってきています。しっかりと上流の戦略から考え、提案できる会社に依頼したほうが、長い目で見たら大きな資産になるはずです。


そういったことを念頭に入れて、まずは最初の一歩を踏み出していただけたら幸いです。



長々と失礼いたしました。日本の生産性をあげるにはBtoBの中小企業の力が不可欠です。弊社もまだまだ小さい会社ですし、私も至らないところがございますが、引き続き頑張って支援していきたいと思います。相談等ありましたら、TwitterのDMなどでお願いいたします。


ちなみに過去にどんな支援してたかについては以下のnoteに簡単にまとめています。このnoteの支援サイドの考え方なのでもし興味があればご一読ください。




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また気が向いたら続きも書いていこうと思います。
引き続きよろしくお願いいたします。


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