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無観客-1グランプリ

今年のR-1ぐらんぷりは無観客で行うらしい。

このご時世、他に重要なニュースが多すぎて
たぶん一般の人は見過ごしてたと思うけど。

R-1ぐらんぷりは、漫才のM-1グランプリと
対をなす、ひとり芸日本一を決める賞レース。
その決勝戦が、無観客で行われる。

これはえらいことになった。

今年のR-1は、歴史に残る
大会になるかもしれない。

M-1グランプリの誕生以降、
お笑いは「ネタの競技化」が進んできた。

尺が決まっていて、審査員が点数をつける。

今ではそれが当たり前だから
つい忘れがちだけど。

そもそもお笑いはスポーツではないのだ。

プロ野球が無観客になるのとはわけが違う。
お笑いで観客がいないのは
野球の相手がいないようなものだ。

もちろん、テレビの向こうに観客はいる。
でも、反応がわからない。

お客さんの爆笑が起こると、
それにぶつからないように次のセリフまで
間を取ることを「笑い待ち」というけど。

そういうわかりやすい場面だけじゃなく、
舞台に立つ芸人はお客さんの反応に合わせて
言葉や動きをコンマ何秒で調整し続けている。

無観客ではそれができなくなってしまう。

これがコンビならまだマシだ。
キャッチボールができるから。
ふたりの掛け合いで世界を作ることができる。

ひとり芸で無観客は一番きつい。

お客さんに語りかける漫談とか
フリップとかどうするんだろう。

……えっ?虚空?もしかして。
虚空に向かってやるのかな。
どうですかーって?虚空ですけどねーって?

いや、それはさすがにアレなんで、
審査員の方向いてやりましょうってなるか。

……それもうネタ見せじゃん!

どうなってしまうんだろう。
演者のことを思うと気の毒だけど。

観る方としては、今からワクワクしてしまう。
来週日曜、3月8日の午後7時に、もしかしたら。

新しいお笑いが観られるかもしれない。

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