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【学校に行ってみた】インド、ニューデリ郊外の大学

世界周遊69日目:インド

インドでは首都ニューデリー、タージマハールのアーグラ、西のラジャスターン州ジャイサルメールに行ってまいりました。

壮絶な大気汚染によって消え入りそうなタージマハール
黄金の街として知られるジャイサルメール
インドカレーは濃厚で美味しかったです。
※ちなみに最も美味しかったのはラッシー(驚愕するほど美味しいです)

さて今回は人生で一度は行ってみたい国、インドですね!!(個人差あり)
いやー色々衝撃的な国ではあったんですが、それはいいとして
インドには大学で教育学部の学生を教えている先生が知り合いにいたのでその方にお話を聞きに行ってきました。

しかも厚かましいことに大学のホームページにて
今回の訪問を記事にしてくださいました。💦

さて、そんなこんなで
今回はインドの教育について書いていこうと思います。


🔶インドの教育について


インドの教育について書く前にインドのカースト制度について知っておく必要があります。

ご存じの方も多いかと思いますが、インド人の約80%はヒンドゥー教徒です。そしてヒンドゥー教にはカースト制度というものがあります。
簡単にいうと階級制度です。(スクールカーストもこれですね)

この階級によって様々な行動を制限されたり、お互いに干渉できないようになっていたりしました。この時代が長く、実は1950年にやっと憲法で差別が禁止されました。
しかし、生活に色濃く根付いている文化はすぐに消えることもなく差別は至る所に存在していた(している)そうです。

さて、この文化的背景を踏まえた上でインドの教育について簡単にまとめていきたいと思います。

2000年を超えたところで義務教育制度が出てきます。5歳から13歳までの8年間(小学校相当5年、中学校相当3年)です。公立の義務教育は基本的には無償だそうです。

インドの学校システムは5-3-2-2の合計12年です。ここで修了共通テストがあり、その成績次第で(大学によっては追加のテストあり)大学進学をします。
中学相当の3年間が終わった後は中等教育の上下という2段階に高校が分かれているようなイメージです。ちなみに上下の間にも終了共通テストがあるそうです。

公立学校は州立のものが多くその州ごとに使用言語が違うそうです。
その点私立学校では一貫して英語を使用しているそうです。
大学受験や社会で使う言語が英語のことを考え、親は早い段階から英語に力を入れられる私立学校に子どもを入れたがるそうです。

🔶インドの大学教授と話してみた


インドの教育格差

インドで大学に行く前に、僕はインド国内を観光してました。
僕がこれまで行ってきた国は安定して発展した国が多かったんだと思います。
その違いにすぐに気づきました。

子どもが物乞いをし、子どもが盗みをし、子どもが路上で踊りや楽器演奏をしていました。
みたところ年齢は5歳から8歳くらいの子どもたちです。
上記のように義務教育時期です。

彼らの事情を知るよしもないですし、
義務教育制度ができて、施行されてからまだ日が浅いということは重々理解していますが
それでも子どもが学校に通わずにお金を稼いでいる姿はすんなり受け入れられるものではありませんでした。

大学の教授にお話を聞いたところ、インド政府としては義務教育制度を確立し、子どもたちが通える場所に学校を設置していると考えているそうです。
この10年で初等教育学校の数は飛躍的に増えました。
就学率は90%を超えているそうです。

しかし退学する生徒も多く、親の経済レベルや教育方針によって学校に行けなくなる生徒も一定数いるんだとか。
そのような子どもたちにまで政府が手を差し伸べることはまだできていないそうです。

高学歴、高収入の家庭に生まれ、学ぶことを重要視している親の元では高い質の教育に触れることができ、
逆の立場にある生徒は学校教育からも距離を取るようになっていきます。
この問題の根底にもカースト制度が根付いており、複雑化しているようです。
教育格差は一長一短で解決できない難しい問題です。

インドの生徒の苦悩

今回、大学生との対話の時間も用意していただけたので根掘り葉掘り質問をさせていただきました。

彼ら彼女らは大学に通うことができる経済レベルの家庭に生まれ、努力を積み重ねて大学に行くことができている全体の25%に属する子どもたちです。

親の期待、自分の人生をより良いものにするために、他の生徒に負けないように、様々な理由から強いストレスを抱えながらも勉学を続けてきのではないかと思います。
勉強が好きだという生徒は残念ながらいませんでした。笑

インドのテストも基本的には
どれだけ多くの知識を記憶しているかをはかるものらしく
そこに疑問を感じている学生もいました。

しかし、学校は好きだったそうです。
思い出話も千差万別、みなさん楽しそうに生徒時代を振り返って教えてくれました。

インドの子どもたちの自信

さて、上記のような教育環境ではありますが
実はインドの子どもたちはとても自信に満ちており、将来の目的も持っている方が多いんです。

お馴染みの日本財団が実施した18歳意識調査(2022年)によると
「自分には人に誇れる個性がある」84.0%で1位
「自分の人生には、目標や 方向性がある」88.2%で1位です。
(6各国中)

https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/eighteen_survey

子どもたちは学校でも自信満々にプレゼンテーションを行い、質問するためにどんどん手を挙げます。

何が起因しているのかとても興味があり、お話を聞いてみたところ
大きく2つの理由を示してくれました。

1つ目は国の歴史教育です。
インドという国の歴史を学ぶ際に、自分の生まれた国はどのような点で素晴らしいのかを学ぶそうです。
そしてその国に生まれたことを誇りに思えるようになるんだとか。
インド人であるというナショナリティに対する誇りが自信のベースになっているそうです。

国民としての誇りというと、日本人としては違和感を隠せないですが
世界大戦以前は日本人も強く持っていたものです。
そしてそれがなくなってしまった今、日本人は確かに自信の拠り所となる土台部分がなくなってしまっているのかもしれません。(あくまで仮説)

もう1つは保護者(母親とおっしゃっていました)の教育です。
子どもたちは学校での教育が始まる前に各家庭で「目上を敬う姿勢」と「他者を思いやる姿勢」を身につけるんだそうです。
この「他者を思いやる姿勢」がソーシャルスキルの根本につながり、学校を安全地帯にしているのではないかと思われます。

オランダのイエナプラン小学校の校長先生も
学校が心理的に安全であることがわかると子どもたちは自らの意思で自信を持って学び始めるとおっしゃっていました。
通じるところがあるのかもしれません。

🔶まとめ


今回はインドの大学にお邪魔し、インド教育について学ばせていただいた経験を書いてみました。

インド教育はまだ発展途上であり改善すべき点も多いのかもしれませんが、
他の国にない素敵な点がたくさんありました。

18歳意識調査でインドの子どもたちが示した数字は本当に素晴らしいものばかりです。
その要因になるのは何なのかを理解していきたいですね。


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