田舎オタクの見た秋田県
これは学生時代に全都道府県を踏破した旅人の目から見た各都道府県の魅力を書き綴った記事である。
友人と行ったり、一人で車中泊をしながら旅したりと、さまざまな方法を駆使し、社会人となる前に全都道府県を踏破することができた。
なお私は友人に引かれるほどの田舎好きなので、回る箇所は自然遺産がメイン、自然へのポエムが飛び出すときがあるが、暖かく見守ってほしい。
2番目は秋田県。前回の山形県から北上し、初上陸を果たした。
大学の友人には秋田県出身者が何人かいて、なんもない、なんもないと聞いていたが、その「なんもない」は、田舎オタクの私にとってはとても幸せなことばであった。
なぜなら、なんもないというのは、「自然がたくさんある」ということなのだ。
名もなき自然へ想いを馳せることが、私は大好きだった。
結論から述べると、「秋田は素晴らしい場所なので出身者はもっと誇りを持ってください」である。
[この記事に登場する場所]
・抱返り渓谷
・田沢湖
・八望台
・入道崎
・風の松原
気になる場所があれば読んでいただきたい。
・抱返り渓谷
銀山温泉より台風から逃げるように車を走らせ北上し、秋田県に差し掛かった。
始めて訪れた秋田県の文字に興奮したのを覚えている。
秋田県のはじめに訪れたのが、仙北市にあるこの抱帰り渓谷。
何で知ったかは覚えていないが、Googleマップで遊ぶ趣味があるのでそれだろうと思う。
秋田では有名なのだろうか、県立公園に指定され、紅葉の名所として知られているそうで、青い川と深い山々、そして奥に掛けられた橋が趣深く、なるほど紅葉の時期に来たらさぞ美しいことだろうと感じた(8月末来訪)。
小さく見える赤い橋まで行ってみたいと思ったが、台風が追いかけてきており、捕まったら無事では済まないかもしれなかったので、こちらも早々に退散。無念。
・田沢湖
雨が降りしきる山道をひた走り、田沢湖へ向かう。
急に視界が広がり、目の前にまっさらな水面が現れた。
そしてそこに立つ、黄金の像。
「たつこ像」である。
1度素通りしてしまったが何か引かれ、引き返して雨の中撮影した。
意外と大きいのだが、写真だと小さく見えて残念である。
水も透き通っており、晴れた日に見るこの景色はどれだけ神々しいだろうと感じた。
[豆知識]
たつこ像は永遠の若さと美貌を願い、湖神となったと伝えられる、伝説の美少女たつこ姫のブロンズ像。
田沢湖の水深は日本最深で、423.4mもある。
もはや深海だ。
・八望台(男鹿半島)
台風から逃れるように先を急ぐ。
男鹿半島に差し掛かった。
アップダウンの激しい海沿いの道と、どんよりとした曇天が相まってアドベンチャーのような雰囲気を醸し出していた。
このように荒々しく厳しい日本海の自然を体験し、猿はいるが人間は誰もいない世界に不安を感じなくはなかったが、それ以上に心踊った。
「自然が襲いかかってくる」ような感覚にとらわれながら山を登り、八望台という景勝地にたどり着いた。
県道121号線沿いに位置し、戸賀湾・一ノ目潟・二ノ目潟さらには奥羽山脈・青森県境までもを眼下に眺望できる景勝地。
「八方全て絶景かな」ということで高松宮殿下が名付けられたという。(誰かな)
ご覧のとおり雲に覆われた景色だったが、それが男鹿半島の深い緑色を助長し、自然の力強さをひしひしと感じさせられた。
しばし自然の中に身を置き、この景色に見入った。
・入道崎
それからしばらく進むと、男鹿半島の先端、入道崎にたどり着いた。
ここまで来ると視界も開け気持ちがいい。
観光バスやお店も見られ、人間の営みを感じられた。
なまはげを至るところに見ることができた。
子供の頃は悪い子はなまはげに連れていかれると聞いて怖がっていた。
今思うと福島なのになぜなまはげを信じたのだろう。
相変わらず上空は雲に覆われていたが、心は晴れやかだった。
・風の松原
男鹿半島を抜け海沿いを走り、気づけば能代市までやって来た。
友人の出身地である地に訪れ、彼はここで生まれ育ったのか、と考えるのはなんだか感慨深いものがあった。
だが能代市は彼の言うとおり、「なんもない」場所であった。
いや、実のところ商業施設がある。自然もある。しかし、全てあるからこそ逆に「なんもない」という感覚を、私はそこで初めて知った。
そんな彼の生まれた地には風の松原という場所があるそうなので、行ってみた。
簡潔に述べると防風林のことだ。
中を散策していると道見ても松原には見えないのだが、まあいいか。
ここで出会ったご婦人といろいろお話しして、優しく応援してくださったことが印象に残っている。
その後彼女が知り合いと会話しているところを見たが、方言が強すぎて少し笑いそうになってしまった。
それが東北のいいところでもあると思う。
・その他印象に残っている場所
これは旅の1日目に宿泊した(駐車した)道の駅の庭である。
あまり覚えていないのだが(2年前)、写真に残っているということは、何か印象的であったのだろう。
道の駅の庭が広くて感動した、とかその辺りだったと思う。
ともあれ、秋田県は名も知らぬ自然が素晴らしい場所であった。
天気にはそこまで恵まれなかったので、晴れた日の県立公園や白神山地などを歩いてみたい。
秋田県出身の方はなんもないというが、冒頭で述べたように本当に素晴らしい場所だと思うので出身者はぜひ誇りをもってほしい。
結論、秋田いいとこ!
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