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就活と、入社したときのこと。

私は、大学4年生の4月に内定をもらった。就職活動を始めたのは大学3年生の1月だったかと思う。職種は絞っていたものの、面接という、人前でのアピールの自信がなく、ただ数だけをこなしていた。

はじめての面接は確か1月だった。2人の男性と私での集団面接。泣きながらその場を後にしたのを覚えている。

頭が真っ白になり、言いたいことのひとつも言えなかったのだ。

「入りたい会社」というよりは「入れる会社」という思いで探していた。それでも、数をこなすことで、ある程度面接も慣れてきた。そして、ようやくとある小さなシステム会社の最終面接まで行くことができた。人事のお姉さんの印象が良かった。地味な会社ではあるが、内定が出たときは嬉しかった。

そして、入社式の1週間前。私は大学の時に付き合っていた彼と、卒業旅行を楽しんでいた。ロープウェイに乗ろうとしたところで、会社から電話が掛かってくる。

「決意表明を読んでほしいから、都合の良い日に会社に来てほしいんだけど。」

あの、印象の良い人事のお姉さんからだった。内定者は20人も居なかったんだと思う。私は、大学でプログラミングなんてやっていないから、この業界の事もまったくわからないし、どうしてなんだろう。と思い、ヘンな緊張感を持ってしまった。その当時の彼氏には、「は?なんでかっちゃんが??すごいけど、本当??」とまで言われた。

まぁそうだよね。私が人前で何かするのって苦手だって、当時の彼氏も思っていたのだろう。

本人が、一番そう思っていたけど(笑)。

入社の直前でバイトが終わって、さぁ1週間くらい楽しく過ごそうと思っていたところだったのに…。それでもスーツを着て、緊張しながら会社へ向かう。

人事のお姉さんに出迎えられて、すこし緊張がほぐれる。すると、決意表明は、決まった定型文を読めばいいと言われて、更に安心する。読んでといわれたので、とりあえず読んでみたんだけど、1回であっさり終わってしまう。聞けば、声の大きさも、読む速さも丁度よい、とのこと。

人前であがり症の私が、そんな才能はないはずなんだけどなぁ。と思いながら会社を後にした。

そして、入社式の4月1日になった。入社しない人にとっては、エイプリルフールだが、入社する人にとってはとても緊張する日。まだスーツが似合わない感じで、朝早く電車に乗っていたら、それは新入社員かもしれない。私もその日は、そう思われていたのだろう。

会社に着いて、入社式の席に座る。座っているだけならまだしも、これから決意表明をしなくてはならない私は、本当に緊張していた。手に汗をかく。

今も覚えているのは、決意表明を読んだ瞬間じゃなくて、あの緊張の中、席に座りはじめたことだけだ。

たぶん、何ごともなく入社式が終わったからなのだろう。


※※※

会社は、自分が予想していないチャンスを与えられる場所だと思っています。あれだけ人前で話すのが苦手だと思っている私でも、序盤から決意表明させられるんです。会社は、予想以上に私や個人のことを理解していません。人事の方がどうして私を選んだのかわからないのですが、あの時選んでもらったことは、いいチャンスだったのだと思います。

もちろん、そのチャンスは、悪いことや理解しがたい事もたくさんあります。

それは、価値観の違う人と向き合うことが避けては通れないからです。会社で出会う人は、気の合う友達じゃないんです。そういう人と利益やら何やらのベクトルを合わせていかなきゃならない。それは、予想以上に大きな壁にぶつかるかもしれませんが、壁を突き破ることができれば、それ以上に大きな発見ができると思います。

最後に、私は何年たってもあがり症です。ユーザーの前でプレゼンを何度もしましたが(笑)。価値観の違う、周りの上司や後輩が助けてくれたので、乗り切れました。新入社員の皆さんも、そういう出会いがあるといいですね。


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